矢野香里先生(数学科)広報部
矢野先生修学旅行のメインは、ローズビルカレッジとの交流です。ローズビルカレッジは文華女子と同じく女子校ですが、雰囲気はどうでしたか?
Fさんそもそもオーストラリアに女子校があることを初めて知ったのですが、日本の女子校とそれほど変わりませんでした。「オーストラリアの高校には制服があるのかな?」と思ったのですが、ローズビルには制服があって、街でも制服らしき服を着ている高校生を見かけました。
そういえば、日本の女子高生は“前髪を作っている”人が多いけれど、オーストラリアでは“おでこ”を出している人が多いです。「どうしてだろう?」と思ったら、アイコンタクトをしたりコミュニケーションをとったりする際、前髪があると表情がわかりにくいからだそうです。彫りの深い顔立ちなので、おでこを出してもかっこいいと思います。
学校では、休み時間にみんなでお菓子を食べたりする場面も見られました。ローズビルカレッジでもスマートフォンの規制をしていたので、そうしたルールは文華女子と一緒でした。だからスマートフォンで一緒に写真を撮ることはできませんでしたが、バディになった人とは帰国後もSNSで連絡を取り合っています。
矢野先生みんな、それぞれのバディと一緒の授業に出ていましたが、Fさんはどんな授業に出ましたか?
Fさん私は「情報」の授業に出て、スライド作りを学びました。授業はモニターを観ながら説明してくれたので、よく理解できました。理系科目の授業に出た人は、内容が難しかったと話していました。生物の授業に出た友達は、内容がとても面白かったそうです。
矢野先生英語は聞き取れましたか?
Fさん最初はバディが何を言っているのかわからなくてパニックになりそうでしたが(笑)、徐々に理解できるようになると、相手がわかりやすい英語で話してくれていたことに気づきました。
矢野先生ローズビルカレッジでは、最初に合唱を披露していましたね。
Fさんはい。3.11(東日本大震災)の時の復興支援ソング『花は咲く』を日本語と英語で歌いました。
矢野先生英語の授業でも、英語版の歌詞を練習していましたね。
Fさん歌詞カードを見なくても歌えるくらいに練習して行きました。でも、日本語の歌詞が英語になると、韻を踏む部分がちょっと違って、リズムを取るのが難しかったです。
矢野先生帰国後のバディとのやり取りは、英語で行っていますか?
Fさんバディは絵を描くのが好きで、それは私と共通する点でした。だからネット上でイラストのやり取りをしています。バディと私は絵のタッチが全く違うので、とても良い刺激を受けています。英語のやり取りについては、バディのネイティブらしい言葉遣いに苦労しています。翻訳をかけるのも難しくて(笑)。
矢野先生そういう時はどうしているの?
Fさん頑張って解読しています(笑)。でも、バディとやりとりしていて感じたのは、“英語は全て大文字”とか“略字”とか“スラング”とか、色々な表現方法があるということです。日本の英語授業では、単語の最初の文字だけが大文字などルールがあると教えられますが、ネイティブはそれだけにとらわれない表現をしているのだな……と。
矢野先生帰国後も、そこまで親しくやり取りしているとは思いませんでした。
Fさんでも、オーストラリアでは2024年に“16歳未満のネット交流サービス(SNS)利用を禁止する法律”が成立したらしく、早ければ1年後に施行されるようです。だから連絡が取れなくなってしまう可能性があるのは不安です。禁止令が施行されたら3年間くらいはバディと連絡が取れなくなってしまいます。
矢野先生世界のニュースに敏感になりましたね。私はFさんのクラス担任ですが、バディとのやり取りは日本語を英語変換して“コピー&ペースト”で送っているのだろうと思っていました。数日間の旅行でそこまで勉強していて、その勉強が今も続いているのは素晴らしいですね。修学旅行の体験は、将来の目標に何か影響を与えてくれましたか?
Fさん私は将来、演技をする世界で働きたいと思っていて、そのために「声優部」に所属しています。声の演技はアニメにとどまらず“吹き替え”にもありますから。顧問の先生は、「英語を聞きながら朗読できるようになるといいね」とおっしゃっていて、だから英語は必須だと思いました。それと、あまり難しく考える必要はないのだと思っています。
矢野先生それはどういう風に思ったのですか?
Fさん演技の世界で活躍できる人はほんの一握りで、絶対に無理だと思うこともありましたが、海外の人と交流していると、そんなに難しく考えずに夢を追いかけている人がたくさんいました。「夢を追いかけて楽しく生きるのがいいな」と思えるようになりました。
矢野先生色々と失敗をしたかもしれませんが、その時間のなかで経験したことは、必ず学びとなって実を結ぶと思います。Fさんも頑張って夢を追いかけてください!
Fさんはい!ありがとございます。
ブルー・マウンテンズ国立公園にて。
渓谷に多くのユーカリの木が生息し、それが出す油分が日光により
青くかすんで見えたことから「ブルー・マウンテンズ」と呼ばれています。
3姉妹が岩になった伝説が残る「スリーシスターズ」、
滝やトロッコ電車など、見どころが盛りだくさん。
ディナーで食べたアンガス牛のステーキ。赤身肉が多い品種にも関わらず柔らかい肉質が特徴で、みんなでおいしくいただきました。
東日本大震災の時の復興支援ソング『花は咲く』を合唱。練習のかいがあって、みんな歌詞カードを見ずに英語で歌うことができました。
ローズビルの“制服を着たクマ”が一人ひとりに贈られました。大きなクマは何年も前にいただいたもの。学校の玄関に飾られています。
帰国後に日本とオーストラリアの違いをスライドにまとめたFさん。
Fさんとバディは現在もSNSでイラストのやり取りをしています。