上野学園高等学校では、高1・高2の希望者を対象に「ターム留学」を実施しています。例年1月下旬に出発し、4月上旬に帰国する10週間の予定で、オーストラリアのブリスベンにてホームステイをしながら現地の高校に通学します。高1の3学期間にターム留学を経験した高3生と高2生に、現地での取り組みや帰国後の学校生活を振り返ってもらいます。
上野学園高等学校では、高1・高2の希望者を対象に「ターム留学」を実施しています。例年1月下旬に出発し、4月上旬に帰国する10週間の予定で、オーストラリアのブリスベンにてホームステイをしながら現地の高校に通学します。高1の3学期間にターム留学を経験した高3生と高2生に、現地での取り組みや帰国後の学校生活を振り返ってもらいます。
遠藤さん3歳から小学校卒業まで英会話教室に通っていました。英語や英語圏の文化に親しんできたものの、実際に海外へ行ったことはなく、飛行機に乗った経験すらありませんでした。中学時代は勉強に苦手意識をもっていて、自信を失くしていた時期があり、「今の自分を変えたい!」という強い思いがありました。
そんな時に先輩や先生から「ターム留学」の話を聞き、「自分を変えるきっかけにしよう」「高1になったら絶対に留学しよう」と決意しました。説明会に参加するにつれて、その思いはますます強くなり、自分にとって“挑戦”が大きなテーマとなりました。
留学に向けて英語のスキルをさらに磨くために、ネイティブの友人にオンラインレッスンをお願いするなど、積極的に準備を進めました。初めての経験が続くなか、パスポートの取得や飛行機の便を確認する度に、自分の気持ちが前向きになっていくのを感じました。それまでの自分とは違う、新しい自分に生まれ変わっていくような感覚でした。
田中さん幼い頃から海外で学ぶことに憧れを抱いていて、上野学園に入学した時から「ターム留学」に興味をもっていました。特に高1になってから「3学期にはターム留学をする!」という思いが強くなり、留学先でしっかりとコミュニケーションが取れるようにと、英語の授業にも一層集中して臨んでいました。
もともと人と話すことがあまり得意ではなく、食物アレルギーも抱えているため、留学に不安を感じることもありました。それでも「留学したい!」という思いは揺らぐことがなく、応募を決意しました。面接や志望動機でも、その強い意志を伝えました。面接では「折り紙などの日本文化を、自分の言葉で海外の方々に伝えてみたい」と話したのを覚えています。
遠藤さん交友関係の広いホストファミリーだったので、さまざまな年齢や立場の方々と交流する機会に恵まれ、とても刺激を受けました。初日はフィジーにルーツをもつ方の“20歳を祝う食事会”に参加し、そこでインド系の料理をいただくなど、多様な食文化に触れることができました。
休日は家にいる時間がほとんどなく、ホストファミリーは色々な場所に連れて行ってくれました。キリスト教のグループ活動に参加してメンバーと一緒に歌ったり、お菓子を食べたりしながら、楽しいひと時を過ごしました。
日本語の授業では私が指導役に回ることもあり、日本語を教える経験も得ました。毎日が充実していて退屈な時間は一切なく、多くの経験を通して視野が広がったことを実感しています。
田中さん現地校の先生や生徒が付きっきりで教えてくれることもありましたが、どこがわからないのかを伝えるのに苦労しました。言葉だけでなく、身振り手振りも交えて一生懸命に伝えたのを覚えています。生徒たちはとてもフレンドリーで、私が困っている様子を察して、すぐに声をかけてくれたのが印象的でした。
放課後はホストファミリーが所属している部活動を見学したり、友人と図書館へ行って勉強や読書をしたりして過ごしていました。現地の授業は全て英語で、特に「世界史」の授業は難しかったです。逆に日本語の授業では、普段とは異なる視点から日本語を学べる点が新鮮で面白かったです。
ホストファミリーは、私が理解しやすいように簡単な英語を使ってくれましたが、学校では教科書に載っていない“若者言葉”や“スラング”が飛び交い、そのギャップに苦労しました。“言語の壁”は想像以上のものでしたが、それもまた良い経験になったと思います。
私は料理が好きで「クッキング部」に所属しているため、ホームステイ先ではホストファミリーと一緒に食材の買い出しや料理も楽しみました。特に日本料理に興味をもってくれたので、一緒にラーメンを作ったことが良い思い出です。単においしい料理を作るだけでなく、料理を介して人と交流する楽しさを知りました。
遠藤さんそれまでは周囲の目を気にして、自分の行動を制限する傾向にありましたが、留学を経験して「本当の自分はコミュニケーションが好きなのだ」と気づかされました。そして「主体的に人と関わることが自分の強みだ」ということを自覚してからは、“人に伝える力”が身について自信がつきました。
留学後はさまざまなことに挑戦しながら、自分の長所を伸ばしていきたいと思います。内向的だった自分が学校行事で司会を務めるなど、人前に立つ機会が増え、“後悔しないように行動する姿勢”も身についたようです。
日本以外の国にも目を向けるようになり、英語で世界のニュースに触れることが習慣になりました。また、以前よりもアクティブになり、周りからも「雰囲気が変わったね」と言われます。授業への取り組み姿勢も変わり、一つの課題に対して多角的な視点で考えられるようになりました。
中学から「コーラス部」と「鉄道部」に所属していましたが、高2からは「英語部」にも所属し、英語力の向上に努めています。後輩にも英語を教え、広い視野をもつことの大切さを伝えることにも力を入れています。
田中さん以前より前向きになり、外出することが増えました。「探究の授業」ではグループで話し合う機会が多く、オーストラリアでの経験が大いに役立っています。現地校では異なる意見を交わし合う時間が多かったので、そのスキルを今に活かせています。
また、ノートの取り方も現地の生徒に教わった方法を参考にして、よりわかりやすく整理できるようになりました。生活面でもベッドメイキングをはじめ、“自分のことは自分でやる”を意識するようになりました。現地では多くの人に助けられたので、帰国後は困っている人に手を差し伸べることを心がけています。
遠藤さん大学では外国語学部でドイツ語を学びたいと考えています。理由は現代社会の移民問題に興味があり、特にナチス・ドイツのユダヤ人迫害の経緯や、そこに至った考えを知りたいからです。ドイツ語を通してその背景を学び、日本語・英語・ドイツ語の多角的な視点で物事を捉えることをライフワークにしたいと思っています。
そして将来は、自分の経験や個性を磨き、偏らない視点で生徒一人ひとりと真剣に向き合える教員になりたいと考えています。このような教師像に憧れるようになった理由は、上野学園の先生方にあります。先生方が生徒に与える影響の大きさを実感し、自分も生徒を導いていける存在になりたいと思います。
田中さんオーストラリアでの乗馬体験がきっかけで動物に興味がわき、獣医になる夢を抱くようになりました。もともと数学が好きで理系への進路を考えていましたが、将来の目標については悩んでいました。そうしたなかで留学を経験し、動物への興味と将来の夢が結びつき、進路が少しずつ明確になっていきました。今後は「職場体験」にも参加し、実際の現場を経験してみたいと思っています。
勉強面では現在、英検準1級をめざして勉強中で、「数学検定」にも挑戦したいと思っています。
遠藤さん海外の人々が多く訪れる「上野」は、フィールドワークなどを通じて国際的な視野を広げられる環境にあります。また、文化祭などの学校行事も大いに盛り上がり、勉強に励みながら楽しい思い出をたくさん作れる環境も整っています。上野学園は、その両方を経験できる学校です。
田中さん上野学園の魅力のひとつは、クラスメートとの仲の良さです。特に「特進コース」では、クラス替えがなく3年間を同じメンバーで過ごすため、自ずと強い絆が生まれます。共に学び、支え合う仲間がいる環境は上野学園ならではです。成長するうえで貴重な経験ができる学校だと思います。
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