本校の「理数キャリアコース」 では、一人ひとりの生徒が、自分の研究成果を英語でプレゼンテーションを行います。探究・研究に取り組む大前提として、自分の課題を見つけ、どのように検証するかなど、研究の道筋を学ぶ必要があります。本校の一貫生は中学段階から研究の導入手順や手法を学んでいるので、高入生は一貫生にリードされながら文京学院の探究手法を学びます。
高1の終わり頃に探究のテーマを模索し始め、高2で本格的な研究に取り組みます。科学に関連する文献を読み、英語で発表するために必要な英語を学ぶことを目的に、週1回「探究英語」の授業を受けています。また、英語・コミュニケーションの授業のうち1時間はネイティブ教員が担当してサイエンスを軸に授業を展開しています。
本校のネイティブ教員は英語だけでなく、「社会」「音楽」「理科」など、それぞれが専門分野をもっています。特に理科担当のネイティブ教員は、英語論文の査読をしたり大学の研究にも関わったりするなど、サイエンスへの見識が深い教員です。そのため生徒の研究に対しても、「この分野にはこのような論文があるので読んでごらんなさい」「先行論文をきちんと読まなければ、研究は完成しません」など、専門的な立場から的確な指導ができるのです。
土曜日の放課後には『国際塾』を開講し、ゼミ形式で自身の探究に必要な英語力を身につける機会も用意しています。また、先輩たちの蓄積もあるので、卒業生の研究をベースに関連する自分の研究を進める生徒もいます。例えば、前年に卒業生が行った『紅の研究』は、2024年度の高3が引き継ぎ、発展させて『白粉の研究』に取り組みました。さらにタイで研究発表を行う際、現地の生徒や先生からいろいろなアドバイスを受け、意見交換をしながら研究を進めることもできます。
「理数キャリアコース」を設置して15年近くが経過した今、多くの卒業生が多彩な分野で活躍しています。ある卒業生は現在、北海道でイチゴの品種改良に携わり、新しいイチゴを開発しています。2023年度は南極探索船の仕事に携わる卒業生が来校し、後輩のために話をしてくれました。
今後めざすのは、さまざまな枠を超えた探究活動です。その一つが本校に隣接する『アオバジャパン・インターナショナルスクール』との教育提携です。『アオバジャパン・インターナショナルスクール』が取り組む放課後講座に参加したり、音楽系クラブがジョイントコンサートを行ったりすることもあります。また、足立学園高等学校(男子校)と共にサイエンスを学ぶ取り組みも始まりました。そもそもタイの学校との交流には、東邦大学や芝浦工業大学との高大連携授業も実施しているので、日本という枠組みを超えた学びに広げていく予定です。