2024年度も多くの1年生が入部した工学院大学付属高等学校のサイエンス部。校内に設置された天文台で夜の天体観測会をしたり、畑で野菜を栽培して収穫期に食べたり、教科書に載っていない実験に没頭したりと“極上のサイエンス”を楽しむことができる大人気の部活動です。
2024年度も多くの1年生が入部した工学院大学付属高等学校のサイエンス部。校内に設置された天文台で夜の天体観測会をしたり、畑で野菜を栽培して収穫期に食べたり、教科書に載っていない実験に没頭したりと“極上のサイエンス”を楽しむことができる大人気の部活動です。
M.Kさん「化学班」「物理班」「生物班」「天文班」の4班に分かれて活動しています。従来は「天文部」と「自然科学部」に2分されていましたが、現在はその2つの部活動が合併して、中高合わせて100名以上の部員が在籍する部活動です。
T.Kさん各班によって活動日は異なりますが、夏の合宿や春の校内合宿などには、各班がそろって参加します。高校生はいつも中学生(工学院大学附属中学校の生徒)と一緒に活動しており、学年を超えて仲が良いのもサイエンス部の特徴の1つです。
O.Sさん中学生の頃から実験が好きでした。3歳上の兄が工学院大学附属高等学校(以降、工学院)の卒業生で、「とても人気のあるサイエンス部があるよ」と教えてもらったことが入部のきっかけでした。
J.Tさんもともと“生き物”が好きで、近所の公園などで「カブトムシ」や「ヒラタクワガタ」を採集していました。工学院の近くにも山があり、豊かな自然に恵まれた環境に興味をもって受験しました。サイエンス部に入ったのは、学校見学を兼ねて行った『夢工祭』(文化祭)で、サイエンス部の部員が楽しそうに活動していたからです。
M.Kさん小学生の頃から星を観るのが大好きで、近所のプラネタリウムによく通っていました。工学院には都内の高校でも珍しい天文台があり、「高校生活のなかで天体観測ができるっていいな」と思い、迷わずサイエンス部に入部しました。
T.Kさん高1の担任の先生がサイエンス部顧問の1人である井上アン先生でした。誰からも親しみを込めて「アン先生」と呼ばれているフレンドリーな先生のもとで、3年間過ごしたいと思って入部しました。
「天文班」のM.Kさん(高2)。副班長を務めています。
高3のT.Kさんはリーダーの1人。「天文班」と「生物班」に所属しています。
高1のO.Sさんは「物理班」と「天文班」に所属して頑張っています。
「天文班」と「生物班」に所属するJ.Tさん(高1)。「UFOが見たい!」と話します。
M.Kさん自分は「天文班」の副班長です。天体観測は基本、空気が澄みわたる秋から冬を中心に活動しています。自慢の天文台で天体観測をしたり、一眼レフカメラを使って月の写真を撮影したりするのも楽しいです。
月が隠れている夜や新月の時は、星座を撮影することもあります。とにかく写真の腕前が勝負になるので、普段からカメラを持って撮影テクニックを磨いています。誰でも使えるサイエンス部専用のカメラは20台あります。
J.Tさん僕は「天文班」と「生物班」に所属しています。「天文班」では今、秋の『夢工祭』(文化祭)に出展予定のプラネタリウムの製作が始まっています。
一方、「生物班」の活動の軸は、何といっても学校周辺の自然を活用したフィールドワークです。高尾山での野鳥観察も楽しいです。学校の敷地内では野菜も栽培しており、畑に監視カメラを設置して、エサを求めてやってくる野生動物の観察・記録も1年を通して行っています。畑で栽培した野菜は基本、みんなでおいしく食べています。
O.Sさん「物理班」では『夢工祭』に向けて、僕たち高1は『ガリレオ温度計』作りに挑戦していて、高2の先輩たちは1年を通して熱気球の実験をしています。教科書に載っていないような実験、工作にもどんどん挑戦できるので、物理好きな僕のテンションも上がります。
T.Kさん「生物班」の活動では、高尾山に棲息する“ムササビ観察”も行いました。「サイエンス部」の拠点である理科室には多くの生物がいるので、そのエサやりも「生物班」の大切な仕事の1つです。「ウーパールーパー」「スッポン」「シマドジョウ」「ドクターフィッシュ」など、メジャーな生物も飼育していれば、肺呼吸とエラ呼吸のどちらもできる「ポリプテルス・エンドリケリー」など、珍しい古代魚も大切に飼育しています。
「化学班」は実験がメインで、研究成果をレポートにまとめることが多いです。なお、「化学班」に所属する高2の後輩たちは今、工学院の特色の1つ「探究論文」の作成に向けて、化学発光の実験に力を入れていると聞いています。
「40cm リッチー・クレチアン式天体望遠鏡」を備えた自慢の天文台で。「天文班」の生徒を中心に、皆既月食などの貴重な天体ショーを楽しむイベントもあります。
「生物班」が管理する校内の畑。手前にあるのが野生動物をチェックする監視カメラです。
生物班
物理班
化学班
O.Sさん顧問の先生方(會田雄二先生・井上アン先生)がとても気さくで、実験をする際も「今日は何やる?」「何か必要なものはある?」と聞いてくれます。先生との距離が近い工学院らしい雰囲気が、ギュッと凝縮されているのがサイエンス部です。生徒たちの「これをやってみたい!」ということに、「やってみよう!」と先生も一緒に実験を楽しんでいる点も自慢です。
J.Tさん先輩・後輩の仲がとても良いことです。僕は父の影響で天文が好きになりましたが、個人的には、「いつかUFOを観ることができたらいいな」と思っています。誰か一緒に探しませんか?
M.Kさん部活動と勉強の両立ができている生徒の多さが自慢です。生徒同士で学び合う機会もたくさんあります。部員数が多い分、異学年のコミュニケーションも普通にあるので、わからないことがあれば教え合ったりしながら成長できる点がとても好きです。中学生とも関わるこの夏の合宿も、今から楽しみにしています。
T.Kさん何といっても合宿が楽しいです。夏は恒例の福島での合宿があり、冬は学校の教室に布団を並べて寝る校内合宿もあります。校内合宿で作る班ごとのカレーも、サイエンス部のちょっとした名物になっています。
春は奥多摩に写真を撮りに行きます。大所帯なのでもめ事がないわけではありませんが、基本はみんなでしっかり話し合って物事を決めていきます。僕はサイエンス部に入ってから天体写真にハマりました。そうした体験から、「自分の“好き”に気づくことができるサイエンス部」だと思っています。
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