豊かな自然環境のもと、自分の好きなことに打ち込む二松学舎大学附属柏高等学校の生徒たち。恵まれた施設・設備で活動する運動部にはゴルフ、カヌー同好会を含めて14の部活動がありますが、今回は文化部の紹介です。12ある文化部から「軽音楽部」と「工学部」の部長、副部長が自慢の活動を紹介します。
豊かな自然環境のもと、自分の好きなことに打ち込む二松学舎大学附属柏高等学校の生徒たち。恵まれた施設・設備で活動する運動部にはゴルフ、カヌー同好会を含めて14の部活動がありますが、今回は文化部の紹介です。12ある文化部から「軽音楽部」と「工学部」の部長、副部長が自慢の活動を紹介します。
2024年、30人以上の新入部員を迎えた軽音楽部は、新しいバンド編成に向けて、1年生がバンド体験をしているところです。ギターやベース、キーボードなどは個人の楽器を使っている部員もいますが、ドラムセットは学校にあります。楽器初心者がほとんどで、YouTubeなどで技術を学びながらバンド演奏を仕上げています。活動日は平日の放課後。1日に2バンドが練習できます。発表の場は月1回開催される部内の定期演奏会と『松陵祭』(文化祭)。2024年はどんなバンドが誕生するのか楽しみです。
私がギターを持ったのは中3の時、YouTubeで動画を観ながら練習しました。バンド編成はときどき変わることがあって、今まで経験したことのない楽器を担当することもあります。その際も、みんな独学で練習しています。ギターのコードが全くわからない人でも、『松陵祭』ではきちんと弾けるようになっています。2024年度の新1年生には、キーボードやギターが弾ける部員がいるので、今から楽しみにしています。
各バンドは、だいたい5人編成が多く、どうしても中学からの部員だけで固まってしまったり、学年を越えたコミュニケーションが少なかったりするのが従来の軽音楽部でした。そこで“学年を越えたつながりをもっと深くしたい”と思ったのが部長になったきっかけです。2024年度は最初からみんなと連絡先を交換し合い、部員同士がつながるように工夫しました。
私が入部した当時は「スーパー特進コース」が私一人だけでしたが、2024年は「特進コース」から「スーパー特進コース」に移籍した部員がいるので、同じ学習環境で部活動と学業の両立をめざす仲間ができたことはうれしいことです。バンドごとに個性があるので、選択する楽曲もバラエティ豊かです。楽器初心者はすぐ“部内ライブ”に出られるわけではありませんが、協力して教え合い、さまざまな演奏機会を積み重ねて『松陵祭』を迎えたいと思います。『松陵祭』では中庭と音楽室でライブを行います。異学年が混じり合ったバンド演奏にご期待ください。演奏経験のある強力な1年生の演奏にも注目です!
パソコン部から「工学部」に名称変更した同部は、年々部員を増やしています。理由は活動内容の幅が広がったことにあります。従来、プログラミングや動画作りが主体でしたが、2022年に『エコ1チャレンジカップ』(中・高校生による手作り電気自動車コンテスト)に挑戦して『アイデア賞』を受賞したことをきっかけに、「活動はパソコンの中だけじゃない」ことを表明するために「工学部」となりました。2024年春の部活動紹介では、部長が自ら「EV車」に乗って登場し、工学系に興味のある新入生の心をわしづかみにしました。工学系のほかにもゲーム制作をする人、コンピュータでイラストを描く人 、動画作りをする人など、みんな好きなことに熱中しています。毎年プログラミングが得意な高1生部員が『情報オリンピック』に出場しており、今の目標は二次予選突破です。
部員は約50名。動画用のカメラや「3Dプリンター」「VRゴーグル」などの機器もそろっているので、「eスポーツ」への参加も夢ではありません。工学部を率いる部長と副部長が語ってくれました。
部長工学部は皆、得意な分野が違うよね。副部長は今ゲームを作っているけれど、どんな状況ですか?
副部長2024年の夏に「U22」のコンテストに出品する予定なので、そろそろ本腰を入れなければならない状況です。
部長今、部員2人でゲーム作りをしているけれど、ゲーム作りはシナリオも作らなければならないから大変でしょう?
副部長そうですね。大まかなところはできているけれど、細かい部分がまだ決まっていません。本当は1年生部員も入れてゲームを作りたいですね。
部長1年生は10人以上入部してくれたし、いろいろなことに興味をもっている部員がいるから楽しみだよね。ところで、副部長はなぜゲームに興味をもったの?
副部長最初に経験したのは『マリオカート』で、当時は「ゲーム機を作りたい」と思っていました。ゲームを作るのは難しいと思っていたから。でも、「工学部」に入ったら、機械を作るよりもゲームそのものを作るほうが案外簡単だなと思って。いろいろなゲームがあるけれど、まだ自分の想像を超えるエンディングを迎えたものに出会っていないので、それなら自分で作ってみようと思ったわけです。
部長の得意分野は何ですか? 部長はプログラミングの世界では“サラブレッド”のような環境で育ったように見えますが……。
部長僕は親がシステムエンジニアで、プログラミングが身近にあっただけ。「工学部」に入ってから映像に興味をもちました。先輩にプロのカメラマンとして活動している方がいて、学校の映像を撮っていただいた際に「映像も面白いな」と思って。あと、今は軽音楽部とコラボレーションして、バンドのMVを作ってみたいと思っています。
副部長それ、いいですね! 動画を作る技術と制作担当もいるし、シナリオを書ける部員もいますからね。
部長それぞれの得意分野を活かせると思う。2023年度の『松陵祭』(文化祭)では「電車シミュレーター」を作ったけれど、そこでわかったことは「工学部」には案外“鉄道好き”が多いということだね。
副部長1学年に1人は鉄道に詳しい部員がいるような。「二松柏」に鉄道研究部がないからかな?
部長さらに今後は「EV車」を発展させて、ドローンのように飛べるものを作ってコンテストに出したいと思っています。
副部長僕らが社会人になる頃には「AIに仕事を奪われる」という状況になっているかもしれないですね。将来、部長はどんな分野で活躍したいと思いますか?
部長正直なところ今、僕が活躍できると思える場所のほとんどは、AIに取って代わられるという気がしています。でも、新しい仕事は必ず出てくると思う。今、通信系の開発に興味があって、例えば災害時に電波が通じなくなったら人工衛星で通信する方法があるけれど、今までなら衛星電話でしかできなかったことが、個人のスマートフォンでもできるようになったらいいと思っています。そんな世界に関わりたいと。
副部長僕もAIが席巻すると言われる将来でも、不安ばかりだとは思っていません。AIは人間が生み出したものだし、AIに学習させたり制御したりするのは人間です。ゲームだって、すでにAIが作ったゲームはあるけれど、今あるゲームにまだ追いついているとは思えない。人間が面白いと思うゲームは人間にしか作れないと思っています。
部長そうだね。僕らは「誰が作ったゲームなのか?」「誰が描いた漫画なのか?」というところにも興味をもっているよね。「この人が描いた漫画だから読みたい」とか、「この人が描いた絵だから感動する」とか。その人の個性に興味をもって、その人の頭の中で起きていることを知りたくて作品に触れたいと思うような気がする。
副部長AIが作ったものが、必ずしもスゴイとは限らないですね。
部長芸術的な分野こそ、人間にしかできない分野だと思います。なにしろAIには芸術的な失敗はできないからね(笑)。副部長は真面目にゲームを作っているよね。たまに思わぬ落とし穴につまずいて苦悩しているけれど、8月の完成をめざして頑張って!
副部長はい(笑)。みんなが色々なことをやっていて、自由な活動をしている「工学部」の取り組みを、受験生にぜひ見てほしいと思います。皆さんの入部を待っています!
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