東京大学、東京工業大学、一橋大学、北海道大学、東北大学、名古屋大学、大阪大学、九州大学をはじめとする国公立大学に2024年春、97名が現役合格。東北大学に合格した8名のうち1名は医学部医学科であり、国立大学では群馬大学医学部医学科にも1名が合格しています。一方、早慶やGMARCHの現役合格者数は678名です。高い進学実績を誇る大宮開成高等学校の進路指導部長・桜井宏樹先生(英語科)にお話を聞きました。
東京大学、東京工業大学、一橋大学、北海道大学、東北大学、名古屋大学、大阪大学、九州大学をはじめとする国公立大学に2024年春、97名が現役合格。東北大学に合格した8名のうち1名は医学部医学科であり、国立大学では群馬大学医学部医学科にも1名が合格しています。一方、早慶やGMARCHの現役合格者数は678名です。高い進学実績を誇る大宮開成高等学校の進路指導部長・桜井宏樹先生(英語科)にお話を聞きました。
「本校には、学習到達度に合わせて『特進選抜先進』『特進選抜Ⅰ類』『特進選抜Ⅱ類』の3コースが用意されています。この全てのコースで東大や京大などの旧帝大から、早慶、GMARCHなどへの現役合格をめざします。その結果、2024年も前年に続き、『特進選抜先進』であれば、90%以上の生徒がGMARCH以上の大学に現役で受かっています。3コースを合わせると約70%の生徒がGMARCH以上の大学に現役合格を果たしています。
2024年の大学入試を振り返ると、大きく目立った点は、特に旧帝大を第一志望にする生徒や、医学部医学科を狙う生徒が例年に比べて増えたことです。旧帝大には3コースからそれぞれ合格者が出ています。本校では多くの生徒が一般入試で受験していますが、共通テストの結果が合否の対象となる学力重視型の総合型選抜で旧帝大を受験して合格(北大3、東北大5、九州大1)する生徒もいます。医学部医学科に関しては、現役合格者数が10名と二桁になり、過去最高を達成しました」
同校では“授業至上主義”を掲げ、全教員が質の高い授業をめざしています。また、担任が進路指導部の教員に匹敵する知識と経験を活かし、一人ひとりをきめ細かに指導。授業に真剣に耳を傾け、教員を信頼してついていけば、最難関大学に現役合格できるという揺るぎない自信を生徒に与えているのです。高まる進学実績はその成果と言えます。
「本校が特に力を入れているのが、早期から学習意欲を高めることです。そのために高1段階で東京大学を訪問する『大学見学会』を行い、日本の最上位大学の規模と設備を体感させます。ガイドを務めるのは本校から東大に進学した卒業生です。卒業生の案内により、研究室や総合研究博物館などを巡ります。また、どのような志を抱いて東大をめざしたかなど卒業生の講演を聴いたり、質問をしたりします」
このようにモチベーションを高めるとともに、教員の力だけに頼るのではなく、自分の力で高い目標を達成しようとする強い意志を生徒たちの心の中に醸成していきます。こうした意志に応えるのが、同校独自の万全なサポート体制です。3コースともに放課後には希望者に向けた補習授業が、夏休みや春休みなどの長期休暇中には講習を用意しています。
「さらに『東京大学プロジェクト』も成果を上げています。本校ではここ2~3年で東大をめざす生徒が増えています。そこで2022年、東大志望の生徒に向けて、同プロジェクトを立ち上げました。自分には到底無理だという思い込みを取り除き、チームで壁を乗り越えることが狙いです。
2024年で『東京大学プロジェクト』は3年目を迎え、その一期生が高3生になりました。メンバーの意欲も成績も向上しています。2024年の東大現役合格者は1名でしたが、来春にはそれよりも多くの生徒が東大の門をくぐれるのではないかと期待しています」
同プロジェクトは東大をめざす生徒が入試の情報を交換したり、夢を語り合ったりするなど交流を図りながら、切磋琢磨できるコミュニティとしても機能しているそうです。
一方、医学部医学科を志望する生徒に向けては、まず進路指導部による医学部受験指導と『医学部希望者に向けた基礎教養講座』のタイアップにより、手厚いサポートを行っています。『医学部希望者に向けた基礎教養講座』は、興味のある講座を選んで受講できる『愛知和ラーニング』というプログラムのなかで開講されています」
この基礎教養講座では、これまで生徒を医学部に合格させてきた経験豊富な教員が小論文指導や面接指導を徹底。また、医療現場の見学を企画したり、医師になった卒業生との交流会を開いたりしているそうです。
「生徒には『最上位の大学に合格してみせる』という目標を『合格できたらいいな』という願望に格下げしてはいけない』と伝えています。大学受験を通して、諦めたり、妥協したりしないこと、高い目標に向かって地道に努力を積み上げていくことの大切さを知ってほしいからです。
また、高3生には『受験は団体戦である』と伝えています。本校の良さは、生徒同士の仲が良く、勉強を教え合う校風があることです。そこで、各教科の教員も授業のなかで話し合いの時間や教え合う時間を多く設けるように心がけています。その結果、生徒が答えを導き出すために協力し合う過程で、知識が定着していく流れが生まれています。また、高3の1月から2月にかけて授業はありませんが、生徒たちは登校して自習室などで勉強しています。大学受験の追い込みになる辛い時期に生徒を一人にさせず、友達と励まし合いながら、一緒に合格を勝ち取ってもらうためです」
こうした姿勢は同校の校訓である『愛知和』の『知』はもちろん、『愛』や『和』にも通じます。『愛』は、自分とともに他者も幸福にする思考・行動を大切にする「利他の精神」を、『和』は「他者と共存・協働できる人間性を養う」を表しているからです。
「また、自分と同じ難関大学をめざす生徒が真剣に勉強している姿を見て触発され、『自分も負けていられない』と気持ちを奮い立たせることができます」
そう語る桜井先生が進路指導の上で心に深く刻んでいる言葉があります。それは「自ら学び続ける力」を意味する「Learnability(ラーナビリティ)」です。
「第一志望の大学に合格する目標を達成するために、今の自分に何が足りないのかを自発的に分析しながら計画を立てて学んでいく力を、受験勉強や本校が力を注いでいる探究学習を通じて身につけてほしいと思っています。諦めない気持ちに合わせて、このような“学び続ける力”をこれからさらに鍛え上げていけば、大学進学後も実社会に出ても、自ら道を切り開いていくことができるはずです」
大学名 | 人数 | |
---|---|---|
国公立大学 | 東京大学 | 1 |
一橋大学 | 2 | |
東京工業大学 | 2 | |
北海道大学 | 7 | |
東北大学 (うち医学部医学科1名) |
8 | |
名古屋大学 | 2 | |
大阪大学 | 1 | |
九州大学 | 2 | |
筑波大学 | 5 | |
東京医科歯科大学 | 3 | |
埼玉大学 | 17 | |
群馬大学(医学部医学科) | 1 |
大学名 | 人数 | |
---|---|---|
私立大学(早慶上理) | 早稲田大学 | 67 |
慶應義塾大学 | 27 | |
上智大学 | 31 | |
東京理科大学 | 64 |
大学名 | 人数 | |
---|---|---|
私立大学(GMARCH) | 学習院大学 | 44 |
明治大学 | 85 | |
青山学院大学 | 52 | |
立教大学 | 97 | |
中央大学 | 74 | |
法政大学 | 137 |
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