1965年、茨城県かすみがうら市出身。茨城県立竹園高等学校から日本大学理工学部数学科に進学。卒業後、数学教員として日本大学豊山女子高等学校・中学校に着任。その後、男子校である日本大学豊山高等学校・中学校で教え、再び日本大学豊山女子高等学校・中学校の教壇に立つ。同校の教頭を経て、2024年春に新校長に就任。現在「校長通信」と題し、同校の公式Facebookや公式Instagramで在校生や卒業生、受験生に向けてさまざまな情報を発信している。
1965年、茨城県かすみがうら市出身。茨城県立竹園高等学校から日本大学理工学部数学科に進学。卒業後、数学教員として日本大学豊山女子高等学校・中学校に着任。その後、男子校である日本大学豊山高等学校・中学校で教え、再び日本大学豊山女子高等学校・中学校の教壇に立つ。同校の教頭を経て、2024年春に新校長に就任。現在「校長通信」と題し、同校の公式Facebookや公式Instagramで在校生や卒業生、受験生に向けてさまざまな情報を発信している。
私が教員をめざしたきっかけは、中1の時に担任をしてくださった恩師との出会いにあります。その先生は生徒一人ひとりの気持ちに寄り添ってくださり、生徒とともに歩むことを大切にされていました。その先生のおかげで、クラスの雰囲気はとても良く、クラスメートとの絆を強めることができたのです。「将来、先生のような教員になりたい」と決めた私は、先生が教えている数学を真剣に勉強しました。今でも先生とお付き合いをさせていただいています。
こうして私は数学の教員になるために、日本大学理工学部数学科に進学しました。友人には教員志望の者が多く、励まし合いながら教員採用試験の勉強をしたことが心に強く残っています。大学を卒業すると、私は本校に着任しました。新人の頃から私は恩師のように生徒の声に耳を傾け、“本音で向き合う”ことをめざしてきました。校長となって教壇に立つ機会がなくなった今も、その姿勢を大事にしています。
現在、本校がめざす教育を『アントレプレナーシップ』の一言で表しています。“起業家精神”を意味する言葉で、ここから『0to1』というキャッチコピーも考えました。「何もない0から1を生み出すこと」を意味します。予測不能な社会で、特に女性は男性と比べると人生の大きな選択をする場面が多いと思います。その時に自分の意志で豊かな人生の選択ができる力を身につけてほしい」という願いが『アントレプレナーシップ』や『0to1』という言葉に込められています。
こうした力をつけ、世界に貢献できるよう『教科学習』と『探究学習』を両輪とした教育を実践しつつ、一人ひとりの進路を実現させることに注力しています。なかでも私は『探究学習』をこれまで以上に深め、生徒が失敗を恐れずにチャレンジできる環境を整えていこうと考えています。
本校では高1から進路希望によって3コースを用意しています。まず、国公立大学や難関私立大学、難関学部をめざす『A特進クラス』があります。共通テストに必要な幅広い知識を習得するクラスで、慶應義塾大学や上智大学、ICU、立命館大学、GMARCHといった大学に生徒を送り出しています。
もうひとつが、日本大学への進学を中心に考えた『N進学クラス』です。このクラスから生徒の約96%が日本大学をはじめとする4年制大学や、薬学部のある6年制大学に進学しています。
そして三つめが、課題解決力を伸ばして理数分野のスペシャリストを育成する『理数Sクラス』です。ここから明治大学農学部や星薬科大学、東京薬科大学、東京歯科大学、日本歯科大学などの医療系大学や医療系学部に進学しています。
生徒が取り組む『探究学習』の内容は、コースによって異なります。『N進学』では選択制で探究を行います。「日本大学の学部や企業との連携によるゼミでの探究」「本校の教員によるゼミでの探究学」「ゼミに所属せずに個人やグループで研究を進めていく探究」です。
個人やグループでの探究学習でも、専門家からアドバイスやサポートを受けられるように“プロフェッショナル登録制度”を設けました。私がコーディネーターとなり、企業の方に協力を仰ぎ、気軽に登録していただけるように人脈を広げています。
『理数S』では、少人数のグループを結成して、物理、化学、生物、数学から1分野を選んで研究テーマを決めます。そして3年間をかけて専門家のアドバイスを受けながら研究を進め、日本語と英語で論文を執筆し、卒業時に完成させます。
『探究活動』において教員が重視しているのは“レールを敷かないこと”です。お膳立てされたレールに生徒が乗ってしまうと、その予想の範囲内に留まってしまうと思うのです。そこで『N進学』の探究学習では、教員の想像をはるかに超えた成果が出せるように、生徒が自主的に活動できる『探究プラットフォーム』を作っています。大学の先生方や企業の方々にも、あえて「なるべく手を貸さないでください」とお願いしています。
このように、本校を生徒が果敢にチャレンジできる学校にし、一人ひとりが自分の意志で数多くの選択肢がもてる力を、私たち教員とともに歩みながら身につけてほしいと思います。
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