今年の春、東京外国語大学国際日本学部に現役合格を果たしたNさん。『特進コース』の『特進選抜クラス』で学び、競技かるた部の部長も務めて文武両道に励みました。Nさんには中学時代から志した明確な目標があり、東京外国語大学が不動の第一志望だったと話します。Nさんにその目標や、共栄学園高等学校での思い出などを聞きました。
今年の春、東京外国語大学国際日本学部に現役合格を果たしたNさん。『特進コース』の『特進選抜クラス』で学び、競技かるた部の部長も務めて文武両道に励みました。Nさんには中学時代から志した明確な目標があり、東京外国語大学が不動の第一志望だったと話します。Nさんにその目標や、共栄学園高等学校での思い出などを聞きました。
私の母には留学経験がありますし、英語に関わる仕事に就いている親戚も数多くいます。そんな環境で育った私は、中3の時に学校で大学調べをしていて、東京外大に新しい学部ができることを知りました。それが国際日本学部だったのです。
この学部では、日本という国を多角的な視点から捉え直して学びます。そして、日本の政治や文化を学ぶとともに、海外で日本語を教える知識を身につけることもできます。日本の文学や和食が大好きな私は、この学部に強い関心を抱きました。
その後、あるYouTubeの動画を見ていて、海外から家族で日本に移住した子どもたちに無料で日本語を教えているNPO団体があることを知りました。また、その一家の子どもたちは日本語が苦手なため、当初は学校の授業についていけず、つらい経験をしていたのです。私はその子たちが日本語を学ぶことで笑顔になっていく過程を見て感動しました。
「大好きな日本の魅力を世界に向けて広げていきたい」「海外の子どもたちに日本語を教えたい」。私はそう思うようになり、東京外国語大学を第一志望に決めました。
私が中3の冬にコロナ禍が始まり、高校に入ると感染防止の観点から宿泊行事が中止になりました。共栄学園には希望者を対象にしたカナダ語学研修があるのですが、残念なことに参加できなくなってしまいました。
そこで私は高1の時、「AFS Global You Adventurer」という中高生に向けたオンラインプログラムに約1カ月間参加しました。これはオンラインを介して世界中の人たちと英語を使って交流するプログラムで、留学を支援するAFSという団体が主催しています。ここの職員である叔母から勧められて参加しました。
国境を越えたコミュニケーションを通して私が改めて気づいたのは、お互いの文化を尊重することの大切さです。その素晴らしさを十二分に実感することができました。そして、東京外大の国際日本学部で学ぶという私の目標が、さらに揺るぎないものになったのです。
そんな私の勉強面を、共栄学園の多くの先生方が支えてくださいました。特に英語の先生は心から尊敬できる方で、私が英文法の理解を深めたいとお願いしたところ、何日もかけて基礎から懇切丁寧に教えてくださいました。そのおかげもあって高2の時点で準1級を取得できました。
なかでも先生から手厚くご指導いただいたのが、東京外大の二次試験対策です。国際日本学部の二次試験には、英語の思考力を問う出題があります。先生は12月から試験日の2月末まで、マンツーマンでその対策をしてくださったのです。私だけでなく、先生も過去問を解き、毎日のようにその解答を見せ合って、2人でディスカッションを繰り返しました。
先生のご指導によって著しく伸びたのが読解力です。英語だけでなく国語の読解力も伸びていきました。
担任の先生には、常に励ましの言葉をいただきました。共通テストで私は、英語のリスニング問題の点数が思ったより取れていませんでした。心が折れそうになっていた私に先生は、「外大に行くと決めたのだから、絶対に諦めないで!」と声をかけてくださったのです。背中を押された私は、勇気をもって二次試験に臨むことができました。
共栄学園の良さは、このように先生方と生徒の距離が近く、一人ひとりに寄り添ってくださるところにあります。どの先生方にも授業でわからなかった箇所を気軽に質問できました。そのため、私はわからない部分を正直に「わかりません。教えてください」と口に出せるようになりました。ちょっとしたことですが、これは大きな成長だと感じています。
先生方だけでなく、友達にも恵まれました。高2からは勉強のよきライバルができて、夏休みには2人で刺激し合いながら、学校に来て勉強していました。その友達も私と同じように将来の目標があり、ある国立大学をめざしていたのです。そして彼女も私と同じく第一志望の大学に合格できました。
クラスメートと励まし合いながら、大学合格という目標に向けて心をひとつにできたこともいい思い出です。受験直前までクラスは和気あいあいとした雰囲気に包まれていて、私は学校に行ってみんなの顔を見ることが楽しみでした。
部活動からも多くのことを学んでいます。部長として気づかされたのは、伝え方の大切さです。競技かるたではチームプレーが要求されます。チームの結束を強める話し合いのなかで、どうすればお互いの意見を気持ちよく受け止めることができるかを、配慮できるようになりました。
私は今、大学で教員免許の取得をめざすとともに、サークル活動にも力を入れています。入っているのは手話サークルと「TUFS Japaneque(ジャパニーク)」というサークルです。手話はコミュニケーションの幅がさらに広がると思って始めてみました。国際手話もできるようになりたいと考えています。「TUFS Japaneque」は、日本の魅力をInstagramにアップし、海外に向けて発信する学生団体です。メンバーたちは、日本の食べ物や花火、浴衣のたたみ方、建物などをアップしています。
在学中に英語圏の国に留学をすることも目標です。こうした経験とともに、共栄学園で学んだことも糧にして、将来は日本で日本語教師の職に就きたいと思っています。
これまで同校では難関大学への現役合格をめざす『特進』と、幅広い進路選択に対応する『進学』の2コースが用意されていました。2024年からは時代のニーズに合わせて同校のコースが一新されます。入試広報部長の増村薫先生にお話を聞きました。
「まず『特進コース』を『探究特進コース』に、『進学コース』を『探究進学コース』に変更します。そのうえで新たに最難関の国公立大学や私立大学をめざす『未来探究コース』、理系進学に特化した『理数創造コース』、語学に特化した『国際共生コース』を設けます。2コース制から5コース制に変わるわけです。
これからの社会では、自ら課題を見つけ、その問題を主体的に解決する探究活動の経験が求められます。そのため新しいコース制では、6時限目から部活動が始まるまでの時間を、各コースの特性を活かした探究活動に充てていきます。この探究活動のためにさまざまな講座やゼミを設けます。希望者は3年間をかけて1つの探究活動に取り組むことができるのです。
また本校では、一般選抜以外に、学校推薦型選抜や総合型選抜で難関大学をめざす生徒も増えています。新コース制の導入は、こうした多様な入試スタイルに対応するためでもあります」
例えば、旧帝国大学の法学部に一般選抜で受験したいという生徒には『未来探究コース』で学ぶことが理想的と言えます。数学オリンピックなどのコンテストに参加し、その実績を総合型選抜でアピールして難関私立大学の理系に進みたいと考える生徒には『理数創造コース』がおすすめになります。
「新しいコース制の導入によって、生徒の知的好奇心をこれまで以上に満たせる教育環境にしていきたいと考えています。これからの共栄学園にぜひ期待していただければと思います」
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