江戸川女子高等学校には、英語の4技能を磨きながら異文化理解を深める『英語科』が設置されています。40年近い歴史を有し、グローバル社会に貢献できる女性を輩出してきたコースです。この『英語科』が2024年度からリニューアルされ、最先端の国際教育が実践されようとしています。新しい『英語科』の取り組みについて、国際コース英語科主任の熊川美帆子先生、同コース英語科担当の大穂佑紀子先生と髙橋まり子先生に聞きました。
江戸川女子高等学校には、英語の4技能を磨きながら異文化理解を深める『英語科』が設置されています。40年近い歴史を有し、グローバル社会に貢献できる女性を輩出してきたコースです。この『英語科』が2024年度からリニューアルされ、最先端の国際教育が実践されようとしています。新しい『英語科』の取り組みについて、国際コース英語科主任の熊川美帆子先生、同コース英語科担当の大穂佑紀子先生と髙橋まり子先生に聞きました。
「併設の江戸川女子中学校には2021年度に新設された『国際コース』があります。ネイティブ教員による少人数制の英語授業や、音楽や美術の授業を英語で教えるイマージョン教育を特色とするコースです。同コースの1期生にあたる一貫生が2024年度に4年生(高1)となり、高校に進学してきます。これを機に、今の社会にふさわしいプログラムを取り入れた教育を実践したいと考え、『英語科』をリニューアルすることになりました。
新しい『英語科』の大きな特色は2つあります。1つは『Global Studies』という授業を、高1から高3まで週に2時間用意していることです。本物の英語力を養うには、英語の4技能を鍛えるだけでなく、さまざまな知識や教養を身につけることが必要になります。例えば、海外の方たちと貧困問題についてディスカッションをする際に、英語がいくら話せても、貧困問題に関する知識がなければコミュニケーションは成立しません。
そこで『Global Studies』では、海外でビジネスをされている方に英語でインタビューをしたり、ボランティア活動をされているNPOの方からお話を聞いたりして、豊かな知識と経験に基づいた真の英語力を培っていきます。どちらもタブレット端末を用いてオンライン上で行います。
もう1つの特色は『U.S.デュアルディプロマプログラム』の導入です。これは、本校に通いながら、アメリカの高校卒業資格も同時に取得できるオンラインプログラムです。こちらは希望者を対象としています。」(熊川先生)
これは自宅で週6時間程度のオンライン授業を受け、一定の成績を収めれば全米大学ランキングトップ5%の19大学への推薦制度が認められ、試験なしで入学できる制度です。今年度から同校は、このプログラムの加盟校になりました。
「今年6月に説明会を開いたところ、多くの生徒・保護者が参加しているのを見て驚きました。本校ではこれまで国内の大学に進学してから留学する生徒は多かったのですが、海外大学に高校卒業後すぐに留学する生徒は年に2~3人程度だったからです。」(熊川先生)
また『英語科』には、ネイティブ教員による『Communicative Skills』という授業があります。この授業の中で、生徒はIELTSで高スコアを獲得するための学習に取り組み、年に1度この試験を受けているそうです。IELTSは英語圏の大学に留学するための英語力を測定する国際的な検定試験のひとつです。
これまで『英語科』は、東京外国語大学や早慶上智、MARCHといった難関大学の文系学部に約6割の生徒を送り出してきました。『U.S.デュアルディプロマプログラム』によって得たアメリカの高校卒業資格や、『Global Studies』で行われる探究活動の成果を最大限に活かし、総合型選抜によって国内の難関大学に進学する生徒も今後は増えていくでしょう。
主に『国際コース』で音楽のイマージョン教育に携わってきた大穂先生は次のように話します。
「グローバル社会の現在は、多くの人たちと価値観を英語で共有する時代になっています。『国際コース』の中学生たちは英語を通じて合唱や合奏という音楽活動のなかで気持ちを伝えたり、自分を表現する感動を、クラスメートと分かち合っています。
来年、ブラッシュアップされた『英語科』に入学してくる皆さんには、このように英語で発信したり、英語を使って目標を達成したりする喜びを実感してほしいと思っています。英語をツールとして活用し、海外の人と絆を結ぶ大切さをこれまで以上に伝えていきたいと思っています。」
髙橋先生は同校『英語科』の卒業生。熊川先生の教え子です。現在、『国際コース』の2年生(中2)の担任を務めています。
「私は高校時代、高度な専門知識をもった先生方から、英語は国際人と生きていくための手段であり、英語の学びとともに教養や人間力が大切であることを教えられてきました。私はこの学校の『英語科』で質の高い教育を受けることができ、本当に良かったと思っています。
新しい『英語科』には、帰国生だけでなく、海外にルーツをもつ生徒も入学してくるでしょう。お互いの文化や価値観、宗教を認め合いながら、切磋琢磨してグローバル感覚を磨いてほしいと思っています。また、『英語科』では2週間や4週間の海外語学研修、10週間のターム留学、1年間の留学を用意しています。研修先や留学先は、イギリスやニュージーランド、オーストラリアです。こうしたプログラムにぜひ参加して、海外の空気や文化を肌で感じてほしいですね。ホームステイ先の生活から学べることも数多くあります。」
最後に、新しい『英語科』が求める生徒像を先生方に伺いました。
「冒頭で申し上げたように、知識と経験に裏付けされて、初めて本物の英語力と呼べるものになります。ですから私は生徒たちに『学校生活の中でムダなものは何もありません』と繰り返し伝えています。そこで、『英語科』に入学してくる生徒たちには積極性を求めたいと思っています。教員からの『こんな行事があるよ』『こんなプログラムがあるよ』といった情報に喜んで参加して、そこで得た経験を糧に大きく成長できる人に本校で学んでほしいですね。」(熊川先生)
「本校と新しい『英語科』に興味をもっている人であればどなたでも大歓迎です。本校は教員も生徒から学びながら、ともに成長していきます。楽しい授業も行事もたくさん用意しています。ありのままの姿でぜひ本校に飛び込んでください。」(大穂先生)
「入学した段階でほかの生徒より多少英語力が足りていなくても、教員が一丸となって高いレベルまで引き上げます。ですから、安心してご入学ください。求めるものは積極性です。常にアンテナを張り巡らせ、社会の動きに目を留めながら、さまざまなことにチャレンジできる人になってほしいと思います。」(髙橋先生)
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