オーストラリア東部にある街、ブリスベンで過ごす10週間の『オーストラリア語学研修』(1・2年生の希望者を対象とした約3カ月間のターム留学)は、グローバル社会で活躍する人材となるための国際理解教育プログラムの一つです。同研修の魅力と、実際に研修した生徒さんの感想をご紹介します。
オーストラリア東部にある街、ブリスベンで過ごす10週間の『オーストラリア語学研修』(1・2年生の希望者を対象とした約3カ月間のターム留学)は、グローバル社会で活躍する人材となるための国際理解教育プログラムの一つです。同研修の魅力と、実際に研修した生徒さんの感想をご紹介します。
「すでに15年の歴史がある本校の『オーストラリア語学研修』は、私たち教員が実際に現地の学校や町の環境を下見し、これなら安心して生徒たちの語学力を伸ばすことができると確信して導入したものです。単に旅行会社に任せた型どおりの研修ではなく、企画の主体者としての豊南高校のこだわりが凝縮されています」
そう語るのは、オーストラリア語学研修の中心者でもあるK先生です。
「研修期間は約3カ月間で、滞在地はオーストラリアで第3の都市と言われているブリスベン(クイーンズランド州)です。現地校は、ヒルズ・インターナショナル・カレッジ(HIC)といい、グローバルに活躍できる人材育成を目的に設立されました。2020年からのコロナ禍により活動自体が止まっていた期間もありましたが、通常期には世界20数カ国から学生たちが集まる国際学校として再稼働しています」
オーストラリア語学研修のプログラムは、大きく分けると、HICでの授業と、ホームステイ先のホストファミリーとの交流で構成されています。
「HICの授業は全て英語で、4技能(聞く・話す・読む・書く)にフォーカスしたものです。さらに加えて、英語で学ぶ6科目が用意されています。「数学」「ヒューマニティーズ」「体育」「文学」「音楽」「IT」です。一方、ホームステイは“1人1家庭”が決まりで、ホストファミリーとの日常生活は24時間、オールイングリッシュ。今年度は30名が手を挙げてくれましたが、例年12名という定員がありますので、日頃の成績に加えて、本人の“やる気”“本気度”などを見極めながら選考しています」(K先生)
実際にオーストラリア語学研修に参加した2名の生徒にお話を伺いました。
「もともと英語を話すことが好きで、高校生のうちにぜひ一度、留学を体験してみたいと思っていました。コロナ禍が落ち着きをみせた高2の秋、オーストラリア語学研修が再開すると先生方から伺い、“やっときた!”と思って迷わず手を挙げました」
満面の笑みでそう話すのは、高2の時に研修に参加したSさん(高3)です。Sさんには小1から中3までの9年間、英会話スクールに通った経験があります。
「HICで学ぶ科目は、とても興味深く自分の力になるものばかりでした。『ヒューマニティーズ』では、英語で論文を執筆する際に求められる、プライマリーソースとセカンダリーソースの違いについて学びました。『IT』の授業では、国際的に求められるEメールのルールについて学び、特にリテラシーの問題について非常に感銘を受けました。なかでも強く印象に残っているのは『文学』です。テストは、授業で習った神話をベースにストーリーを創作するという高度なものでしたが、私は普段から小説を書くこともあるので、単なる英作文でないところがとても楽しかったです」
学生時代に留学経験のある両親に勧められ、高1の時にオーストラリア語学研修に参加したのがHさん(高2)です。中学時代に通っていた学習塾が主催する英会話教室に通っていた経験があります。
「『体育』では、現地校の生徒たちと一緒にサッカーもしました。サッカーを通して相手との“距離の近い会話”とでもいうのでしょうか、日本の授業で習うような文法どおりの英会話でなく、とっさの時の日常会話など、気軽なコミュニケーションづくりに役立つ英語が習得できました。『数学』の授業では、自分たちで計算問題を作って、それが問題として成り立っているかどうかというテストもやりました。英語のYouTubeを観ながら楽器と触れ合う『音楽』の時間も楽しかったです。英語は実践で使ってこそ身につくことを改めて実感することができました」
二人にとって初めてのホームステイでしたが、留学生の受け入れに理解のあるホストファミリーによって、それぞれが思い出に残る貴重な異文化コミュニケーションを楽しんだようです。
「ホストファミリーに留学生を受け入れる理由を伺うと、海外の文化について積極的に知りたいからと言われました。なるほどと思いました。その一言で、緊張感が一瞬にしてなくなりました。ステイ先の同世代の娘さんも、現地の学校で日本語を学んでいるそうで、『これって日本では何て言うの?』とよく聞かれました。
私からホストファミリーに日本の文化や日本語を教える機会もありました。私は今回の語学研修に際して、“話す”ことを積極的に学びたかったのですが、ホストファミリーに発音を修正してもらう機会も多々あり、とても有意義な日々になりました。大学生になったらもう一度、お世話になった方たちに会いに行きたいです」(Sさん)
「最初にお世話になったホストファミリーが急遽、都合により最終日までの受け入れができなくなり、途中から別のお宅でのホームステイとなったのですが、結果的に非常に貴重な体験となりました。最初にお世話になったファミリーには、自分が発熱した際に手厚く面倒をみていただけましたし、2軒目のお宅は留学生を初めて受け入れたとのことでしたが、アウトドアがとても好きなご一家で、週末になるとオーストラリアの大自然が堪能できる特別なスポットに連れていっていただきました。ホストファミリーからは、帰国した今でも週末になるとテレビ電話がかかってきます。『最近どう?』とか『今週は何をしたの?』とか、留学がまだ続いているような感覚でうれしいです」(Hさん)
約3カ月間に及ぶオーストラリア語学研修を終えると、参加した生徒たちはどのように成長するのでしょうか。その様子についてK先生に伺いました。
「研修を契機に、英語に対する興味を深める生徒が非常に多いです。また、ホームステイの経験から、積極的に動くようになる生徒もいます。卒業生のなかには『語学研修の経験を活かして日本の生徒と外国をつなげる仕事がしたい』と、国際系の学部に進学した人もいます。思考が柔軟な高校生の時期に、言葉も文化も異なる国に行き、悔しい想いも含めて、たくさん経験してほしいと思っています。
初めての海外での語学研修で、しかも初めてのホームステイということで、『参加したいけど大丈夫だろうか?』などと不安に思う高校受験生もきっといるでしょう。また、子どもを送り出すご家庭の心配もあるかもしれません。でも大丈夫。豊南高校のオーストラリア語学研修は、学校と現地スタッフ間の連携を密にとりながら推進しています。
高校生になったら海外に出てみたいと考えている方は、ぜひ本校のオーストラリア語学研修に参加してみてください。英語の4技能強化はもちろんのこと、大学進学からその先につながる、グローバルマインドの養成にも一役買っています」
この学校の掲載記事をピックアップしました。