「日体大荏原」と聞くと、運動部に注目が集まりがちですが、日々精力的に活動に励んでいる注目の文化部もあります。今回はそんな日体大荏原の文化部の中から、創部3年目を迎えた『マルチメディアサークル』と、半世紀以上の伝統を誇る『美術部』にフィーチャーしました。
「日体大荏原」と聞くと、運動部に注目が集まりがちですが、日々精力的に活動に励んでいる注目の文化部もあります。今回はそんな日体大荏原の文化部の中から、創部3年目を迎えた『マルチメディアサークル』と、半世紀以上の伝統を誇る『美術部』にフィーチャーしました。
2021年4月、コロナ禍の中で立ち上がったのが、超フレッシュなマルチメディアサークルで、部員数は現在7名です。
「活動内容は大きく2つの柱に分けることができます。1つは、コンピュータゲーム&ビデオゲームを使った対戦を、スポーツ競技として楽しむ『eスポーツ』です。もう1つは、日体大荏原のさまざまな部活動の写真撮影や動画の撮影・編集です。今はまだ部員数が少ないこともあり、全員で両方を掛け持ちして取り組んでいます」
そう語るのは、部長の澤田さん(高3)です。澤田さんは部の設立後、まっさきに入部した部員第一号でもありました。
「もともと“カメラいじり”が好きで、動画編集にも興味があったので迷わず入部しました。生徒会で総務をやっていることもあり、生徒会が主催する学校行事と連動させたメディア制作にも力を入れています」
運動部の活動を記録する“仕事”は年間を通してあり、勉強との両立で多忙な日々を送っている澤田さん。それでも撮影したデータが学校案内に使われたり、学校HPで記事と連動させて紹介されたりと、学校の紹介をも担うやりがいの大きさに満足そうな様子です。
「部活動の動画をYouTubeにアップしたり、写真は随時Instagramに更新したりと、やろうと思えばいくらでも“仕事”はあります。一方、昨年の『荏原祭』では、体育館の大型スクリーンをフル活用して、全校挙げて『マリオカート』で楽しみました。仕事と趣味なので、楽しくて仕方ありません(笑)」
入学式や卒業式に関連したイベントでは、澤田さんたちが編集した動画が流され、出席者が感動で涙したこともあったそうです。彩のある充実の3年間が日体大荏原にあるのも、「マルチメディアサークルの活躍があってこそ」といっても過言ではないようです。
「部のモットーは『楽しく、むりのない範囲で頑張ろう!』です。活動日は特に定めていませんが、『今日の放課後、編集やらない?』『集まれる人いる?』などと、iPadにインストールされているSlack(ビジネスチャットツール)で連絡を取り合いながら、部員同士のコミュニケーションづくりにも努めています」
「スポーツだけではない日体大荏原の魅力を、マルチメディアサークルの活動を通して発信していくことを目標に、2021年4月に創部した新しい文化部です。澤田さんのように生徒会と掛け持ちでやっている生徒もいれば、校内塾『ESC』(荏原スタディセンター)の合間にやってくる生徒もいます。大事なことは、“楽しいことをやろう!”“やりたいことをやろう!”ということで、誰でも主体的に楽しむことのできるのが、マルチメディアサークルの一番の魅力です」(マルチメディアサークル顧問・板垣和希先生)
日体大荏原の魅力を発信する動画の撮影・編集にも携わっている澤田さん。「時々、HPでも閲覧できることもあるので、ぜひチェックしてみてください」とアピール。
eスポーツに興じる部員たちの姿も。勉強とのバランスをよく考えたうえで、貴重な放課後の時間を自主管理しながら、「好きなこと」を全力で楽しんでいました。
男子だけでなく、この日はどうしても都合がつかなかった女子部員も入れて総勢5名で活動中。文字どおりマルチメディアを使いこなす仲間たちが勢ぞろい!
顧問を務める板垣和希先生。「先日行われた『3年生を送る会』でも、部員たちが制作した動画が全校中に披露され、感動を呼びました」と実績の一部を語ってくれました。
歴史の長い美術部ですが、実は部員が集まらずに廃部になったこともありました。数年前、「もう一度、アートな世界を校内に」とリスタートしたのが現在の美術部です。
「部員数は5名(男子2名/女子3名)です。モットーは、日々の活動で培ってきた技術を、“ここぞ”という場面で発揮することです」
そう話すのは、部長になったばかりの杉村さん(高2)です。杉村さんにとっての“ここぞ”の場面は、昨年の『荏原祭』(文化祭)にありました。
「グラウンドの特設ステージの背景を飾る、巨大なバックパネルを制作しました。『荏原祭』は9月なので、準備は夏休み前から始め、制作期間はトータルで1カ月に及びました。もともと絵を描くことは好きでしたが、入学式後の体験入部に参加したことが、入部のきっかけです。思い出に残る大作を高1で手掛けたことが、今のモチベーションにつながっています」
杉村さんと一緒にバックパネル制作に携わったのが、同じく副部長になったばかりの鈴木さん(高2)です。鈴木さんは仲の良い杉村さんに誘われて入部しました。ちなみに、バックパネルのタイトルは、『荏原祭』のテーマでもあった『渦』でした。
「バックパネルを仕上げた後の達成感は、ものすごく大きなものでした。渦の中で日体大荏原のマスコットである『エバライオン』が、お茶目にサーフィンしているところがポイントです」
杉村さんと鈴木さんに今後の活動を聞くと、それぞれに初挑戦となる課題がありました。
「顧問の田中先生と一緒に、油絵に挑戦します。それともう一つ、新1年生に“かっこいい”と思ってもらえるような先輩になることです(笑)」(杉村さん)
「前回うまくいかなかった陶芸にリベンジしたいですね。個人的に“これだ”と納得できる作品作づくりができるよう勉強していきます」(鈴木さん)
「部の雰囲気を一言でいうと、自由。初心者大歓迎の美術部です。実は私も美術は初心者なのですが、スポーツと違って勝ち・負けの世界ではなく、正解がないところに美術の面白さがあると思っています。実際に生徒たちから学ぶことも多く、“すごいな”と、感心することがよくあります。生徒と一緒に陶芸をしたり、石膏デッサンに挑戦したりの日々が楽しいです。次は生徒たちと一緒に油絵を制作します。果たしてその結果は……ですね(笑)。ですから、“指導する”だけではなくて、生徒と一緒に楽しんでいる顧問です」(美術部顧問・田中恭平先生)
「バックパネルには2年間、コロナ禍でため込んできたさまざまな思いを込めました」と話す杉村さん。
「夏休み期間中もほぼ毎日学校に来て、バックパネル制作に携わりました」と話す鈴木さん。
手がけたバックパネルの前で仲良くサーフィン。鈴木さんこだわりの『エバライオン』がどこにいるかわかりますか?
初心者だからこその謙虚な姿勢で、日々の課題と向き合っています。
それぞれが手掛けた作品を手に。「今度は新1年生も含めて、全学年で一つの作品づくりにも挑戦してみたいです」と話す杉村さん(写真左)。
顧問を務める田中恭平先生。「以前はハンドボール部の顧問でしたが、現在は部員たちと一緒に楽しく学び合っています」と笑顔で美術部の雰囲気を語ってくれました。
この学校の掲載記事をピックアップしました。