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好きなことを社会のために活かす
探究プログラム『キャリア・アンカー』

駒場学園高等学校

〒155-0032
東京都世田谷区代沢1-23-8

TEL:03-3413-5561

学校情報 学校HP

『自律学習の確立』を目標に掲げる駒場学園高等学校では、「知識」「思考」「探究」「体験」をキーワードに、一人ひとりのモチベーションを高める多彩なプログラムを用意しています。その一つが『放課後探究プログラム』です。希望者を対象に週1回、『起業LAB』『制服向上委員会』『ルールメイカーズ』『キャリア・アンカー』の4種のプログラムが用意されています。今回は『キャリア・アンカー』を取材。好きなこと、興味・関心のあることを自分の強みに変え、社会にどう活かせるのかを探究するプログラムで、2022年春からスタートしました。

「マイプロ」の書類選考にパス

インタビューにこたえている長田先生の写真です。 長田一郎先生(教育推進部長/国語科)

『キャリア・アンカー』は水曜日の放課後に行われています。『キャリア・アンカー』とは、MIT(マサチューセッツ工科大学)の組織心理学者であるエドガー・シャイン氏によって提唱された“価値観”を意味する言葉で、仕事や経歴を意味する「キャリア」と、船のいかりを意味する「アンカー」を組み合わせた造語です。

 この探究プログラムでファシリテーター(※1)として生徒をサポートするのは、慶應義塾大学政策・メディア研究科特任教授の横田浩一先生。横田先生は一般社団法人アンカー(以下、アンカー)の共同代表理事でもあります。

 さらに、アンカーの理事である慶應義塾大学総合政策学部の大学生と、津田塾大学総合政策学部の大学生2名が学生メンターとしてファシリテーターを務めています。なお、慶應義塾大学の学生メンターは駒場学園の卒業生です。『キャリア・アンカー』について、教育推進部長の長田一郎先生(国語科)にお話を伺いました。

「自分の興味・関心を将来の仕事へどのようにつなげていくのか。その道筋を考えながら、自分の目標を実現するための大学の学部・学科、企業などを見つけていくのが従来のキャリア教育だと思います。

 一方、この『キャリア・アンカー』は、まず自分の好きなこと、関心のあることをマイテーマにします。そして、もしそれを活かすことができる企業が見つからないなら自分で起業する方法を、また、それについて共感したり語り合ったりする仲間が周りにいないなら、それができるコミュニティーを自分でつくる方法を模索してアクションを起こしていきます。こうしたプロセスを通して生き方そのものにつなげていけるように、今から探究していくのです。

 大学生メンターの2名は、目を輝かせて生徒たちと楽しそうに会話をしながら好きなことを学ぶ喜びを伝え、生徒たちの長所や個性を上手に引き出してくれています。そして横田先生や大学生メンターのファシリテートのもと、アクションの一つとして生徒は、『全国高校生マイプロジェクトアワード』(以下、マイプロ)にエントリーしました」

「マイプロ」は、探究活動を実行した全国の高校生が一堂に会し、プレゼンテーションや参加者との対話を通して次の一歩を考える学びの祭典です。文部科学省が後援し、プレゼンテーションにおける優勝者には文部科学大臣賞が授与されます。

「マイプロ」に参加するには、マイテーマについて記したエントリーシートを提出し、書類選考に通過しなければなりません。通過すると地域サミットや全国サミットに参加する資格を得られます。この書類選考に5名の生徒がパスしたのです。

「本校でも初めての試みであり、5名もの生徒が通過するとは思ってもいませんでした。パスした生徒たちは大きな自信を得ています。この成功体験を糧にして、勉強や行事などにもこれまで以上にアクティブに取り組めるはずです」

障がいをもつ方が生活しやすい環境を

インタビューにこたえている大塚さんの写真です。 大塚瑠奈さん(高1)

 書類審査をパスし、全国サミットへの参加準備を進めている1年生の大塚瑠奈さんと福井礼良さんに話を聞いてみました。

 大塚さんは、茶道部と書道部に所属。好きな科目は英語と国語です。

「私は中学生の頃、コロナで休校中にYouTubeで聴覚障がいをもつ方が手話で語る映像を見て、自分が障がいをもつ方の役に立てないかと考えるようになりました。自分の興味・関心はここにあったのだと確信できたのは、『キャリア・アンカー』に参加したからです。そして障がいについての探究をマイテーマに決め、『NHKみんなの手話』を見たり手話のテキストを読んだりして、手話の勉強も始め、手話検定5級を取得しました。

 同時に『キャリア・アンカー』を通して多くの人の意見を聞くことで、自分の視野が大きく広がることに気づきました。そこでオンラインのセッションイベントにも参加したのです。その一つが、アンカーが主催する『大学生による中高生のためのSDGs/サスティナビリティアワード』でした。このイベントでは主にジェンダーの問題について参加者と語り合いました。

 また、1泊2日で同年代の高校生たちと貧困問題などの社会課題についてディスカッションをする『B-side WEEKEND』というイベントにも参加しました。ここでは私と同じように手話を勉強している高校生と知り合うことができました。

 今、私は聴覚障がいをもつ方々のためのエキマトペについて調べています。これは駅のアナウンスや電車の音を、『ガタンゴトン』といったオノマトペ(※2)などで視覚的に表現する装置で、上野駅のホームで実験的に使用されているのを実際に見に行ってみました。これなら聴覚障がいをもつ方も安心して駅や電車を利用できると思いました。

 私のこれからの目標は、こうしたサービスについて調べたり、障がいをもつ方にインタビューしたりしてドキュメンタリー映像を制作し、動画配信することです。テーマは『当事者から見た世界』。たとえば聴覚障がいをもつ方が暮らす毎日は音のない世界です。それがどんなに不便で不安なものか動画を見た人たちに自分ごととして捉えてもらうことでエキマトペのようなサービスが生まれ、障がいをもつ方々が生活しやすい環境づくりに貢献できたらと考えています」

植物が都会で健康に育つために

インタビューにこたえている福井さんの写真です。 福井礼良さん(高1)

 福井さんは、自然科学研究部に所属。好きな教科は理科と数学です。

「私は植物が好きで、家ではモッコウバラを育てています。そこで植物を題材にした探究に取り組みたいと考えて『キャリア・アンカー』に参加し、マイテーマに決めたのが『植物と都会』です。

 私が植物を好きになった理由は、家族が旅行好きで、幼い頃から山梨・長野・群馬の自然の美しさに触れて育ったからです。旅行していて気づいたことは、空気が澄んでいるからこそ植物が健康に育つということです。でも、都市では空気が汚れていることもあって植物が病気にかかってしまう傾向にあります。山梨・長野・群馬のような環境が都会で実現できれば、植物が健やかに育ち、人とも共生できると考えて探究することにしたのです。

 病気に感染している植物の状態を調べるうちに、植物の病気の種類の多さや複雑さを知り、植物病理学という分野に興味をもつようになりました。これは植物の病気について、その症状や原因を明らかにし、それを防ぐ原理や方法を研究する学問です。植物病理学を学んで、樹木や植物の診断・治療を行うのが樹木医や植物医師なんです。

 樹木医になるには樹木の保護や管理、診断、治療に関する業務経歴が7年以上も必要になることがわかりました。ハードルは高いのですが、この職業にも興味がわいています。また、空気についても調べ、植物と空気の関係性も少しずつわかってきました。

 私は高2の文理選択で理系に進み、生物を選択することにしました。生物の授業を通して、植物に関する知識をさらに身につけたいと考えています。『キャリア・アンカー』を通して学んだことは、自分の意見を伝えることの重要性です。

 これまで私は好きで取り組んでいることに関して、ほかの人たちがどう受け止めているのかを意識したことがありませんでした。現在、私の周りには植物の病気に興味をもつ人はいません。でも、私の植物に対する思いを上手に多くの人に伝え共感してもらえれば、多くの仲間を得られるはずです。その方法も横田先生や大学生の方々にアドバイスしていただいています。都市と植物が共存できる環境づくりに賛同してくれる人たちの輪を、これから広げていくことが目標です」

(※1)ファシリテーター:会議やプロジェクトなどの集団活動がスムーズに進み、目標が達成できるように支援する枠割をもつ人

(※2)オノマトペ:「きらきら」「ドキドキ」「ぱちぱち」など、さまざまな状態や動きなどを音で表現した言葉のこと

『キャリア・アンカー』の様子
2022年の活動を振り返りの様子を撮影した写真です。 この日は2022年の活動を振り返り、2023年の抱負を文章にしました。
生徒たちに寄り添う学生メンターを撮影した写真です。 一人ひとりの声に耳を傾け、生徒たちに寄り添う学生メンター

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