2019年にスタートした英理女子学院の『iグローバル部』。気になる“i”とは、高い教養・知性を表すintelligenceの「i」。ICT&理数リテラシーを表すict&steamの「i」。グローバルコミュニケーションを表すinternational communicationの「i」の集合体です。iグローバル部についてお話を伺ったのは、卒業生一人ひとりの成長ぶりに顔をほころばせ、さらなる飛躍への想いを語る入試広報部長の佐藤信先生です。
2019年にスタートした英理女子学院の『iグローバル部』。気になる“i”とは、高い教養・知性を表すintelligenceの「i」。ICT&理数リテラシーを表すict&steamの「i」。グローバルコミュニケーションを表すinternational communicationの「i」の集合体です。iグローバル部についてお話を伺ったのは、卒業生一人ひとりの成長ぶりに顔をほころばせ、さらなる飛躍への想いを語る入試広報部長の佐藤信先生です。
佐藤信先生(理科)佐藤先生『iグローバル部』というちょっと変わった名前ですが、グローバルという響きに興味をもって、“なんとなく英語が好きだから”“英語を使って何かやってみたい”といった興味・関心から、オープンスクールや学校説明会に来る受験生が多いですね。あとはもっと具体的に、“いろいろな学びができそうだから”という受験生もいます。いずれにしても、『iグローバル部』の一番の目的は、世界に出て活躍する女性を育てるというものです。英語の授業が少し多めに設定してあったり、ディスカッションする授業が多かったり……と、他校とは異なる学びの空間のなかから、一人ひとりの思い描く“世界”に向けて大きく羽ばたいてもらいたいと願っています。
佐藤先生イメージは図のようなものになります。現理事長・校長の髙木暁子の言葉を借りると、生徒一人ひとりの“自分らしさ”が花開く場所でもあります。主体的に学ぶことができるアクティブ・ラーニングをはじめ、グローバルプレゼンテーション講座やオンライン留学、さらにはデジタルアート講座やSTEAM講座など、他に類を見ない『iグローバル部』ならではの独自の学びが3年間に凝縮されています。
佐藤先生そうですね。たとえば在校生の活躍で言いますと、小学校で女子サッカーチームに入っていた高3のTさんは、スポーツジェンダーに関する啓発ポスターを作成し、試合会場に掲示する活動に取り組んでいます。大学でもスポーツジェンダー学について学んでいきたいそうです。また、女性の健康に関する探究活動を行っている高2のОさんは、SDGs探究の一環として、自分でHPを作り、子宮頸がんワクチンを広める活動を展開しています。
ほかにも、大手パンメーカーと連携して、校舎の屋上で小麦栽培に精を出している高1と高2のメンバーが複数います。彼女たちの手で栽培された小麦が、人気の食パンとなって市場に流通しているのです。彼女たちの活動はすべて、社会と学校がつながっているという点を高く評価しています。
佐藤先生世の中には、使い捨てのコンタクトレンズをそのまま下水に流してしまう人がいるようで、それがマイクロプラスチックの一因になり、海洋問題へと発展してしまうことを危惧した高2の生徒がいました。彼女の行動力には目を見張るものがあり、世界№2のコンタクトレンズメーカーに対して、『使い捨てコンタクトレンズの正しい捨て方』を取扱説明書に記載してほしいと提案したのです。その結果、なんとそのメーカーが彼女の要望を受け入れてくれることになったのです。実はこれもSDGs探究活動の一環で、彼女の実績をマスコミが大々的に紹介してくれたというわけです。
佐藤先生たとえば、生物の教師でもある私は、“参加したい!”と手を挙げてくれた生徒たちを引き連れて、日頃から交流のある麻布大学の研究室に出向き、『遺伝子組み換え講座』に参加させてもらっています。テーマは「遺伝子解析の基礎を知る」で、大腸菌に他の生物を遺伝子を導入し光る大腸菌を作ったりします。遺伝子研究に興味がある生徒にとっての、大学進学前のプレ研究という位置づけですね。このような産学連携の取り組みが授業以外にあるのも、『iグローバル部』の大きな特徴と言えるでしょう。
私たちは今、世界のさまざまな課題解決のために欠かせないICT&理数リテラシーにも力を注いでおり、理数系の基礎力をもったグローバル人材の育成にも努めているのです。
佐藤先生オープンスクールや学校説明会に来てくれた受験生に対して、私はいつも次のような質問をします。それはズバリ『将来何をしたいの?』です。そういう夢や希望をもっている生徒に来てほしいと思っているからです。とはいっても、まだ具体的な夢や希望が定まっていない受験生もいるでしょう。そういう人もぜひ『いろんなことにチャレンジしたい』と思ってきてくれるとうれしいです。英理女子学院では、とりわけ『iグローバル部』では、そんな一人ひとりを全力で応援していきたいと思っています。
高1と高2を対象に、半年間(全10回)のプログラムで開催している『Stanford e-Eiri』は、世界の課題について学ぶ英理女子学院のオリジナルプログラム。アメリカ屈指の名門大学であるスタンフォード大学と英理女子学院をオンラインで結び、SDGsのテーマについて英語でディスカッションするグローバルな授業です。
「プログラムの最終回には、サンフランシスコの女子校(Castilleja School)との交流会もあり、好きなアニメとかアイドルの話とか、女子トークで盛り上がっています」(佐藤先生)
2021年に行われた『Stanford e-Eiri』の一場面。生徒たちがディスカッションなどを多く盛り込んだ授業を企画し、展開しています。
プログラムの最終回には、現地の女子校との交流会も楽しく実施。アニメやアイドルの話など、日米の女子トークで盛り上がっています。
県内の高校(公立・私立)の生徒が集まって、世界の諸問題について英語でディスカッションする場が『Eiri World Café』。前回は10校から生徒たちが集結し、英語による有意義なディスカッションを行いました。コロナ禍で海外に出る機会が極端に制限されるなか、グローバル志向の高校生たちが学校の枠を越えて語り合うこと自体がすごいことだと、その積極性と独自性が周囲からも高く評価されています。
他校の生徒たちも集結して行われている『Eiri World Cafe』。『iグローバル部』では、文理にとらわれない幅広く質の高い知識の習得を推奨しています。そのために特徴的なカリキュラムが設けられており、その一つが、毎週土曜日の『探究』の授業です。『iグローバル部』における『探究』は他校のものとは一味違い、“世の中とつながること”を意識したものです。注目の探究授業のなかでも今回、特に紹介したいのが、日本マイクロソフト社の役員である上原正太郎氏によるプレゼンテーションの授業です。英理女子学院では上原氏のような社会で輝くエキスパートを“社会人先生”と呼んでおり、講師を務める上原氏の授業では、ワンランク上のプレゼンテーションというグローバル人材が必要とする高度なスキルを磨きながら、世界の問題に目を向ける眼を養っています。
“社会人先生”による探究授業『プレゼン講座』の様子。今春卒業したある生徒は、在校中ずっとSDGs探究に取り組むなか、たばこのポイ捨て禁止を訴える啓発ポスターを製作したそうです。ただし、話はこれで終わりませんでした。「美術部に在籍していた彼女が描いた啓発ポスターは、とても秀逸なものでした。私たちが驚いたのは作品の出来栄えだけでなく、彼女の行動力でした。たばこのポイ捨てが海洋汚染につながることを悲しく思った彼女は、ある日、大胆にもたばこメーカーに直談判したのです。『私の啓発ポスターをたばこのパッケージにしてほしい』と。“さすがにそれはできない”というのがメーカーの回答でしたが、彼女はそれにめげることなく、今度は港北区役所に行き、東急東横線内の駅へのポスター掲示をお願いしたのです。その結果、菊名駅(英理女子学院の最寄り駅)と大倉山駅にポスターが掲示されることになりました」(佐藤先生)
英理女子学院の最寄り駅「東急東横線菊名」駅に掲示された啓発ポスターとともに。
「今春卒業した1期生(大学1年生)の話です。小学生の頃から“クジラ好き”だったその生徒は、本校に在学中、鎌倉の海岸にクジラが打ち上げられたことをニュースで知りました。クジラの体内から出てきた大量のプラスチックに衝撃を受けた彼女は、なんと“クジラが食べても大丈夫なプラスチックを作ろう”と決意したのです。ヒントは新潟の祖母が育てるお米にありました。彼女は高1の頃から研究にかかわるコンテストに挑んだりしながら、ついにお米からプラスチックを作ることに成功し、北海道大学のコンテストにその研究成果を出したところ、準優勝したのです。現在、彼女は鯨類研究の第一人者をめざして大学で学んでいます。つい最近も連絡があり、北極海のクジラを調査する船に乗りたいと、さらなる夢を語ってくれました。幼い頃に夢見た“憧れ”が、高校時代にはすでに周囲の大人たちが認める“成果”となり、大学生となった今も初志貫徹の志で、充実した大学生活を送っています」(佐藤先生)
ある卒業生が大学で取り組んでいる鯨類研究の一場面。この学校の掲載記事をピックアップしました。