SNSが発達して、人とコミュニケーションを取る手段が多様化した今、私が興味をもっているのはメディアのあり方や果たす役割です。そこで高校入学時から進路の選択肢のひとつとして、上智大学の新聞学科を意識していました。
私が土曜講座で選択したのは、英字新聞に掲載された話題を題材にして、海外の先生とオンラインでつながって英語を学ぶ講座です。LGBTQや貧困など、さまざまなテーマがありましたが、なかでも海外と日本の学生・生徒の授業の受け方の違いがテーマとなった回は印象的でした。
日本の学校ではほとんどの場合、全員が黒板に向いて静かに座って先生の話を聞いていますが、海外の学校では自由にディスカッションしたり、授業中に歩き回ったりする人もいます。机上には飲み物が置いてあるのも当たり前のようでした。その記事を読んだとき、自分が当たり前と思っていることが、必ずしも世界の当たり前ではないのだと実感しました。英語を学ぶ目的もあったのですが、この講座で重視していたのは、人とコミュニケーションを取ることです。ディスカッションの際はいろいろ調べ、考えて英語を発するけれど、案外、他愛もない英会話というのは難しいものだと思いました。
土曜講座では、最初に「ミライの決断」という意思決定の練習をするワークショップがありました。将来の選択や探究・研究をする際にも、何を優先して取り組めばいいのか方法論を教えてくれる講座でした。学習系の講座では、自分の苦手な分野をAIが分析してくれて、自学自習のアドバイスをしてくれる講座もありました。
友達もさまざまな土曜講座を受講していました。野球部の友達は応急手当てや筋肉の動きを勉強していました。アート系の講座では陶芸の先生が教えてくれたそうです。サイエンス系の講座で、中学生と一緒にロボット制作をしていた友達もいました。普段の授業では経験できない世界が広がっている。それが土曜講座でした。
公募推薦を選択した大学受験では、面接の練習と事前に提出する書き方で先生にお世話になりました。入試の小論文はひとつのキーワードに対して1,000字書かなければならなかったので、時事的なニュースを知っているだけでは対応できません。現代社会の授業では、毎回、先生が「今日は過去にこんな出来事があった日だよ」と話してくださいました。日頃から新聞を読み、いろいろな分野に興味をもつことができました。
上智大学にはキャンパス内にスタジオがあるので、テレビ番組を制作することもできます。タレント、カメラマンなどいろいろな役割があるなかで、私はディレクターの役割を経験しました。限られた時間のなかで全体をコントロールする仕事は難しいけれど刺激的でした。ほかにもその日の朝刊を読んで30分で800字の原稿を書く授業もあります。新聞というメディアだけでなく、放送や出版、広告について学ぶ機会もあって、大学の授業は「こんなことが大学で学べるのか」という感動の連続です。
サークルはフリーペーパーを作るサークルと写真部に入りました。フリーペーパーのサークルは、年3回、冊子を制作しています。自分たちで企画を立てて取材をして、web記事も制作しています。また、大学の活動とは別に、若手のアーティストを紹介するweb記事制作にも取り組んでいます。
自分はどんな立場でメディアにかかわるかわかりませんが、全ての経験が将来につながるはず。将来は、「たとえ小さくても、広く人々に届けなければならない声」を届けられるようなメディアに携わりたいと思います。何よりも人の尊厳を大切に考えて情報発信できる人間になりたいですね。
※岡﨑さんが制作する若手アーティストを発掘するweb記事は、下記URLより見ることができます。
web記事
岡﨑さんはテニス部に所属していました。テニスコートは15面もあります。
熊野さんが練習していた剣道場にて。「八千代松陰には、目標に向かって切磋琢磨した仲間がいました」(熊野さん)。
教室にて。6年前からChromebookを採用しているので、コロナ禍の休校中も支障なくオンライン授業を受けることができました。