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駒沢学園女子高等学校

〒206-8511
東京都稲城市坂浜238

TEL:042-350-7123

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社会で役立つ実践的な力を育成する探究型授業
生徒が主体的に楽しく学ぶ「Komajo Quest」

 2019年に始動した探究型授業「Komajo Quest」。毎週土曜日に行われるグループ活動やフィールドワーク、ディスカッションなどを主とした、生徒たちが主体的に動き、学んでいく授業です。さまざまなプロジェクトに取り組みながら、大学の総合型選抜入試にもつながる“思考力・判断力・表現力”“さまざまな人々と協働して学ぶ姿勢”といった、将来生きていくうえで必要な力を育てます。プロジェクトの内容は、学年・学期によって多種多様。今回は高3の「Academic debate Project」の授業を取材しました。

正式なルールに則って行うディベートを実体験

理科科・化学教諭の菱山悟先生。 理科科・化学教諭の菱山悟先生。「Komajo Questに携わって4年。前年の改善点や生徒の反応を踏まえ、常に内容をブラッシュアップしています。高3の担任でもあるので、面接や志望書の書き方といった、大学受験でも役立つ力が身につくような内容も意識しています」

 高3の1年間で5回にわたり行われる「Academic debate Project」。1回目はディベートのルールや進め方、マナーを学び、2回目は実際にディベートに挑戦してみました。3回目となる今回は、前回の反省を踏まえ、よりハイレベルなディベートをめざします。

「毎回、冒頭に授業の狙いを伝えています。ディベートプロジェクト全体でめざすのは、相手の話を理解する力、話す前に必要な情報をまとめる力、効果的に物事を伝える力、多角的に物事を分析する力の体得です。事前に明言しておくことで、生徒は目的意識をもって取り組んでくれます。加えて今回は、より本番に近い形で、『相手側が反論してくる内容を予想して準備しましょう』『資料を電子黒板に表示できるので、必要ならばデータを用意しておきましょう』とアドバイスしました」と話すのは、Komajo Quest担当の菱山悟先生です。

 授業は3時間。1時間目に前回の振り返りを行った後、生徒全員にディベートの3つのテーマ、ディベート準備シート、傍聴シートが渡されます。生徒は6人ずつ6つのグループに分かれ、それぞれのテーマで肯定派・否定派に割り振られ、各グループで準備を始めていきます。

 準備時間は25分。この間に自分たちの立ち位置に即した立論を考え、相手側の立論を予想し、反論も準備します。説得力のあるデータを探し、電子黒板に提示する準備もしなくてはなりません。「ディベートは全体で35分。まず肯定派の立論5分、否定派の質問4分というように、ディベートの正式な形式に則り、時間をきっちり決めて行っています」(菱山先生)

司会・審判グループの進行で
肯定派の立論からディベートがスタート

 第1ラウンドのテーマは「洋画を観るなら吹き替え版より字幕版がよい」。司会・審判を務めるグループが正面に、その両脇に肯定派と否定派のグループが向かい合って座り、残る半数の生徒は後部席でディベートを傍聴しながら「傍聴シート」に所見を書き込みます。

 司会者の「まずは肯定側の立論です。5分以内でお願いします」の声とともに、肯定派の1人の生徒が立ち上がりました。

「アカデミー賞の選考基準として俳優の演技のなかで重要な要素の一つとされているのが声の質。俳優本人の声を聴くことで、そのシーンの息遣いや笑い声といった絶妙な空気感や臨場感を余すところなく観ることができるといえます」

 続いて2人目です。

「吹き替えキャストについて述べます。吹き替え版の声優は、興行収入を伸ばすため、話題性のあるアイドルや俳優が起用されるなど、質より話題性や知名度が優先される傾向にあるため、映画の質が吹き替えによって損なわれることがあると言えます」

 3人目の生徒は電子黒板に、「吹き替え版と字幕版の上映割合」という調査結果の円グラフを表示し、立論を行いました。

「このデータは2021年、映画会社によって行われた調査結果です。現在では、吹き替え版が3~4割、字幕版が6~7割となっており、この結果から、吹き替えよりも字幕のほうが良いと言えるのではないかと思います」

 5分経過したところで否定派からの質問です。否定派は、グループ内で質問内容を考えます。

 否定派が「データから字幕のほうがいいと思った理由は何ですか?」と質問すると、肯定派は「字幕上映のほうが多いということは、それだけ需要があり、相応のメリットがあるということだと思います」と反論。

 時に脱線する場面もありながら、司会者の仕切りで軌道修正し、ディベートは進んでいきます。

否定派はデータを多用し
説得力のある立論を展開

 次は否定派の立論です。1人目の生徒からデータを用いて立論を行いました。

「2013年のインターネットによる20代から60代の男女1,000人のアンケート結果です。自宅と映画館で観る映画の吹き替え・字幕それぞれの割合を示しています。自宅では86%が吹き替え版で観ていることがわかります。理由として、吹き替え版は視力が低い人、字が読みづらい人でも楽しむことができ、情報が伝わりやすいからだと思います」

 2人目は、映画のセリフの原文と字幕を比較し、ニュアンスの違いを説いたネットニュースを引用し、「日本人の私たちには、普段使っている表現で話される吹き替え版のほうが、原文の内容も理解しやすいのでは」と立論。

 続く3人目の生徒は、翻訳会社が公表しているルールを示し、「字幕の文字数は最大13文字×2行まで。限られた文字数の日本語を読むより、吹き替えのほうが情報は入りやすいと思います。また、1シーンにつき6.5秒という時間制約のなかで、文字と背景を目で確かめるのは難しいと思います」と、説得力のある主張を展開しました。

 その後も肯定派の質問、否定派の反論と続き、審判を務める生徒たちが、記載された「傍聴シート」をもとに結論を発表。この回は、データを効果的に用いて説得力のある立論を構築した否定派の勝利となりました。最後に全員が感想と反省をiPadに入力しクラスで共有、次回に活かします。同様に、残るグループがテーマ②「学校生活に制服は必要」、テーマ③「時間よりお金が大切」についてディベートを行いました。

「大変だけど楽しい! 気持ちいい!」
ディベートを通して自身の成長を強く実感

 最後にグループのリーダーを務めた生徒に感想を聞きました。

「一番大変だったのは、限られた時間内でのデータ収集。その準備が不十分だったのが反省点ですが、最後に芯の通った意見を述べられたので良かったです。ディベートはとても楽しいです。みんなが納得できる意見を言えると気持ちがいいし、前回よりも自分の成長を感じられたので達成感があります。次回は、グループで一致団結してもっとレベルの高いディベートをしたいです」(K.Iさん)

「短時間でみんなと内容を固めて、データを収集して、という作業はとても大変だけど楽しいです。データもしっかり活用でき勝利できたので、やりきった感があります。ほかにも手札を複数考えていたから、本当は第二反ばくもやりたかったです! 反論の際に語尾が小さくなってしまったのが今回の反省点。次回はもっと大きな声で堂々と意見を述べたいです」(A.Iさん)

 今回の反省を踏まえ、4回目は第二反ばくまでディベートを深化させ、5回目の「ディベート大会」に備えます。

大学入試につながる部分を強化しながら
楽しく主体的に学べる環境を提供

 多くの生徒から「楽しい」という言葉が聞かれた今回の「Academic debate Project」。菱山先生は「土曜日の午前中に、肩の力を抜いて楽しく学べるような内容や雰囲気を心がけています。楽しいと自主的に学ぼうという気持ちが生まれますよね。楽しい授業で自主性を引き出しながら主体的に学んでもらいたいので、教員はファシリテーターに徹します」と語ってくれました。

「企業インターン」「Movie Project」など、3年間のさまざまなプロジェクトを通して社会で生きていく力を身につけている同校の生徒たち。「始動して4年経過し、Komajo questで取り組んだプロジェクトや書き上げた論文などを、総合型選抜入試に活用する生徒も出てきました。今後は大学入試につながる部分にもより注力しながら、楽しく主体的に学べる場を提供していきたいですね」

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