「英知をもって国際社会で活躍できる人間を育成する」との教育理念を掲げる順天高等学校。この理念を具現化するための施設である「本館」は、創立170周年事業として2005年に誕生。創立180周年記念事業の一環として建てられた「理軒館」は、2017年に完成しています。この2つの施設を中心とする王子キャンパスを生徒4人に案内してもらいました。
記者プロフィール
東京都在住。好きなことにのびのびと打ち込める学校を検討中。男子校か共学校か、ただいま悩み中の中2男子の父親。
「英知をもって国際社会で活躍できる人間を育成する」との教育理念を掲げる順天高等学校。この理念を具現化するための施設である「本館」は、創立170周年事業として2005年に誕生。創立180周年記念事業の一環として建てられた「理軒館」は、2017年に完成しています。この2つの施設を中心とする王子キャンパスを生徒4人に案内してもらいました。
東京都在住。好きなことにのびのびと打ち込める学校を検討中。男子校か共学校か、ただいま悩み中の中2男子の父親。
ここが僕たちの通う順天高校の本館正門です。
「開放的で明るく、魅力的な教育空間の創出」と「授業や自習時における学習環境の重視」をテーマに、工夫された施設がたくさんあります。
駅からも近くて、交通の便もよさそうですね。
駅から近いのはありがたいです。JR京浜東北線と東京メトロ南北線の王子駅、それから東京さくらトラム(都電荒川線)の王子駅前駅から徒歩3分です。
駅前の音無親水公園を流れる川も、風流な感じですてきですよ。
ここは80名を収容できるカフェテリアです。朝は8時から夜は18時まで利用できます。お昼時はランチに、放課後はみんなで集まって勉強する場所にもなっています。
ジュースも買えるので、リラックスして勉強するタイプの生徒や、グループで雑談している生徒もいます。
ランチメニューは、僕の好きな定番のカレーライスはもちろん、日替わり丼、麺類ならパスタ(ミートソース)、うどん・そば……あとお弁当もあります。
パン・お菓子の自動販売機もあるので、僕は部活動の後や小腹が空いた時にパンを買ったりしています。
ランチを食べるだけでなく、勉強をする場であり、憩いの場であり、クールダウンする場でもあるんですね。
個別学習室です。開室時間は、平日は7時~18時30分(高2・高3生は19時30分まで)で、土日も利用可能です。ここは、集中して勉強したい生徒の聖地みたいになっています。個別ブースは、70名分用意されています。
僕が利用するのは主にテスト前ですが、部活動が終わった後に、その日出された宿題を、帰宅前にここで終わらせたりしています。僕は家が近いので、休みの日はここが勉強部屋になります(笑)。
先ほどのカフェテリアと違って静かですね。
ここでは私語・飲食・スマホなどは厳禁です。みんなの意識が高いので、触発されてモチベーションが上がります。
図書館です。蔵書は4万冊。調べ物をしたり、「個別学習ブース」もあるのでここで勉強したりする生徒もいますね。
ちなみに、ここは周囲に迷惑がかからなければ話してもOKです。
みんなで教え合ったり、ワイワイしながら勉強したい人はカフェテリア、ちょっとノイズのあるほうが好きな人はこの図書館、静寂の中で集中したい人は個別学習室と、住み分けができている感じですね。
ほしい本、読みたい本で在庫がない場合は、リクエストもできます。
新しい本がどんどん入ってくるので、書店いらずです!
ちなみに先生は「今は何でもネットで調べることができるけど、やっぱり本を手にとって調べてほしい。並んでいる本や(本の)帯を見るだけでも勉強になるんだよ」と、本の良さを話してくれます。
私たちの世代でさえネットに頼りがちですが、本のほうが幅広い学びやさまざまなものの関連性など、深みのある情報を得られますよね。
理軒館の屋上です。僕のお気に入りの場所で、見通しがよくて眺めがいいんです。
スカイツリーもきれいに見えるんですよ。
緑の木々もけっこう見えますね。
はい。飛鳥山公園もすぐ近くなので、緑も多いですよ。
気持ちのいい場所なので、僕はよくベンチでゴロゴロしています。本館の屋上も好きですね。あそこにはバスケットボールのコートがあるんですが、屋上でバスケをするのが青春っぽくてカッコいいかなって(笑)。
本館の3階部分と接続している理軒館のフロアです。ここにはラーニングコモンズとしてPBL(Project-Based-Learning)ルームやオープンルームが設置されています。
「ラーニングコモンズ」とは何ですか?
問題解決のために、自習やグループ学習に最適な環境や設備が整えられている学修空間のことです。たとえば「探究の時間」では、ひとつのテーマに対し、その問題解決に向けてみんなでグループに分かれて話し合うんです。
「コミュニケーション英語」ではグループで話し合いながら、わからないことがあればお互いに調べるなど、協力し合って学びを進めています。
先生と生徒が勉強している姿も見えますね。
そうなんです。先生に個別指導をしてもらえますし、僕たち生徒会の集まりでもここを利用しています。
いろいろな学びを、いろいろなかたちで進められる場所なのですね。
本館7階にある、約400名収容のJMホールです。
体育の授業や全校集会、学年集会などで使っています。
私と高橋さんが所属している演劇部以外に、ダンス部やバトン部もここが放課後のメインステージになります。空調は校内で一番効いていて、夏でも涼しいですよ。
カーテンは全部自動で、環境を整えやすいのもJMホールのいいところです!
体育館やグラウンド、メモリアルホールのある新田キャンパスへのアクセスは、2台のスクールバスを利用しています。
新田キャンパスまでは、どのくらい時間がかかるのですか?
約10分です。すぐですよ。
どのような時に新田キャンパスへ行くのですか?
体育の授業や部活動(陸上競技部、野球部、サッカー部)、体育祭などの時です。食堂や宿泊施設もあるので、部の合宿に利用することもあるんですよ。
こちらは本館から徒歩2分ほどの場所にある2号館です。
ここ1階はサイエンスルーム、2階は調理室と被服室、3階は理科実験室になっています。
2号館はよく利用するのですか?
まさに今日、調理実習で使いました。作ったのはカレーとナン。おいしかったです(笑)。ウチの学校は調理実習が多くて、レベルもけっこう高いですね。
僕は理系を選択していますが、調理実習は3週に1回くらいのペースで行っています。
理系は実験が多くて、昨日も葉っぱの色素を取り出す実験を行いました。ブタの腎臓を解剖する実験も楽しかったですし、ボールを落としたり、バネを伸ばしたりする物理系の実験も興味深かったです。
私は赤虫の解剖が印象に残っています。生き物の解剖は初めてだったので怖かったけど、やっぱり楽しかったですよ。
最後にご紹介するのは、美術室や音楽室のある5号館です。
美術の授業では、自分で好きな果物を持ってきて、その絵を描きました。難しさもありましたが、自分の好きなものを描くのでテンションは上がりました。1年生の時にイラストレーターやフォトショップ(※いずれもAdobeのソフト)などを習う授業もあるんですよ。
私はその授業で今、名刺を作っています。フォント(字体)や色合いなどもすべて自ら考えて作るのですが、デザインって難しいです。
私も1年生の時、名刺を作ったよ。文化祭の準備でもイラストレーターを使って教室のレイアウトを作ってみたのですが、それはやっぱり授業の賜だと感謝しています。
僕は学校や普段の生活の、たとえばゴミのポイ捨てなどに対する注意喚起ポスターを、フォトショップに自分の撮影した写真を取り込んで作りました。
技術的には基礎の基礎ですが、ある程度は使えるようになっていたので助かりましたね。
今日はありがとうございました。最後に、もうひとつ質問です。皆さんの感じる順天高校の魅力を教えてください。
順天は施設内・教室内にたくさんの光が入るから、とても明るいんですね。私はそこが大好きです。あとは、みんなと仲良くなれること。そこが順天の魅力だと思います。
中高一貫生と高入生が自然と混ざっていて仲がすごくいいこと。もうひとつは、先生が僕たち生徒を信頼してくれていることです。信頼関係のもとで良い雰囲気を作れていると思います。
私もそう思います。すべての先生方が身近な存在なので、そんな先生方と一緒に勉強できることが順天のいいところだと思います。
堅苦しい上下関係がないのもいいところだよね。僕らは先輩に優しくしてもらえたので、“じゃあ、僕らも後輩に優しくしよう”という好循環があるんです。僕の在籍しているサッカー部も“敬語なし”です。そういった雰囲気のよさが順天です!
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