母校に着任してまず「いいな」と思ったのは制服です。パーカーは在学中から変わらずですが、通気性のいいポロシャツが新たに加わっていてうらやましいですね。大容量のリュックも、私の在学中にはありませんでした。オプションがたくさんあって、生活しやすい制服になっていると思います。
1人1台のタブレット端末を使って、自由に学習する姿も私の在学中にはありませんでした。高校でICTを使いこなせるようになっていたら、大学の研究でも活用できていたのにとうらやましくなります。
私の在学中にはなかったもう一つが、「イングリッシュアイランド」の授業です。これは週1回フィリピンの英語講師とオンラインでつながる少人数制のレッスンです。教科書を使った授業に加えて英検の2次試験対策も行うので、安心して本番に臨むことができます。
英語を習得するためには、身近なところで日常的に英語に触れる学習環境が大切です。私自身は好きなアニメで英語を学んでいました。子どもの頃から親しんだ『ウォレスとグルミット』というイギリスのクレイアニメは、英語好きになるきっかけとなったアニメです。
コミュニケーションとは、言語だけではなく身振りや手振りなどと組み合わさってなされるものだと理解したとき、それを研究できるのが慶應義塾大学の大学院だと知り、そこでの学びを選択しました。修士論文を書くためにアニメーションをたくさん鑑賞し、ジェスチャーと言語が結び付いていることも分析しました。
高1時代の将来のイメージは、経済学部に進学した後に商社に就職して、海外でバリバリ働くというものでした。でも潤徳で英語言語としての面白さを知って大学で英米文学を学び、今は母校で「英語嫌いの生徒に何とか英語の面白さを伝えたい」と毎日奮闘しているのが不思議に思えます。恩師に「吉岡さんはよく『普段よりもっとレベルの高い英単語のテストをしてほしい』とよく職員室に来ていたよね」と言われて赤面しました。
教員になって先生が授業以外にたくさんの仕事をされているのを知った今、申し訳ない気持ちでいっぱいです。潤徳の先生方は皆さん伴走者となって、生徒の学習を支えていてくださったと実感しています。