
「今年は偏差値を中学入学時から6年間で20以上アップさせた卒業生もいます。彼らは早稲田大学や慶應義塾大学、東京都立大学、明治大学などに現役合格を果たしました」(広報部長・社会科/南井秀太先生)
国公立・早慶上理・GMARCHといった難関大学の2022年度における同校の合格者数は218名。なかでも早慶上理は前年比の3倍であり、過去最高の合格者数を達成しました。この背景にはどのようなサポート体制があるのでしょうか?
「まず、教員間の情報共有と連携があります。そのひとつが、教員のスキルアップを図り、面談の質を向上させるための『三者面談研修』です。どの生徒がどの大学を、どの入試形態で受験するか。どの科目が得意でどの科目が苦手か。生徒一人ひとりの情報をアプリで共有し、全教員が的確な面談や指導ができるようにします。
もうひとつが『出願戦略会議』です。高3の担任や各教科の教員が集まり、年3回実施しています。第3回は大学入学共通テストが終わった直後に行われます。各教科の教員が一人ひとりの結果を模試の判定や倍率などと照らし合わせ、最終的にどの国公立大学を受験させるかを検討します。こうした分析をもとに担任が生徒と保護者を交えて話し合い、両者が納得したうえで志望校を決めて出願するのです」(進路指導部長・理科/秋山哲二先生)
また、通常の放課後講習にプラスして、学習合宿や夏期・冬期・春期講習などを用意。予備校に通わずに確かな合格力を養えます。さらに、心が通い合う指導が生徒の意欲と学力を高めたといいます。

「2020年3月に緊急事態宣言により本校は休校になりました。そこで、いち早くZoomによるオンライン授業を開始したのです。その結果わかったのは、オンラインが学力の定着に効果的である一方、メンタル面のサポートには不十分であることでした。
そこで休校が明けてからは対面での指導を重視し、授業や講習中には『頑張れ』『その調子だ』と、これまで以上に声をかけるようにしました。こうして私たちの熱意や期待が生徒の心にまっすぐ響き、今年の進学実績が飛躍的に向上したのだと思います」(秋山先生)
同校の校訓は『行学二道』。『行』は体験、『学』は学びであり、文武両道を意味します。そこで同校では部活動を奨励。8割近くの生徒が入部しています。
「部活生には、部活中は基礎学力を維持し、部活引退後は途切れることなく受験に専念する指導を心がけています。『部活の力を勉強に!』を合言葉に部活で培った集中力と粘り強さを受験に活せるようにするのです。その結果、野球部から京都大学、ハンドボール部から名古屋大学というように難関大学合格者の半数を運動部が占めます」(秋山先生)