部活動を通して個を磨き、集団での協調性も身につけています。
コロナ禍により思うように試合が組めない状況もありますが、今できることに感謝して日々練習に励んでいます。
練習では状況に応じて部員が積極的に教える様子も。これは同部の伝統です。
練習は男女合同、中学生とも一緒です。
練習は水・木・金・土・日。ただしコロナ禍もあって一部練習を自粛しているため現在は週4日。
「勝つためにいろいろな方法がある、点を取るためにいろいろな方法がある。それがテニスの魅力です」(顧問の相良先生)
「日々の学校生活のあらゆることに対して目標をもち、夢中になって取り組むなかで、ほかの誰とも違う自分らしさと可能性を見いだせるはず」とは田村嘉浩校長先生の言葉です。その姿勢をまさに体現しようとしているのがテニス部です。
「ただ楽しさのみを求めてしまうと、成長が限られてしまうと思うのです。ですから、それぞれのレベルに応じて一人ひとりが目標をもって、そこに到達するにはどうすればいいのかを考えて取り組むことが、テニスプレーヤーとしても、一人の人間としても成長につながるものと思っています」(顧問/相良瑞穂先生)
その基礎づくりとなる練習は週5日。校庭にある2面のコートで、約30名の部員が汗を流しています。練習メニューは初心者も経験者も、男子も女子も、基礎を“みっちり、しっかり”が多摩大目黒スタイルです。
「基礎的な練習はほぼ毎日行います。たとえば、部員がポンと落としたボールを打つ“球出し練”。コートが2面しかない状況でうまく練習を回すという狙いもありますが、初心者も多いこと、さらにはプロでも試合が進むにつれフォームは崩れてくるものなので、正しいかたちを身体に覚えさせるためにも基礎固めのできるこの練習は必ず入れています」
そのなかで相良先生が注視しているチェックポイントがあります。
「テニスは手でラケットを握るので、どうしても手の力を使いがちですが、大事なのは身体の軸の安定です。手先だけや力任せにならないよう体幹を意識するように伝えています」
続いてサーブ、ストローク、ボレーの3種類の基礎練習に移りますが、このメニューにもじっくりと時間を費やします。部員同士で教え合いながら、真剣ななかにもお互いに声をかけ合ったり、時に笑顔を浮かべたり。
「なぜテニスをするのかと言えば、結局のところ“楽しいから”だと思うのです。自分が楽しむことはもちろん、そして周りの部員のいいプレーに対して声がけをするのもモチベーションアップにつながりますから。私自身も何かにつけて楽しもうと思っていて、“先生が楽しそうにしているから、私たちも楽しんでいいよね”と部員に感じてもらえる雰囲気にしたいと思っています」と相良先生。
試合に勝ちたいから、うまくなりたい。うまくなると、楽しくなる。その楽しさをみんなで味わいたいから、お互いに切磋琢磨できる雰囲気をつくりたい。そんな同部の自慢は「どこに行っても“多摩大目黒の部員は、明るくて前向きで、感じがいいですね”と言っていただけるんですね。そこがいいところだと思っています」
真剣さのなかに見える部員たちの楽しそうな表情は、前向きに取り組んでいるからこそ出てくるものなのかもしれません。
部活動を通して身についた部分は、みんなと協力する大切さを知ったことと、勉強も部活動もおろそかにせず両立させるための計画性が身についたことです。練習や試合、勉強などを通じてメンタルの強さも鍛えられたと思っています。テニス部のコートは来校される人が最初に目にする場所にあるので、そうした際の挨拶や礼儀の面でも生徒の模範になれるよう、これからもしっかりと続けていきたいと思っています。
めざしているのは、明るくて元気、そして試合で勝てるような部活動です。そのために気をつけているのは、練習時の声がけを全員が大きく、明るく行うようにすることです。テニスの魅力は、試合の時に頭の中でプランを考えて、その通りにショットが決まったりイメージ通りのプレーができたりした時ですね。うまくいった時は気持ちいいし、面白いんです。部の自慢は、上下関係があまりなくてみんな仲がいいこと。多摩大目黒テニス部の伝統です。
現在部員は45名。人気クラブのひとつに数えられるバドミントン部です。
練習は週4日。日・祝は広いあざみ野の体育館を使用することも。
“攻め”ではなくて“守り”を重視した練習を意識。
限られた練習時間をいかに濃密なものにできるかがひとつのテーマ。メニューの一つひとつの意味を理解しながら取り組むこともその一例。
疲れたとき、劣勢に立たされたときにこそ大事になってくるフォームやかたち。足の運びを反復練習。
顧問の谷本薫先生は高校卒業後、大学進学と同時にバドミントンの指導者としての道をスタートしました。
顧問の谷本薫先生が「高校生からでも始めやすいスポーツ」と評するバドミントンは、同校でも人気の部活動です。部員は現在、男女合わせて45名。東京都東ブロック大会でベスト32という目標を掲げ、その実現に向けて確立させようとしているのが、“考えるバドミントン”です。
「うちは名門ではありませんし、練習日(週4日)も多くありません。初心者も多いというなかで、弱くても伸ばせるところを探し、たどり着いたものが“考えるバドミントン”です。それを3年間で身につけて、強豪校に挑戦してもらいたい」と谷本先生は言います。
そのための練習は、体操、ストレッチに始まり、シャトルを打たないでフットワークを磨いたり、床に置いたシャトルを運んだりといった運動強度の高いメニューに取り組み、その後はバドミントンの基本動作を身体に染み込ませるトレーニングへと移ります。そして最後は実戦形式の対人練習というのが主な流れです。その練習のなかで特に重視しているのはレシーブ練習です。
「強い相手と戦うとき、チャンスはそんなに回ってきません。ですから、攻撃的なスマッシュ練習よりも相手のバドミントンに対してどう対処するのかといったほうが大事で、相手の強いスマッシュを返す、あるいは粘るといった守備的な練習に力を入れています。“守らないと攻めは始まらない”━━それが本校の基本スタイルです」
それともうひとつ、谷本先生が「バドミントン選手である前に身につけてもらいたいものがある」と言います。それは、挨拶や礼儀、対戦相手に対するリスペクトや、周りの方々への感謝の気持ちです。
「試合は相手があって成り立つもの。相手に対する思いや毎日の部活動、試合ができることを支えてくれている保護者やチームーイトへの感謝。そうしたことを体現するために、挨拶や礼儀といった立ち居振る舞いを大事にしてほしいです。部活動の意味は、そういうところにもあると思っています」
そのうえで谷本先生が部員によく言っている言葉があります。
「“応援される人になりなさい”ということです。それはやはり、気持ちのいい挨拶や練習姿勢があってこそ。チーム内でも練習中に仲間を鼓舞するような意識をもって実践すれば、パフォーマンスも変わってきます。それらを重ねていくことで“応援される人”になっていくのだと思います。
部員たちは“もっとうまくなりたい”という気持ちが強く、いろいろと吸収しよう、もっと変化しようとしてくれています。結果、入部から引退まで、選手としても人間としても伸びしろのある部だと思っています」
同校は、進学実績などの面から入学後に生徒の能力を伸ばすことで知られています。それは部活動においても同じようです。
めざしているのは、声を出し合うなどして部を盛り上げていくことです。自分の考えるバドミントンの魅力は、長いラリーが続いてやっと1点が取れたときや、体力勝負の場面で点をもぎ取った時の喜びです。その一瞬のためにも相手に考える時間を与えない、隙を与えないバドミントンをめざして練習を重ねています。部の自慢は一人ひとりの意識が高いこと。これからもみんなと一緒に切磋琢磨していきたいです。
めざしているのは、みんなと一緒にレベルを上げていける部活動です。そのためにも私たち上級生がまず声を出して、それが1年生にも広がっていくようにしていきたいと思っています。部活動の面白さは、チームメートや後輩とアドバイスし合えるところ。部活動を通して成長できた部分は、礼儀が身についたところです。部の自慢はメリハリ。コートでは真剣に、終わった後は和気あいあいできるところです。
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