高3の学年リレー、第一走者は600mを走り切ります。ピンクが圧巻の走りを見せ、最後まで1位をキープしていました。
各チーム、応援合戦のために趣向を凝らした小道具や衣装を準備します。
高1の玉入れ。各チームカラーの玉が青空に舞います。
大玉運びは、チームの団結力が勝敗のカギです。大玉を落としてしまっても、チームワークで立て直します。
高3の輪ダンスは、フラフープを使っての創作ダンスです。最後は147人が花の形のフォーメーションになりました。
6月4日、共立女子第二高等学校のグラウンドで、3年ぶりの全校での体育大会が開催されました。4月にそれぞれ新しい学年に進級した生徒たちですが、短い時間ながらも熱のこもった準備を進めてきました。とはいえ、この日に至るまでの数週間、雷や豪雨などの不安定な天候が続き、またそろそろ梅雨に入ろうという季節でもあり、延期の可能性もありました。
当日は、そんな不安を吹き飛ばすかのような晴天となりました。3年生はチームカラーのはっぴを羽織り、1・2年生は装飾を施したメガホンや応援小道具を握っています。お昼頃には30度にも届きそうな気温のなかでしたが、熱中症対策は万全です。観戦スタンドではマスクの着用こそ必要でしたが、待ちに待った第50回体育大会がスタートしました。学年全体が青・緑・黄緑・黄色・ピンクの5チームに振り分けられ、競技と応援合戦の点数を競います。
同校のグラウンドは、400mトラックにオールウェザーの100mレーンを備えています。スタンドは1,800人を収容できるので、サッカー部などの練習試合で使われることもあります。コロナ禍以前には、神田神保町にある共立女子高等学校の生徒たちも例年、秋の体育祭で使用できたという充実のグラウンドです。
恵まれた運動施設を存分に活かす体育大会は、陸上競技会さながらに徒競走の多さが伝統です。例年であれば1人100m×30人で走る3,000mリレーもあります。密を避けるために中高校別々に行った今年の大会では、600m、400m、200m、100mと異なる距離の走者19人でつなぐ学年リレーだけが行われました。開会式と準備体操が終わってすぐに行われた、高3の学年リレーは、第一走者がペースを落とすことなく600mを走り切りました。
各学年が参戦した玉入れは、コロナ禍以降に新しく始まった競技です。入学から2カ月という高1生も、クラスが一つになって50個近い数の玉を投げ入れていました。
お昼近くなると、午後に体育大会を控えている中学生が集まってきました。少し早めにやってきた彼女たちの目的は、伝統の応援合戦の見学です。
応援合戦は、3年生の応援係が中心になってダンスの振り付けから考え、1・2年生に伝えます。趣向を凝らしたフォーメーションには各チームの個性が現れます。チームカラーのはっぴを着た3年生の集団が中心となって圧巻のダンスを繰り広げる組、1・2年生をサポートするように踊る組など多彩です。また、10年前の先輩から受け継いできた旗を披露する組もありました。どのチームも、新学期が始まってからわずか2カ月とは思えないほどの仕上がりです。
次に行われた3年生の「輪ダンス」も伝統のプログラムです。フラフープを使った創作ダンスは2年生のときから体育の授業中にグループワークの形で創作し、人気の高かった演技が採用されました。
最後に行われた砂川体操は、開校時の初代の体育科の先生が考案したという、第1回から行われている体操です。閉会式で校長先生が「砂川体操の音楽を聴いたとき、やっと体育大会が帰ってきたと感じました」と語るほど、体育祭の象徴となっているようです。そして校長先生が「3年生のリーダーシップが見事だった。来年もぜひ、皆がつなげた体育大会を見せてほしい」と講評を述べ、第50回体育大会が終了しました。
応援合戦:黄色チームは強さを表現する振り付けを披露します。
応援合戦:黄緑チームは細かいステップと手の振り付けに凝りました。
応援合戦:青チームは「とどろきわたる」がテーマの力強いダンスです。
応援合戦:ピンクチームは『龍とそばかすの姫』のイングリッシュバージョンで踊りました。
応援合戦:緑チームは大きく広がりを見せるフォーメーションから始まりました。みんなが知っている曲なので手拍子がわき起こります。
砂川体操は体育科の先生が考案したという、第1回から行われている体操です。
総合優勝はピンクチームでした。
毎年6月に実施していた体育大会ですが、一昨年は日本全国の学校が休校措置をとっており、昨年も感染者が激増した時期だったので学年ごとの開催となりました。今年も中高別々で、競技の数も減らしての開催となりましたが、高校生全員がグラウンドに集うことができました。
3年生が中心となって振り付けから考える応援合戦は伝統です。もしも今年、体育大会を開催できなければ、実際に経験した学年がいなくなって応援合戦の伝統も途切れてしまうので、どんな状況になっても伝統をつなげようと言いながら練習していました。
9月には文化祭が行われます。こちらも一昨年は2月に延期し、動画配信と校内をめぐる形のハイブリッド型になったりと、いろいろな変更がありました。今年は入場制限や予約制などの制限はありながらも、例年に近い形の文化祭を開催する予定です。特に3年生にとっては思うように行事ができなかった3年間のすべてを出し切る文化祭になると思いますので、ご期待ください。
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