2022年度から、1人1台のiPad使用が可能になった埼玉栄高等学校。今年度内には5G基地局が同校の敷地内に設置されることも決まっています。「これまでの学び」から「これからの学び」へと進化する埼玉栄のICT(Information and Communication Technology)教育について、教頭の林昭雄先生にお話しを伺いました。
2022年度から、1人1台のiPad使用が可能になった埼玉栄高等学校。今年度内には5G基地局が同校の敷地内に設置されることも決まっています。「これまでの学び」から「これからの学び」へと進化する埼玉栄のICT(Information and Communication Technology)教育について、教頭の林昭雄先生にお話しを伺いました。
生徒たちはもちろんのこと、私たち教職員全員にもiPadが支給されていますので、授業に行くにも、部活動の顧問として生徒と接するにも、すでにiPadが必需品になっています。ただ当然ながら、デジタルネイティブといわれる生徒たちのほうが理解度が速いので、私たちも生徒に負けないよう一生懸命に勉強しながら、より良い高校生活へとつながるよう努めているところです。
授業の質がグンと向上しています。たとえば、本校が採用しているiPadには、デジタル教科書とデジタルノートが標準装備されているので、教員がホワイトボードの前にいる必要がなくなりました。その分、生徒一人ひとりに目が行き届くというわけです。一人ひとりの学習状況はAI(人工知能)により一元管理されているので、理解不足のまま次に行ってしまうというロスもありません。事実、AI解析の問題演習を行う授業の方が、従来の授業より知識の習得時間が短いというプラスのデータも出ています。
そのとおりです。たとえば数学科では、新たに創出された時間を有効活用しようと、理科とコラボレーションしたこれまでにない新しい授業も始まっています。これまで50分かけて理解度の浸透を図っていたものが、20~30分でできるようになっているので、残りの時間は大学受験を意識した演習問題を解く時間にあてることもできています。
生徒のiPadは学籍番号で管理しています。担任のiPadと生徒のiPad、教科担当とその授業に参加している生徒のiPadというように、カテゴリー別の紐づけも徹底されています。ちなみに、生徒が勝手に自分の好きなアプリを入れることはできません。
そのとおりです。ですが、iPadの活用は学習面だけに限定しているわけではありません。本校は非常に部活動の盛んな学校でもありますので、トレーニングやパフォーマンスの向上のためにも、どんどん気軽にiPadを使ってもらいたいと思っています。
学校選択の際、ぜひそのあたりにも注目してみてください。ちなみに本校の一連のICT教育は、その名も『未来の学びプロジェクト』として、今後もさらに進化していくことは間違いありません。
ワクワクしてください! 年内には本校の敷地内に大手キャリアとの連携により、5G(第5世代移動通信システム)の基地局も設置される予定です。5Gを使って、たとえばVRゴーグルを着用して実施する探究学習も可能になるでしょう。また、通信速度がとても速い利点を活かし、海外の高校生との英語によるコミュニケーション活動も企画できます。本当にやりたいこと、試したいことが盛りだくさんです。
現地へ行かない分、そこでも新たな時間が創出できるでしょう。もちろんコロナ禍が落ち着いて、これまでどおりに海外への修学旅行なども制限なく行けるようになることが一番ですが、ICTが何かの代替として使われるという発想ではなく、むしろこれまでになかった学習ツールとして、「これもできないか?」「あれもできないか?」と、あれこれと企画することも重要なことだと思います。特に私たちのような“大人目線”では限界がありますので、むしろ“生徒目線”を前面に出した『未来の学びプロジェクト』にしていきたいと考えているのです。これから高校生になる皆さんにも、ぜひプロジェクトの一員として携わってもらいたいと思っています。
どんどんワクワクしてください。夢や希望をたくさんもった皆さんのご入学をお待ちしています。
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