2021年9月中旬、日本体育大学荏原高等学校は、全国の私立学校で初となる『学校情報化先進校』に認定されました。これから高校受験を控える中学生の皆さんに、担当の先生方にわかりやすく解説していただきました。
2021年9月中旬、日本体育大学荏原高等学校は、全国の私立学校で初となる『学校情報化先進校』に認定されました。これから高校受験を控える中学生の皆さんに、担当の先生方にわかりやすく解説していただきました。
「私たちの想像を越えるICT機器の使い方で、どんどん社会貢献につなげてもらいたいですね」と福島伸一先生。これからは生徒発、部活動発で、新しい企画が出てくることを期待していました。
「あらかじめ収録された授業動画を、部活動などの空き時間に観て効率良く勉強する生徒もいます」と萬田依子先生。生徒たちがICT機器を難なく使いこなす姿を見て、たくましく思うそうです。 福島先生『学校情報化先進校』というのは、いわゆるICT教育、簡単にいうと良質の「教育のデジタル化」を日常的に推進している学校のことです。『学校情報化先進校』として認めてもらうには、それ以前に『学校情報化優良校』に認定されていなければなりません。このたびの学校情報化先進校選定は、本校のICT教育のレベルが、全国的に見ても最先端であることを、専門機関(日本教育工学協会・JAET)に認めていただいたということです。
萬田先生2015年からです。全校挙げて学校情報化に力を入れていこうと教職員間で確認し合ったのが始まりです。まずは教職員研修などを通じて、PC、iPad、プロジェクター、電子黒板など、ICT機器の使い方から学んでいきました。翌2016年度からは、正式にICT教育をスタートさせ、少しずつ授業の中に取り入れていきました。
萬田先生たとえば、『ロイロノート』(正式名称は『ロイロノート・スクール』)があります。教室内でインターネットを使いながら、学習支援を行うアプリケーションソフトです。授業中に生徒同士が情報共有しながら学習を進めることができるので、スピーディな授業展開ができます。また、Googleが運営するオンライン学習システム『Google Classroom』を使えば、復習テストや小テストなどを、授業時間内に効率良く取り入れることもできます。
また、教員側が本格的に活用しているのが、ノルウェーのウェブアプリ『kahoot!』(カフート)です。クイズ形式で楽しく学び合えるプラットフォームで、視覚的に楽しみながら学習に取り組むことができるので、授業の始まりや途中のブレイクタイムとして活用する教員も多いです。
萬田先生はい。授業がスピーディに展開できるようになったので、余った時間で先取り学習をするというよりも、その日の授業内容をさらに深く学んだり、生徒同士が調べて発表し合ったりする時間が取れるようになりました。“進度は変わらなくても、深みをもたせる"ことができるので、これからの生徒たちに必要とされる、思考力・判断力・表現力などの強化にも期待が寄せられています。
萬田先生そのとおりです! 私が本校に赴任した11年前に比べると、授業の“深さ"そのものがまず違います。生徒はもちろん、教員もICT機器を使うのが当たり前になっています。ベテランの教員もiPadやApple TVを日常使いしていますし、私たちに質問にこられる内容にしても、すでにプロユーザーとしての発展的な内容が多いです。『学校情報化先進校』として認められた本校で学ぶ価値に注目してもらいたいですね。
福島先生感覚的に判断することはまだ難しいと思いますが、学校長が掲げる『求めて学び、耐えて鍛え、学びて之を活かす』の精神が、『学校情報化先進校』としての本校の取り組みと合致しだしたと言えると思います。基本的な生活習慣の確立、部活動と勉強の両立、その上に教育環境の充実を図りながら、さらにICT教育とどう組み合わせるかが、私たち教職員の腕の見せどころなのです。
実際に生徒たちは、教育プラットフォームの一つ、『Classi』や、同じく『Studyplus』を巧みに活用しながら、自分たちで学習時間を管理・記録することができています。難関大学への進学を勝ち取った生徒の多くが、計画的な学習管理や時間管理ができていたのではないでしょうか。
福島先生本来、ICT機器は自由自在に学習をサポートできる“楽しい"ツールですから、本当はルールを作りたくはありません。しかし、教育においてはどうしても、「こんな問題が起こってしまった時にどうする?」という、いわばマイナス面を想定しなければならないこともあるのです。インターネット上のモラルやマナーもそうです。自分が知らず知らずのうちに被害者にも加害者にもなりかねないという落とし穴も、残念ながらあるからです。だからといって、生徒たちを縛るためのルールを設定するのではなく、あくまでも「こういうふうに使ってほしい」というメッセージを利用規定の中に明記してあります。
ICT機器を前向きに、主体的に使ってもらうことで、友達との有意義な連携・協働とか、協力し合うという喜びもわいてくるでしょうし、なによりもゼロから何かを創り出すという、楽しく胸躍る、ワクワクする作業を通じて、さらに大きく成長していってほしいと思っています。
福島先生今後は生徒一人ひとりのさらなる情報活用能力の向上をはじめ、高度な問題解決能力の修得など、世の中が求めているスキルを身につけてもらいたいですね。では、そのために何をするのかですが、たとえば本校では昨年度から、生徒会やマルチメディアサークルの生徒たちが中心となり、オンラインによる『荏原祭』(文化祭)を開催しており、2021年もすでに本校自慢のメディアコンテンツとして学校行事の核になっています。
また、今年度(1学期)実施した、授業参観日の完全オンライン化なども好評でした。そのようなことも踏まえて、今後は『学校情報化先進校』として、他校の模範になる学校にしていきたいと考えています。
福島先生キーワードは「社会貢献」です。たとえば、地域社会とのコラボレーションでいえば、近隣の商店街の広報活動に参画するのもいいですね。マルチメディアサークルはHPを作成することが上手ですから、集客にまつわる市場調査や商品開発、あるいは販売に関する貢献と絡めた企画提案も考えられます。また、「産学連携」も進めたいですね。本校の大きな特色の一つが伝統のスポーツですから、運動部に所属する生徒たちの競技におけるさまざまなデータを活用して、企業と一緒に何かを開発していけたら面白いとも思います。
福島先生そのとおりです。すでに具体的に動いているものとしては、運動部のデータ解析があります。たとえば、練習方法の分析から見えてくる大会の展望もあれば、逆に大会結果を分析することにより、練習の仕方を振り返ることもできます。このようなことは必然的に部の強化につながります。ただスポーツをするだけではなく、「トレーニングを科学する」ことにもなります。各大学でも今、スポーツサイエンス、データサイエンスといったこれまでにない学部・学科の新設も始まっています。運動部で培った経験に新たに科学的な知見を加えて、理系学部・学科への進学も盛んになってくることを期待しています。
萬田先生実は今日も、生徒たちがICT技術を駆使した『荏原祭2021』(笑顔満祭〜Be together as one〜)の期間中なのです。今年度はオフラインとオンライン併せた形でのハイブリッド型です。
タブレット端末を使って授業に参加する生徒の様子。授業はスピード重視の「進度」よりも、より深く学んでいくための「深度」を大切にしています。生徒一人ひとりの手にはタブレット端末が当たり前。学習管理、時間管理、そして「自分管理」へと使い方が向上していきます。
電子黒板を活用してクラスメートの前で発表する生徒。受け身の学びから情報を発信する学びへ変わっていくことで自信もついていきます。
オンライン授業参観の一場面。保護者へ授業、生徒の様子を配信しました。
こちらは軽音楽部のオン・ステージ。学年を越えて編成されたバンド仲間たちが、熱演でオンライン文化祭を盛り上げました。
オフライン×オンラインで開催された2021年の『荏原祭2021』(笑顔満祭〜Be together as one〜)。全国高校選手権大会で3位に輝いたチアリーディング部(BIGSTONES)のパフォーマンスもオンラインで中継されました。
総合司会も頼もしい生徒会執行部。注目のマルチメディアサークルと連携し、オンライン文化祭の陰の力となって汗を流しました。 この学校の掲載記事をピックアップしました。