理数探究課程は、放課後の部活動のような位置づけで活動しています。研究というものは、「最初にどこから情報を得るのか?」というところから自分の頭で考え、調べて、今あるデータからその先の仮定を推測して実験や観察に取り組むというように、思考をフル活動させる取り組みです。実際に研究活動を深めていくと、学力も向上すると言われています。
大学入学共通テストのような新しい受験方式では、過去問題を解く、演習を繰り返し行う、得た知識をアウトプットする、という力だけではなく、文章やデータを読み解いて解答するような問題が多いです。大学受験だけでなく、予測しにくいと言われるこの先の社会を生きていくためにも、正解のない問いに答えたり、初めて対峙する事柄に対して考察したりする、結論を導き出せるような力が必要です。それが理数探究課程で身につけてほしい力です。
理数探究課程には、理系の実験・観察だけでなく、数検や数学オリンピックに挑戦するための講義や英語の研究レポート・文献を読み解く力を養う講座もあります。理数探究課程では、2学期のはじめまで調べ学習やプレゼンテーションのスキルアップを練習してきたので、これからは本格的な探究活動に入ります。
今、予定している一つのテーマは、東京農業大学とも連携した研究で、自然界にある酵母を用いて、酒やパンを作ります。酒造りは東京農業大学の学生にも協力してもらう予定です。また、植物の生態系に関する研究テーマもあります。
コロナ禍で海外研修は難しくなってしまいましたが、オーストラリアへの修学旅行の前に、2週間、クイーンズランドの大学と連携した研修プログラムを予定していました。海外研修が難しい場合には、東京農業大学オホーツクキャンパスで、海洋生態系の研究をするプログラムも検討しています。
研究の集大成として、国際科学技術コンテストへの挑戦を目標としています。同コンテストにはポスター発表から地区予選、全国大会、世界大会までの道のりがあるので、ぜひとも日本の全国大会までは勝ち進みたいと思います。
理数探究課程で培う最大の能力は思考力です。それを基礎に、国公立大学や最難関大学に挑戦して、大学でも興味をもった研究を続けてほしいと考えています。