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フランス語が必修科目の
『国際教養コース』

駒込高等学校

〒113-0022
東京都文京区千駄木5-6-25

TEL:03-3828-4141

学校情報 学校HP

英語でフランス語を学ぶ

「Many French words are related to English.
 Read the hints and match the French words with the following English.
(多くのフランス語の単語は、英語に関係しています。では、ヒントを読んで、次の英語に合うフランス語を選びましょう)」

 カナダ出身のウォン先生が『国際教養コース』の高2生にこう述べました。これはフランス語の授業の様子。生徒はフランス語を日本語ではなく、英語で学んでいるのです。

 生徒の手元にあるプリントを見ると、動物のイラストが並び、その隣にヒントが記されています。たとえば、猫の問題のヒントはこうです。

"The English words is 'cat',which comes from Latin'cattis'.The French is almost the same as the English,but with one extra letter."

 意訳すると次のような意味になります。

「英単語の“cat”はラテン語の“cattis”に由来します。フランス語も英語の“cat”とほぼ同じスペルですが、一つだけ余分な文字が入っています」

 この問題の答えは「chat」。確かに「h」という文字が入っています。

『国際教養コース』が誕生したのは2016年のこと。グローバル社会に貢献するため、高度な英語力とともに論理的な思考力や多元的な視点、問題探求力を育てることを目的に開設されました。そのためほかの『理系先進コース』『特Sコース』『Sコース』と比べて英語の科目数が多く設定され、『現代世界論』や『日本文化概論』などこのコースならではの授業も用意されています。

 また、コース名が示すように、豊かな教養を身につけられるよう芸術科目が必修になっていることも特色です。高1で美術が、高2で音楽が、高3で美術が必修になっています。こうした教育の一環として、全員が第2外国語としてフランス語を週1時間、高1から高2まで2年間にわたって学ぶのです。

英語がツールであることを実感

副校長の角田淳先生 副校長の角田淳先生

 副校長の角田淳先生に、フランス語を導入した狙いについて伺いました。

「コース開設前、在校生に『もし、君たちが英語のほかに他言語を学ぶとしたら、どの国の言葉がいいですか?』というアンケートを取りました。すると上位を占めたのがフランス語だったのです。私たち教員の思いも同じでした。

 英語とフランス語は同じインド・ヨーロッパ語である故、フランス語の単語と英単語の綴りには類似性や相違性があります。どのような経緯でこれらが生まれたのか、まず、生徒に疑問や関心を抱いてもらいたかったことが狙いとしてあります。そして、2つの国の歴史にも目を向けてほしかったのです。

 イギリスは1066年、フランスにノルマンディー公国を築いていたノルマン人によって征服されました。これが『ノルマン・コンクエスト』です。以後、ノルマン人が現在のイギリス王室の祖となり、イギリスに住んでいたアングロサクソン人などを支配するようになりました。そしてノルマン人はアングロサクソン人らにフランス語を使わせようとしたのです。そのために現在のイギリスでも、ラテン語から生まれたフランス語と、アングロサクソン人が使っていた英語が混在しています。2つの言語の親和性の高さもここに理由があります。

 たとえば、化粧品やファッション、料理に関する英語にはフランス語が多く使われています。もともとイギリスにあった豚を表す英単語の『pig』がフランス語を話す貴族が食した豚肉になると、フランス語源の『pork』になるのはそのためです。同様に牛を表す英単語の『cow』は、牛肉になると 『beef』になります。『beef』もフランス語の『bœuf』に由来します」

 もう一つの狙いは、ほかのヨーロッパの言語を学ぶことで、英語が易しく感じられることにあると角田先生は話します。たとえばフランス語は名詞が男性名詞と女性名詞に分けられ、動詞の活用も不規則です。フランス語の構造は、英語のそれよりもはるかに複雑に映ります。その実感が生徒の英語に対する見方を改めさせ、またその力を高めるのです。

「また、このコースの卒業生が大学生になってフランス語を第2外国語として選択すれば、高校で2年間も習っている分、かなりアドバンテージがあるはずです。

 一方、大学の第2外国語には、ドイツ語やスペイン語、中国語などもあります。フランス語ではなく、これらの言語から一つを履修すれば、さらに言語の多様性に触れることができます」

 そして、この授業の最も大きな意義は、ネイティブ教員から英語でフランス語を学ぶことにあると角田先生は力説します。

「フランス語をマスターさせることが最終的な狙いであれば、日本人の教員が日本語でていねいに教えたほうが効果的かもしれません。しかし、『国際教養コース』の狙いは別にあります。生徒たちに英語を通すことによって視野を広げ、また、新しいことを学んでほしかったのです。

 将来、海外の人たちと力を合わせて諸問題を解決するうえで、なぜ英語が世界共通のコミュニケーションの手段として選ばれ、私たちは学んでいるのか、この授業を通して気づいてほしいと思っています」

3年間の集大成に『卒業論文』を

 フランス語の授業をはじめ、『国際教養コース』の授業には多くの発見や気づきがあり、知的好奇心が大きく刺激されます。たとえば、ネイティブ教員と日本人教員による『異文化理解』という授業では、時事英語を学び、そこで得た知識を活用してディベートを行います。先に紹介した『現代世界論』の授業では、テーマを基に探究活動に励み、協働性を養いながらプレゼンテーション能力を鍛えます。

 現在はコロナの影響で中止や延期になっていますが、高2の修学旅行では、全コースともシンガポール・マレーシアを訪れ、現地の高校生との交流を行います。一方で、高1では希望者対象にオーストラリアまたはニュージーランドへの3カ月間あるいは1年間の留学制度も用意。『国際教養コース』の生徒の大半が、この留学に参加するそうです。

 ほかにも同じく希望者対象のマルタ島短期留学やハワイセミナー短期語学研修があります。また、国内では2泊3日で坐禅や写経を行い、夜間に約30㎞の道のりを歩く回峰行を体験する『比叡山研修』も。ここで学んだ仏教の精神を、海外研修や留学で現地の人たちに伝えることもできるのです。

『国際教養コース』では、こうした貴重な授業や体験を通して得た知識、抱いた興味・関心を基にして高3で全員が『卒業論文』を執筆します。2020年度の第3期生の卒業論文集を紐解くと、次のような題名の論文が掲載されていました。

『AIを活用した高齢者の孤独死の防止とその意義』『日本史から学ぶ現代の貧困問題について』『教育と自己肯定感の関係性』『観光客獲得と美術品の関係』『マスクの将来性~日本と諸外国のマスク着用に対する意識の違い』など。

 どの論文も『国際教養コース』の教育の成果を物語っています。

カナダ出身のウォン先生による『国際教養コース』(高2)フランス語の授業。生徒はフランス語を日本語ではなく、英語で学んでいます。
生徒の手元にあるプリントを見ると、動物のイラストが並び、その隣にヒントが記され、フランス語で単語を記入していきます。
フランス語導入のもう一つの狙いは、ほかのヨーロッパの言語を学ぶことで、きっと英語が易しく感じられるのではというところにあります。生徒たちも楽しそうに授業に参加しています。
この授業の最も大きな意義は、ネイティブ教員から英語でフランス語を学ぶところにあるのです。

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