英語科主任/林大輔先生
ケビン・バト先生
クリストファー・ノエル・シールズ先生
バト先生と玄関の掃除をする生徒たち。
イギリスのティータイムを紹介するシールズ先生。
麗澤高等学校では、外国人6名の専任教員が順番に全学年・全クラスのショートホームルームを担当。そのほか掃除などの活動をともにして、生徒一人ひとりに寄り添っています。
「外国人教員の副担任制は、2021年4月からスタートしました。英語の学習は授業のなかだけで完結するものではありません。授業で習った英語を日常生活のなかで活かしてほしいという願いから、この制度が生まれました。
副担任制を導入してから、生徒がイキイキとした表情で外国人教員と会話している姿を校内のあちこちで見かけるようになりました。英語が伝わる喜びが生徒を笑顔にしています。また、本校の外国人教員の役割は、英語を教えるだけに留まりません。どの教員も海外での学びや経験をはじめ、文化的なバックグラウンドを基に人間教育にも力を注いでいます」
と語るのは、英語科主任の林大輔先生です。同校の教育のテーマは「世界で語れる『ことば』をもとう」。自分自身を知り、価値観の違いを認められるようになって初めてグローバル社会の一員になれる。そう考える同校では、将来、グローバル社会に貢献するために、世界の人々とのコミュニケーションを重要視。コミュニケーションツールとして英語を使いこなす力の育成に力を入れています。
そこで英語の授業を日本人教員と6名の外国人教員が担当。双方でアイディアを出し合いながら、質の高い授業をつくり上げています。とくに外国人教員の授業はクラスを2分割にした少人数制にして、生徒1人の発言回数を可能な限り多くする“全員参加型”の授業を実現しているのです。
こうしたベースの上に、この春から外国人教員の副担任制を導入。英語の4技能を養うとともに日常的に異文化に触れることで、グローバル感覚を磨く機会を増やしています。
今回、同校の外国人教員を代表して、2人の先生の授業を見学させてもらいました。1人はアメリカ出身のケビン・バト先生、もう1人はイギリス出身のクリストファー・ノエル・シールズ先生です。
この日、バト先生は『叡智スーパー特進コース』1年生のクラスの副担任を、シールズ先生は中高一貫生の中3のクラスの副担任を務めていました。両先生とも豊かな表情から、やさしい人柄が伝わってきます。
バト先生はカリフォルニアにある大学で英文学を専攻。大学時代はラグビーに打ち込んでいたといいます。母親が日系人で日本の文化に興味があり、英語の教員として来日し、前任の公立中学校では柔道も教えていたそうです。同校では高1の英語の授業を担当するほか、中学と高校のラグビー部で部員の指導にあたっています。
「外国人を前にすると、英語で話すことに抵抗を感じる生徒も多いと思います。そこで副担任としてまず、生徒に私という人間に興味をもってもらえるように心がけています。目標は『バト先生に思いきって話しかけてみたら、面白い話をたくさんしてくれた。もっと話しかけてみよう』と生徒に思ってもらうことです。授業でも、生徒が聞いていてワクワクするような内容をめざし、英語が難しいというハードルを生徒に超えてもらうように工夫を凝らしています」
そう語るバト先生は、この日、午後のショートホームルームで生徒に期末試験範囲の訂正について説明していました。
「連絡事項に関しては、生徒へ正確に情報が伝わるように、話す内容の順番や英語表現の仕方を毎回なるべく変えずに説明しています。絵を描いて視覚的に伝えたり、複雑な話題は日本語も交えたりしています」
ショートホームルームの後、バト先生は生徒ととともに玄関を掃除。バト先生もシールズ先生も掃除中は英語でコミュニケーションを図りながら、生徒と心の距離をさらに近づけているそうです。
「私もシールズ先生もチャレンジ精神を胸に抱いて日本に来ました。生徒にも多くのことにチャレンジして、貴重な体験を積み重ねてほしいと思っています。チャレンジの数ほど、人生は豊かになるからです」(バト先生)
シールズ先生はイギリスの大学で英文学を専攻していました。趣味は空手で、日本人の奥さんがいます。同校では高1の英語の授業を担当。また、バト先生と一緒に生徒にテーブルマナーを教えることもあります。さらに、イギリスで通っていた空手道場の隣が剣道場だったため、剣道にも興味をいだき、2学期からは剣道部で部員とともに稽古に励みたいそうです。
「授業では私たち教員が生徒の間違いを訂正しますが、剣道部の稽古の場なら、顧問の教員から私が間違いを指摘されることもあるでしょう。生徒はそんな私の姿を見て、『先生も間違えるんだな。だったら、自分も間違えを恐れず授業中にどんどん発言しよう』と思うはずです。そのためにも、生徒と授業以外に多くの体験を共有していきたいと考えています」(シールズ先生)
ショートホームルームでは、日本人が知らないイギリスの文化を数多く紹介するように努めています。
「たとえば、日本ではティータイムというと、きれいなカップとソーサーで優雅にお茶を飲むイメージがありますが、実際にイギリスでは苦くて濃いお茶をガブガブと飲む習慣もあります。ティーバックにも丸いものがあります。
こうした話をして、生徒に『イギリスをもっと知りたい』『イギリスに行ってみたい』『そのために英語をもっと勉強したい』と思ってもらいたいと考えています。生徒は可能性のかたまりです。しかも、本校ではチャレンジする機会に多く恵まれています。私は常に生徒を励まし、諦めない心がいかに大切かを伝え、彼らを大きく飛躍させたいと考えています」(シールズ先生)
外国人教員の熱意と愛情のこもった教育により、生徒の英語力はグローバル感覚や人間性とともに豊かに育まれていくのです。
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