進路指導部 部長
平川元喜先生
田島くんは部活動を最後までやりきって一般受験に挑戦した男子テニス部部長です。自分が大学受験を通して体現するものを後輩に示したいという熱い気持ちは十分に伝わってきましたし、卒業して母校に遊びに来てくれるだけで、後輩たちは刺激を受けると思います。
本校では卒業時に達成したい目標に合わせてコース設定をしています。田島くんが所属していた特別進学コースは主体的に学ぶ力を身につけ、国公立大学をはじめとする難関大学への合格を目指めざしています。進学コース、進学選抜コースにおいても、将来の人生設計を考えながら第一志望への合格を見つめたカリキュラムになっています。
学習面でハードな特別進学コースですが、クラブ活動との両立は可能です。ちなみに今年の男子テニス部の戦績は、インターハイ予選団体で5回戦まで勝ち上がり、東京都でベスト32に入りました。
本校の教育目標は文「部」両道です。部活動と両立させている生徒が多いので、進路関係の行事も部活動と重ならないように企画しています。たとえば高1では大学の模擬授業を受講しますが、これは校内で20〜30の模擬授業を開講するものです。
高1の3学期には大学進学を視野に入れた講演会を行います。社会で活躍する方々に、大学選びから大学で学ぶ意義について語っていただきます。高2の3学期、終業式の日には、その春の卒業生が受験体験を語ります。
コロナ禍のもと、変容する大学受験の影響もあり、大学受験を長引かせたくないという受験生の気持ちを感じています。大学入学共通テストがスタートして年を重ねるごとに、難易度も上がってくると思います。そこに不安を感じる人もいるでしょう。本校ではそのような不安を感じないように、一般選抜や総合型選抜での受験も視野に入れて情報提供や指導を行っています。総合型選抜の面接練習会も、本校の教員だけでなく、大学の方にも来ていただいて規模を拡大しています。
進路指導部が大切にしているのは、大学の名前だけで進路を決めるのではなく、大学卒業後のことまで考えて進路選択をすることです。ただ名前を知っている大学だから、という選び方をすると、大学に入ってから想定していたものとの違いを感じて苦労することが多いようです。
「就職までしっかりと面倒を見ます」という大学であっても、高校のようにホームルーム教室があってクラス担任がいて、ともに切磋琢磨するクラスメートがいる、というような密接な人間関係はありません。支え合い、一緒に壁を乗り越える仲間がいる高校時代の人間関係と、大学での人間関係は少し違います。
だからこそ、高校のときに自分を見つめ、進路について悩み、考え抜いて進路選択をしてほしいと思います。本校の進路指導は、そんな生徒の多様な可能性を探すために、多角的な視点からサポートを行っています。
進路指導室にて。平川先生と田島さん。
「在学中、平川先生のことを厳しい先生だと思っていましたが、
卒業してみるとどれだけ自分たちのことを考えてくださっていたかがわかりました。また一緒にテニスがしたいです」(田島さん)