2021年度の体育祭が6月に駒沢オリンピック公園総合運動場で実施されました。2020年度はコロナ禍の影響で中止となり、2年生にとっては目黒学院での初めての体育祭、3年生にとっては最後の体育祭です。短い準備期間にも関わらず、感染症対策を徹底させ、人数を分散させるなどの工夫を凝らして体育祭実現に尽力したのは、スポーツ実行委員会です。困難があったからこそ得るものが大きかったと笑顔を見せる委員長・澤田瑞希さんと副委員長の笠原美優さんが、2021年度の体育祭を語ってくれました。
2021年度の体育祭が6月に駒沢オリンピック公園総合運動場で実施されました。2020年度はコロナ禍の影響で中止となり、2年生にとっては目黒学院での初めての体育祭、3年生にとっては最後の体育祭です。短い準備期間にも関わらず、感染症対策を徹底させ、人数を分散させるなどの工夫を凝らして体育祭実現に尽力したのは、スポーツ実行委員会です。困難があったからこそ得るものが大きかったと笑顔を見せる委員長・澤田瑞希さんと副委員長の笠原美優さんが、2021年度の体育祭を語ってくれました。
事前のストレッチも十分に。
みんなの気持ちが一つになった大玉転がし。
部活動対抗リレー、運動部は「ガチで」走りました。
一番盛り上がった棒引き。観客も盛り上がりました。
熱中症対策のために、徒競走などはマスクを外してもいいという決まりを作りました。
1日目、2日目の点数を合算して、優勝したのは赤チームでした。
友達に支えられながら競う「イカダ流し」。バケツリレーの人間版です。
目黒学院高等学校の体育祭やスポーツフェスティバルを運営するスポーツ実行委員は、各クラスから2名以上選出された執行委員を含めた約70人の組織です。2020年度のスポーツ系の行事は6月に予定されていた体育祭が中止となり、11月の球技大会のみの開催でした。
体育祭の実施は6月2日・3日の2日間。もともとは1日で実施するはずでしたが、会場となる駒沢オリンピック公園総合運動場から分散開催の申し入れを受けての実施です。
「今年は直前で緊急事態宣言が延期となり、駒沢オリンピック公園総合運動場の人数制限もありましたので、決定していたことを直前に検討し直す必要がありました。私たち3年にとっては最後の体育祭なので、中止という選択肢はありませんでした。結局、1年生、2年生が1日目、3年生が2日目に行うことになりましたが、体育祭を開催できただけでもうれしかったです」(澤田さん)
「私は中学のときに体育祭実行委員を経験していたので、高校生になっても体育祭に関わりたいと思っていました。でも、1年生のときの体育祭は中止になってしまいました。2年生になって、体育祭がまた中止になるかもしれないという事態になったとき、みんなに『体育祭はできるの?』と聞かれて、対応することが辛かったです。そうした経緯があった分、スポーツ実行副委員長として挨拶できたときは、とても緊張しましたが感無量でした」(笠原さん)
二人のiPadには、当日のスケジュールをはじめ、生徒を誘導する委員の表や、各競技の入場方法、道具の置き場所など、細かく定められた指示書がありました。
2日間のスケジュールは、午前中にほぼ競技を終わらせて、昼食を取って閉会式となります。3学年を赤・青・緑の3チームに分けて、2日間の点数を合算して優勝を決めることにしました。
「1日目は朝早くから委員が集まって準備を始めたのですが、途中で予定よりも大幅に時間がオーバーした競技があって、その場で点数をつけないなどの対処をしなければなりませんでした」(笠原さん)。
笠原さんにとっては初めての体育祭。実行委員がアイデアを出し合って乗り切りました。
「私は2日目の開会の挨拶をしました。感染対策をしっかりすることに加えて、何よりもみんなで楽しもうという話をしました」と話す澤田さん。3年生だけの2日目は、思っていた以上に盛り上がったそうです。
二人が「楽しかった」と声をそろえた競技は棒引きです。
「棒引きは、スタートの合図とともに、目の前にある棒を自分の陣地に引き入れる競技です。男女関係なくすごい迫力でした」(澤田さん)
「人工芝の上で転がりながら棒を引き入れるのですが、見ている私たちもとても盛り上がりました」(笠原さん)
伝統競技は部活動対抗リレーです。目黒学院には全国大会出場常連のラグビー部や、都大会で活躍するサッカー部があります。そこで「本気で走る」運動部と、「楽しさで競うバラエティ部」の文化部に分かれてリレーを行いました。
「バラエティ部門では、吹奏楽部がマラカスなどの楽器を持ってリズムを取りながら走ったり、弓道部が弓を持っていたり、フライパンを持って走った部活もありました。
本気部門では、サッカー部が1位になりました。女子の本気部門の1位は女子バスケットボール部です。女子バスケは最近、力をつけて強くなってきました」(澤田さん)
「私はサッカー部のマネージャーを務めているのですが、本気部門でしかも男子ばかりの部活動対抗リレーで走ることになりました。でも、最初はみんながでんぐり返しをして私にハンデをつけてくれて、そのあともサッカー部員が1列になって私を応援するように走ってくれて、感動しました」(笠原さん)
人数を分散して実施した体育祭とはいえ、全校生徒の気持ちは一つ。2日間ともに盛り上がり、大切な思い出となりました。
私は運動するのが好きなのですが、運動部に所属していたのは中学生まで。将来、法学部に進学したいので、高校では最後に実行委員長としてスポーツに関わりました。
法律やルールはどんな場面でも必要です。体育祭のルールは自分たちで決めることばかりではなかったけれど、周囲の意見を取り入れつつ、全校生徒が嫌な思いをすることなく、どれだけ楽しんでもらえるかを一番に考えました。今回の体育祭は、周囲の人のことを考える経験を、また一つ積み重ねることのできた行事でした。
初めての体育祭は緊張とともに始まりました。1日目に挨拶したときは、集まった1年生、2年生の人数がとても多く見えて、緊張はさらに高まりました。
実行委員として大切なのは、スケジュール管理です。委員が招集の役目を忘れてしまわないように、常に気を配るのが副委員長の役割でした。このような経験を通して、どんなときも周りを見渡すことの大切さを実感しました。
部活動対抗リレーで1位になったサッカー部は、従来のインターハイ予選敗退常連校から抜け出し、今年は順調に勝ち上がっています。6月からリーグ戦が始まるので、私もマネージャーとして一生懸命サポートしたいと思います(取材は6月中旬)。
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