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日本で唯一の美術大学の付属校
女子美術大学芸術学部長が語る
女子美の魅力とは?

美術学科(5専攻)、デザイン・工芸学科(4専攻)、アート・デザイン表現学科(4領域)から成る「女子美術大学芸術学部」と「同短期大学部」の説明会が開催されました。
女子美術大学付属高等学校

〒166-8538
東京都杉並区和田1-49-8

TEL:03-5340-4541

学校情報 学校HP

 5月中旬の土曜日、進路指導企画の一環として、高2・高3を対象に『女子美術大学説明会』が校内で開催されました。体育館で行われた全体説明会のなかで、女子美術大学を代表してあいさつを行ったのは、芸術学部長の松本博子先生です。中学、高校、大学と、一貫して女子美で学んだ“生粋の女子美生”でもある松本先生に、女子美術大学の魅力を語っていただきました。

母として、父として
学生一人ひとりに寄り添う先生方のこだわり

松本 博子 先生 松本 博子 先生
女子美術大学芸術学部長。(2021年5月取材時点)中・高・大と女子美で10年学んだ、自称「女子美好き」な先生です。

――まずは女子美術大学における学生と先生方の距離感についてお聞かせください。

松本先生大学とは、そもそも学問だけを教えるのではなく、文部科学省も「大学教育の基本的特性として、将来の全人格的な発展の基礎を培うためのもの」と示されているとおり、学生一人ひとりの人間形成をも担う教育機関です。女子美術大学では特にこの点を重要して取り組んでいます。

 作品制作でもそうですが、学生と教員が接する時間は、とても長いものです。そのなかで、「友達とうまくいかない」とか、「一人暮らしをしていて不安なことがある」とか、日常のちょっとしたことにも寄り添い、親身になって話を聞く機会はとても多いです。

――女子美術大学の教育は、まさに“きめ細かさ”が大きな特徴なのですね。

松本先生そのとおりです。きめ細かさと言いますと、手取り足取り技術を教えるということもありますが、一人ひとりの気持ちにも向き合う、そういったことのためにどのような声掛けをしたらいいのか、また、必要とされるときの距離感など、常に意識して学生たちと接しているのです。

女子美生は総じて“強く”しかも“生き残っていく”という実感

――女子美術大学付属高校の生徒たちに聞くと、高校進学時にはすでに「大学も女子美へ」と、自らの進路を描いている生徒がとても多いことに気がつきます。

松本先生そうでしょうね。実は私も、中・高・大と女子美です。男子がいないので、気がねなく学校生活が送れるところも魅力でした。友達同士の語らいも本当にざっくばらんですから、当然ながらぶつかり合うこともあります。だからといってそれが悪いことではなく、そこで強固な人間関係ができると思うのです。

――女子校としての魅力がたっぷり詰まっているのですね。

松本先生女子美術大学の“付属”だからという、ストレートな道筋を考えて入学してくる生徒ももちろん多いですが、さらに「女子だけでがんばれる」というところに魅力を感じて入学してくる生徒も少なくありません。やはり女子だけだとリラックスできますし、自分らしくいることができる、自分らしさが醸成されるということですね。「女子だけの10年」というと驚かれる方もいると思いますが、いわゆる“強い自分”をつくるには、とても有効だと思っています。

――“強い自分”とはユニークな表現ですね。

松本先生女子美の卒業生はいろいろなところにおりますが、総じて強いです。「強い」といっても、別に男性に対して強いということではなく、芯が強い、もっというと生き残るための強い力が備わっていると思っています。私は中高時代の友人たち、あるいは大学時代の仲間や教え子たちを通して女子美生を数多く見ていますが、企業の中でもわりと生き残っているのが女子美出身者という事実は誇りでもあります。

――女子美術大学で指導される先生方のなかにも、女子美出身者は多いのですか?

松本先生多いかといえばそれほど多くはありませんが、自分たちのスキルを学生に教え込むというよりは、その学生を育てるという意味で熱心な教員が多いですね。卒業生仲間の教員同士の結束力も固く、意思が通じるところも特色です。これは大学内だけに限った話ではありませんが、話をしていて「ひょっとして女子美の出身?」と聞くと、そうだったりします。女子美カラーのようなもの、女子美の匂いというものが確かにあると私は思っています。

“カワイイ”をわかっている女子美生はやっぱり“強い”

――般企業に入っても、女子美生としての活躍ぶりといいますか、他大学の出身者とはどこか異なる、キラリと光るような活躍の場面がたくさんありそうですね。

松本先生大学で自ら望んだ美術教育を受けていること、また、その教育の中でも、とりわけ“足枷を作らない教育”というものを、どの専攻でも意識して取り組んでいるからだと思います。企業の中で、ある条件に対してもかなり“跳躍した回答”が、女子美出身者から出てくることも珍しくないと聞いています。

――「跳躍した回答」とは、どのようなものでしょうか。

松本先生例えば、今の時代はイノベーションが求められます。つまり、既成概念にとらわれない発想や提案ができるかということが、その人の価値でもあるのです。周囲と同じ考え、みんなと同じ意見で良しとすることは、女子美では逆に没個性ととらえられる場面もあります。

 私たちはそのあたりをとりわけ強く意識しており、目の前にいる学生の個性をつぶさないように、むしろ伸ばすようにしながら教育しているところがあります。これから高校受験に臨もうとしている美術好きな女子中学生たちに、ぜひ理解していただきたい点でもあります。

 就職先として最近とくに学生から人気があるのは、玩具やキャラクター系のデザインで、単にキャラクターを生み出すだけではなく、どういうふうな商品に展開すれば大ヒットにつながるかと、それが提案できるところが強みになっています。

――玩具やキャラクターの「カワイイ」というイメージを発展させる視点を備えているということでしょうか。

松本先生女子美の学生は、「カワイイってどういうことか」がよくわかっています。“カワイイ”の発展形として、「より面白いもの」「より変わっているもの」というふうにつながっていきます。“変わっている”までいくと、それはもう強烈な個性です。女子美の学生が“カワイイ”を発展させる感覚に優れているのも、先ほど述べたように、つくりあげられた“強い自分”を持っているからです。

自ら能動的に学ぶ姿勢を貫いてこそ満開になる女子美の魅力

――松本先生が学生たちと接するなかで、「ひょっとしてこの学生は付属校出身かな?」と思うことはありますか?

松本先生最初からだいたいわかります。なぜかといいますと、入学当初からリラックスしていて、教員と距離をとらない学生はほとんど付属出身者だからです。でも、そんな付属生が大学にいてくれることで、クラス全体が活性化するのです。ですから良い意味で、「付属生たちは大学の校風をつくっている」と言えます。

――まさに付属生特有の才能が大学で開花するわけですね。

松本先生そうですね。その才能をどうやって伸ばすことかできるかということですね。大学は一つの専攻に入ったからといっても、その分野の学びだけで終始するわけではなく、他分野の先生方にアイデアを聞いてもらったり、指導してもらえるという点でも有意義な場所です。したがって、どんどんポジティブに動いていくことが大切で、「自分の得意とは何なのか」を見つけ出し、それを自分の力で伸ばしていくのが、女子美術大学で学ぶ大学生の在り方であると思っています。

――女子美術大学へ進学するにあたり、意識して取り組んでもらいたい姿勢はどのようなものですか?

松本先生能動的に動くことを、大学生として身につけてもらいたいですね。中学や高校までの学びは、どちらかといえば与えられた学びだからです。でもそれが悪いと言っているわけではなく、スキルも十分に身につけてもらうことも重要ですので、あくまでも高校まではそれでいいという話です。逆にいうと、大学からの能動的な学びは、自分から獲得する学びでなければいけないのです。

――中学生が高校進学からその先の学びを考えていくうえで、非常に興味深いお話です。

松本先生女子美術大学付属高校も今、発展的な勉強の仕方を教えています。大学ではコンペの場面が数多くあったり、産官学連携で取り組むさまざまなプロジェクトもたくさんあったりします。

 地域の人々との交流、社会人と有意義な交流をすることによって、得られる学びはとても大きいのです。それこそが社会に出る前の助走段階としての学びであり、自ら能動的に動かなければ獲得できない学びでもあるのです。もっと言うと能動的な学びとは、これからの時代を生きるすべての社会人にとって必要になる姿勢と言えるでしょう。

――最後に、受験生に向けてメッセージをお願いします。

松本先生女子美は皆さんが持っている隠れた才能を見つけ出し、伸ばす学校です。それは高校でも大学でも同じです。ですから私たちも決して押さえつけませんし、むしろどうやったらこの子は伸びるかなと、考えながら教えているのです。自分の中の可能性を感じている人、逆に自信がない人も、ぜひ女子美に来てください。

――ありがとうございました。

体育館での前提説明会の後、各教室で開催された個別説明会の様子。
付属生のために毎年、付属校舎において女子美術大学芸術学部と短期大学部の説明が行われます。

進路部の先生に聞きました!

美術系へ90%が進学する
女子美の進路指導とは

主幹教諭 美術科 進路部主任/中村幸喜先生

「近年の進路傾向として、平均90%前後の生徒が、女子美術大学やほかの美術大学へ進学しています。女子美術大学付属高等学校から女子美術大学へは特別な推薦制度があり、進学率は例年70%以上です。一方、2020年度は東京藝術大学に現役で2名合格し、そのうち1名が最難関といわれる美術学部デザイン科に現役合格を果たしています。女子美以外の美大に進学者が複数いるのは、女子美の専攻の中に自分のやりたい分野がなかったからで、そのような生徒に対しては、『〇〇大学にこういうところもあるから見てみたら?』というような話をしています。

 本校は3年前より、『絵画コース』『デザインコース』に加えて、新たに『工芸・立体コース』が加わり、大学進学に際してより専門性を深めていくことができる学習環境が再整備されました。高校進学の段階から選択肢を明確に提示することで、大学進学からその先のキャリアビジョンも描きやすくなっています。一人ひとりの輝かしい未来に向けて、これからもしっかりとサポートしてまいります」(主幹教諭 美術科 進路部主任/中村幸喜先生)

2020年度 卒業生205名の進路

女子美術大学関係進学内訳

女子美術大学芸術学部
●美術学科
洋画専攻 21
日本画専攻 5
立体アート専攻 10
芸術文化専攻 4
●デザイン・工芸学科
ヴィジュアルデザイン専攻 14
プロダクトデザイン専攻 21
環境デザイン専攻 12
工芸専攻 14
●アート・デザイン表現学科
メディア表現領域 17
ヒーリング表現領域 9
ファッションテキスタイル領域 13
アートプロデュース表現領域 9
4年制合計 149名
女子美術大学短期大学部(2年制)
●造形学科
芸術コース 1
デザインコース 1
2年制合計 2名
総合計 151名

その他の進学内訳

※( )内は過年度生

東京藝術大学 2(1)
東京学芸大学 1
京都芸術大学 2(1)
武蔵野美術大学 6(2)
多摩美術大学 8
東京造形大学 1
横浜美術大学 2
日本大学芸術学部 1(1)
杉野服飾大学 1
國學院大学 1
亜細亜大学 1
日本映画大学 1
白百合女子大学 1
東洋学園大学 1
杏林大学 1
帝京大学 1
武蔵野音楽大学 1

昭和女子大学

1

文化学園大学

1

同志社大学

1

東京工芸大学

1

専門学校他

5

合計

41名(5名)

学校情報

女子校
女子美術大学付属高等学校

〒166-8538
東京都杉並区和田1-49-8

TEL:03-5340-4541

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