「私たち教員には、『学び続ける意欲と能力』を養って生徒を卒業させたいという思いがありました。これまでの知識詰め込み型の学習では、曖昧で不確定な時代を生き抜くことはできないからです。
そこで本校が新しい一歩を踏み出すにあたり、「学び続けるLEARNERSを育てる」をスローガンに掲げ、『自己調整学習』ができる生徒を育成することを目標にしました。『自己調整能力』が養われれば、自分で目標を定め、その達成に向けて学習計画を組んで学ぶことができます。そして、その計画通りに勉強ができたかを自分で振り返り、創意工夫を重ねて次の学習をさらに有意義なものにできるのです。
この『自己調整学習』の定着によって、「学び続けるLEARNERS」を育て、大学や大学院を卒業し社会に出た後も、新しい知識やスキルを身につけられる人財を本校から送り出したいと考えています」(村上先生)
こうしたPDSサイクルを循環させるために、同校は定期テストを廃止。2~3週間ごとに行う『学習定着確認テスト(小テスト)』を数多く実施しています。
「学習定着確認テストが行われるのは、2週間から3週間に1度。期間が短いので振り返りがしやすく、覚えたことを整理してテストで表現しやすい量が出題されます。これにより、量が覚えきれず一夜漬けになったり、試験が近づくと『この科目は捨てて、この科目だけ勉強しよう』と考えたりすることを防ぐことができます。また、一生懸命に勉強して覚えたことも、定期試験が終われば忘れてしまうというようなことも防ぐことができます。
さらに、定期テストの前はクラブ活動が休みになりますが、学習定着確認テストの場合は休みになりません。そのため部活動との両立がしやすくなり、生徒の学びたいという気持ちや勉強と部活動の両立を果たしたいという思いをかなえることもできるのです。テスト休みもないため、学校生活が途切れず、毎日にリズムが生まれて自律的に学ぶ姿勢がさらに身についていきます。一度失敗しても、次の学習定着確認テストがすぐに行われるので、挽回できるのです。その上、授業時間の確保もしやすいので、新型コロナウイルスのため遅れてしまった授業も取り戻すことができました。
『定期テストと違い、生徒は学習定着確認テストに向けて毎日コツコツと自宅で勉強するようになります。その姿を目にした保護者の方々からは高い評価をいただいています』」(三本先生)