東星学園小学校 ひこうき大会~紙ひこうきと生きる力~
ひこうき大会~紙ひこうきと生きる力~
東星学園小学校では、6月に児童会主催の「ひこうき大会」が開かれます。「ひこうき大会」は東星学園小学校では今年43回目を迎える、子どもも保護者も参加する人気の行事です。
折り紙ひこうきの部と切り紙ひこうきの部(距離と滞空)があり、カタパルト(ひこうきを飛ばすための道具)を使って飛ばす切り紙ひこうきの部では、1分30秒以上飛ばす大人もいます。
子ども達が作った切り紙ひこうきは、最初はなかなかうまく飛ばず、ひこうきを飛ばしているのか、飛ばしたひこうきを取りに走っているのか、分からないものもあります。
大会前、子どもたちは休み時間になると紙ひこうきを手に外に出て練習します。風向きや、飛ばす角度など、子どもたちそれぞれが飛ばすコツをつかみ、一緒に飛ばしている友達とその知識を共有します。「下に飛ぶ時は尾翼を上げて上に急にヒュンって上がるときは尾翼を下げるんだよ」「尾翼に角度をつけると旋回するんだよ」と高学年の子どもは低学年の子どもに生き生きとした表情で教え、低学年の子供はキラキラした目で聞き入っています。遊びのなかで子ども同士が共に学び、共に成長していく姿がそこにあります。
低学年ではひこうき制作に未熟だった子も高学年になると、保護者や先生の作ったものと同じようによく飛ぶひこうきを作る子が何人もでてきます。先生や友達と相談しながら、工夫を重ねることが子どもたちを大きく成長させます。
よく飛ぶように調整することが、揚力と抗力といった航空力学などに結びつくことは、子ども達自身はまだ分かりません。しかし主翼や尾翼を調整することで、ひこうきが飛ぶようになるということは、何度もひこうきを飛ばす中で体得します。このような体験が感性を育み創造力の基礎を形作ります。
一般に現代の子どもは、創意工夫が苦手です。例えば、ゲーム機などがあれば楽しく遊べるけれど、何もないところから遊びを創造することは苦手です。しかし本来子どもとは、「柔軟な思考」と「既成概念にとらわれないアイディアの持ち主」であるはずです。東星学園小学校では、そのような、子ども達が本来持っている力を引き出したいと考えています。ひこうき大会もその目的をもって行っています。
夢中でひこうきを作っているとき、揚力・抗力といったことは、分からなくてもいいのです。けれども、ひこうきが上手に飛ばなかった時、うまくいかなかったことに疑問を持ち、新しいアイディアを試す。また失敗し考える。そうやって試行錯誤することが大切だと考えています。
子ども達が日々の生活の中で獲得する知識から、ある日「アイディア」として生まれる瞬間が必ずあります。子どもの時に沢山のことを感じ体験することによって、困難に出合ってもそれを乗り越える「生きる力」が身につくと私たちは信じています。
小学校受験新聞で東星学園小学校の紹介がご覧いただけます。
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