Oops! It appears that you have disabled your Javascript. In order for you to see this page as it is meant to appear, we ask that you please re-enable your Javascript!
LINEで送る

スクールポット中学受験版 - 首都圏版学校情報検索サイト スクールポット中学受験版 - 首都圏版学校情報検索サイト

ツイッター フェイスブック

私立中高進学通信

2023年1月号

キャリア教育の現場から

共立女子第二中学校

自分の軸を持つことで
“自立した女性”を育成

職場体験や高大連携プログラムを通して、人生100年時代を生き抜く
自立した女性の育成をめざす取り組みについて取材しました。
高大連携で行われるキャリア教育講座の様子。大学の就職進路課から企業研究や就職試験などについて説明を受けます。

高大連携で行われるキャリア教育講座。大学の就職進路課から企業研究や就職試験などについて説明を受けます。

進路指導部主任と英語科を担当する萩原有紀先生進路指導部主任・英語科
萩原有紀先生

 1886年(明治19年)に、女性の自主性と社会的自立を育成することを目的として創立された共立女子職業学校を母体とする同校。「誠実・勤勉・友愛」を校訓に、社会でそれぞれが活躍の場を見つけ、自分ならではの社会貢献ができる「人間力」を持つ女性の育成を行っています。

「本校では、“キャリア”を単なる“進学”や“就職”というだけでなく、“生き方そのもの”であると捉えています。そのため本校では、進路指導を“針路プログラム”と呼んでいます」

 こう話すのは、同校の進路指導部主任の萩原有紀先生です。女性は就職や結婚、出産、育児、介護などさまざまな場面で生き方が左右されることが多くありますが、その際に人生の進む道を指し示す“針”となるものがキャリア教育であると萩原先生は話します。

「本校では“自分軸”と呼んでいるのですが、中高時代を通じて“自分の針”をしっかり見つけるように指導しています。『自分の人生の主人公は自分』であり、『最終的に進む道を判断して選ぶのは自分』であることを自覚するように指導しています」

 男子がいない女子校であることも大きなメリットであると萩原先生は言います。

「委員会活動やクラブ活動、行事など、なんでも女子だけでやらなくてはいけないからこそ、生徒は自分らしさを自ずと出せるところがあると思います。そのなかで自分の大事にする部分に気づき、人間関係や学習を通して少しずつ自分軸を育んでいける点は、女子校ならではの良さだと考えています」

 そのために大事にしているのが、“内省”です。同校ではさまざまな行事の後に振り返りの時間を設けており、内省で気がついたことは、全生徒が持っている“共立手帳”に記録するようにしています。

「折に触れて気持ちや気づきを自分の言葉で書き留めていくことは、自己理解につながります。それが価値観の軸となって、自分らしさの発揮につながっていくと考えています。女子ならではの気づきや思い、自分らしさを大事にするのが本校のキャリア教育の根幹ですね」

 同校では中高で一貫したキャリア教育を行っており、中学段階では、3年生が行う職場体験を集大成にしています。

「中1では職業インタビューを行い、中2では社会人や企業人による講演会を開催しています。“キャリア”をテーマにしたパネルディスカッション・講演会などを通して、生徒たちに“人生のキャリア”についての理解を促すプログラムを行っています」

 中3の職場体験では、生徒が自分で選んだ職場に連絡をとるところから始まります。そこからすでに社会体験が始まっていると萩原先生は言います。

「2日間の職場体験に行った生徒たちは、『仕事って大変なんだ』ということを肌で感じると同時に、楽しさや喜びも体験してくるようです。2日間とはいえ、何らかの仕事を任されてそれを全うすることで、“仕事に対して責任を持つ”ことを意識するようになります。
 また生徒からは、『両親を見る目が変わった』という声をよく聞きます。社会の一端を知ることは、『お父さんやお母さんが自分たちのために毎日仕事をしてくれている』ことを改めて考える機会になるようです」

 職場体験の後には、プレゼン発表やポスターセッションが行われます。パネルディスカッションでは、後輩たちからの質疑応答に答えつつ自分たちの経験を後輩に伝えて、生徒たちが少しずつ社会を意識していけるようにプログラムを工夫していると萩原先生は話します。

「高校では、キャリア教育に進学がからんだ形になりますが、“自己理解”“自分への気づき”を大事にしているところは変わりません。“学問理解”や“広く社会を知る”という点を加えて、さまざまなガイダンスを行っています。大学進学に向けて自分のキャリアを見据える目を養っていくことが高校ではポイントになります」

 高校では、大学との「高大連携」も積極的に行っています。大学による各学部の説明会に加えて、高3で大学の授業を受けられる“KWU高大連携プログラム”も行われています。

「高3が大学の授業を受けて単位を取得すれば、大学入学後にその単位が認定されるというものです。今年も13名がプログラムに参加していますが、大学の授業を体験した生徒たちからは、『大学で学びたい気持ちが大きくなった』『モチベーションが上がった』という声をよく耳にします。実際に良い成績で単位を取得する生徒も多く、共立女子大学への進学を第一志望にする生徒に限られてしまうのですが、今後も積極的に取り組んでいく考えです」

 現在は、大学受験が終わった高3が合格体験談を後輩に語るプログラムを実施しています。先輩の成功体験からロールモデルをイメージしてもらうことが目的ですが、これをもう一歩進めて、卒業生が社会人となって働いてからの経験を語ってもらい、将来のビジョンを明確にする機会を生徒たちに提供したいと萩原先生は話します。

「そうすることによって、『有名な大学だから』という理由ではなく、『自分の人生設計に何が必要なのか』を考えて進路を選ぶ視点を持ってほしいと思っています。自分の軸をしっかり持って進路を選ぶことこそ、本校の建学の精神である『女性の自立と自活』を体現しつつ、人生100年時代を生き抜くための第一歩ではないでしょうか」

中3で行われる職場体験の様子を撮影している。
中3で行われる職場体験の様子を撮影している。
中3で行われる職場体験の様子を撮影している。

中3で行われる職場体験。2日間の体験は、仕事の“楽しさ”や“喜び”を学ぶ機会になるようです。

高大連携プログラムの一環として行われる「共立女子大キャンパス見学会」の様子を撮影している。
高大連携プログラムの一環として行われる「共立女子大キャンパス見学会」の様子を撮影している。現役大学生の卒業生によるトークライブも行われました。

高大連携プログラムの一環として行われる「共立女子大キャンパス見学会」。
現役大学生の卒業生によるトークライブも行われました。

同校の50周年記念式典で、「自分の原点は共立女子第二にある」と語った卒業生で直木賞作家の中島京子さん。この“原点”を育むことが「本校のキャリア教育」だと萩原先生は話します。同校の50周年記念式典で、「自分の原点は共立女子第二にある」と語った卒業生で直木賞作家の中島京子さん。この“原点”を育むことが「本校のキャリア教育」だと萩原先生は話します。
職場体験の事前学習講演会。社会人の講師を迎えて、“仕事”に対する知識や関心を深めつつ社会的な意義や貢献についても考えます。職場体験の事前学習講演会。社会人の講師を迎えて、“仕事”に対する知識や関心を深めつつ社会的な意義や貢献についても考えます。
進学通信 2023年1月号
紹介する学校
共学校 共学校   女子校 女子校   男子校 男子校
この号のトップに戻る 進学通信一覧を見る
ページトップ