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私立中高進学通信

2020年10月号

コロナに負けない!私学のアクション

東京女学館中学校

5月11日から全学年で
1日6時間のオンライン授業
学びを止めない取り組み

音楽の授業では、リコーダーのリモート演奏にチャレンジ。
生徒がそれぞれ自宅で撮影したリコーダーの演奏動画を、教員が編集して合奏の形に仕上げました。

3パターンの授業形態に
教員一丸となって取り組む

 コロナ禍のため休校となった2月末の時点で、新中1生、新高1生以外の在校生は、すでに1人1台iPadを使用する環境が整っていた同校。課題配布などには「Classi」(※1)を活用しており、生徒たちは十分オンラインツールに慣れていました。そこで、4月の間は、まず郵送によるプリント配布とClassiを組み合わせて課題を出し、できるところから随時、オンライン授業を開始することを決定しました。

 同校が考えたオンライン授業の方向性は「①リアルタイムで、生徒とつながる双方向の授業を実施」「②教員自作の動画やスタディサプリ(※2)などを使った動画を配信」「③Classiなどを活用した課題の配信」の3つでした。

 保護者への手紙で、Wi-Fi環境やプリンタの整備をお願いするのと並行して、準備が整った教科からオンライン授業へと切り替え、5月11日にはすべての学年で、1日6時間のオンライン授業が実施できるようになりました。

「若い先生たちは『チャットを使うとこんなことができます』など、ICTツールのさまざまな活用アイデアを、積極的に提案してくれました。自由な発想で授業を作成していくなかで、本校が一つ決めていたのは『授業の作成を個々の教員に一任しないこと』。教員全員で助け合って授業を作り上げていきました」

 と中学教頭の桑原明子先生は話します。その結果、「ベテラン教員が内容面の充実を図る」「若手教員が技術面を刷新する」というコラボレーションが生まれ、授業を充実させていくことができたそうです。

 まだiPadを所有していない新中1生、新高1生には、スマートフォンや自宅にある端末を活用するようにお願いし、学校に出勤している教員が電話で技術面のサポートを行いました。

※1 Classi…クラウド型学習アプリ。課題配布や生徒による学習記録、教員と生徒間でのコメントのやりとりなど、多彩な機能を備えています。

※2 スタディサプリ…中学生・高校生・大学受験生のための映像授業サービス。教科ごとに必要な単元の授業動画を選択して視聴することができます。

感染拡大防止のポスターを
生徒たちから公募

 休校中でも生徒の自発性を喚起し、コロナ禍にある社会について考える機会を作りたいと、4月の半ばに新型コロナウイルス拡大防止啓発のため、英文ポスターコンテストをオンラインで行いました。集まったポスターを教員が審査し、グランプリや優秀作品を選出。また、マレーシアやアメリカ、オーストラリアなどにある同校の提携校に励ましのメッセージとして、ポスターの画像を送りました。

「『効果的な英語のキャッチフレーズを考えて、ポスターを描いてみましょう』と呼びかけ、募集しました。コロナウイルスについて一生懸命調べ、真剣に考えてポスターを作ったこと。それを通して国際貢献ができたことで、生徒たちも社会とのつながりを感じられたと思います。
 登校が始まっていない新中1生もたくさん応募してくれました。まだ着たことがない制服姿の自分を描いたポスターには、胸が詰まる思いでした」

 オンライン授業の利点を今後も活かしたいと考え、登校再開後も授業で使ったパワーポイントなどの資料をオンラインで配信し続けています。これらは欠席した生徒へのサポートや、生徒たちの振り返り学習などに活用されています。

「オンライン授業などさまざまな手段を講じるなかで、学校教育そのものにもっと可能性があると知らされたような気がします。2021年度入試に関しても、海外から帰国できなかった生徒を対象に、オンラインでの帰国生入試を実施する予定です」

 品性を重んじ、女子の特性を活かしたリーダーシップ教育に力を入れてきた同校は、コロナ禍にあっても学びの可能性を大きく広げました。主体性を育てる学びへの取り組みは、常に継続されているのです。

コロナ対策事例1
生徒のポスターコンテストを
オンラインで開催
Classi上の募集要項と応募用の投稿フォルダ。閲覧数の多さが生徒たちの関心の高さを示しています。Classi上の募集要項と応募用の投稿フォルダ。閲覧数の多さが生徒たちの関心の高さを示しています。

 コロナウイルス感染症拡大防止啓発のための英文ポスターコンテストでは、有志の生徒たちが優れた作品をオンラインで提出しました。生徒たちはポスターの画像を、学校が用意したClassiのフォルダに投稿する仕組みです。教員の審査もオンライン上で行われ、グランプリ・準グランプリ・優秀作品賞・奨励賞に計5点の作品が選ばれました。

 自発性、積極性を重んじる同校の教育は、休校中でも存分に発揮されていました。部活動見学や部活動発表会を体験できない新中1生のために、各クラブの部長がそれぞれ1分間の紹介動画を作り、それを高校生のクラブ幹事会がまとめて配信する取り組みも行われました。

 こうした積極的な活動が、新入生をはじめとする多くの生徒に励ましを与えました。

グランプリグランプリ
準グランプリ準グランプリ
奨励賞奨励賞

グランプリは高2生の作品に決定。「見る人に怖い印象を与えないよう気をつけました」とのコメントがありました。奨励賞は「早く制服を着て学校に行きたいです」というコメントを添えた中1生の作品に決まりました。

コロナ対策事例2
登校再開後は
アクリル板で感染予防

 登校が再開してからは、授業中はアクリル板を使って、感染予防に努めています。登校時は、必ず洗面所でしっかり手を洗ったあと、サーマルカメラで体温チェックをしてから教室に入ることになっています。

コロナ対策事例3
実技科目も配信
オンラインで6時間授業を実施

 各教科の教員が工夫を凝らしたオンライン授業を展開しました。5月11日には中1~高3まで1日6時間のオンライン用の時間割が発表され、生徒たちは自宅でしっかりと学習することができました。

 双方向のオンライン授業には、セキュリティ面を考え、「Microsoft Teams」(※3)を採用。そのほかのツールもフル活用しながら進めていきました。

 実技科目なども授業動画を作成して配信し、なるべく教育内容を変えずに伝える工夫を凝らしています。高3選択の食物のオンライン授業では、教員による調理動画が配信され、これを見た生徒たちが家庭で同じメニューを作ることが課題として出されました。保護者からも「週に1度、ランチや夕飯を作ってもらえて助かる」と大好評だったそうです。

 これ以外にも、美術科ではデッサンの授業、音楽科では楽器演奏の授業などが行われました。

「クラスメートとも会えず、ずっと座って授業を受けるだけでは、生徒たちも疲れてしまいます。そのため、さまざまなタイプの授業をしようと意識して授業づくりをしていました」(広報室長/原敦子先生)

※3 Microsoft Teams…Microsoft 365でのチームコラボレーションのハブで、メールアドレス・スケジュール管理・チャット・オンライン通話・Web会議などのほか、ExcelやWordなどのMicrosoft Officeアプリとの連携など、多種多様な機能を備えています。ビジネス用として開発されたが、近年、学校内の課題配布や探究学習などにも活用されています。

大好評だった調理実習の動画。家庭科の教員が自宅のキッチンで収録した動画を、生徒が各家庭で閲覧しながら調理に取り組みました。大好評だった調理実習の動画。家庭科の教員が自宅のキッチンで収録した動画を、生徒が各家庭で閲覧しながら調理に取り組みました。
体育の授業では、各学年が体育大会で踊るダンスの振り付けを動画で配信。体育の授業では、各学年が体育大会で踊るダンスの振り付けを動画で配信。
中1の時間割の一部。スタディサプリ、Classiなどを活用した小テストもこまめに実施されました。中1の時間割の一部。スタディサプリ、Classiなどを活用した小テストもこまめに実施されました。
先生から一言
こうした状況下だからこそ
生徒一人ひとりの可能性を支える教育を
中学教頭・国語科/桑原明子先生中学教頭・国語科/桑原明子先生

 誰もが動揺する毎日を過ごす今の状況。こうした状況でも、自分のベストを尽くすことが大切なのではないでしょうか。とくにこれからの日本では、逆転の発想が求められます。生徒一人ひとりが持つ可能性を開花させたいと学校は考えていますので、ぜひみなさんの力を本校で十全に発揮していただきたいと思います。

進学通信 2020年10月号
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