 小泉 潤 校長
							小泉 潤 校長
						Profile
東京都出身。大学卒業後、学校法人創志学園の理科(生物)の教員として入職。新キャンパスの立ち上げや、さまざまなキャンパスの教育改革に貢献。教員向け「学習心理支援カウンセラー」の資格創設や、好きや得意を活かしたキャリア教育を展開した。2020年4月に同校教頭、2022年4月より現職。
 
			 小泉 潤 校長
							小泉 潤 校長
						東京都出身。大学卒業後、学校法人創志学園の理科(生物)の教員として入職。新キャンパスの立ち上げや、さまざまなキャンパスの教育改革に貢献。教員向け「学習心理支援カウンセラー」の資格創設や、好きや得意を活かしたキャリア教育を展開した。2020年4月に同校教頭、2022年4月より現職。
2026年4月の新校舎完成に向け、本校は大規模な工事のまっただ中にあります。2027年4月には体育館を含め、全ての施設が生まれ変わる予定です。正門をくぐると美しいイングリッシュガーデンも整備される計画です。私たちはこの新しい環境で、皆さんが心ゆくまで学び、成長できるような教育を提供していきます。
私が教員をめざしたきっかけは、幼少期からの「生き物が好き」という気持ちが発展したものです。市ヶ谷のお堀でハゼやザリガニ、テナガエビなどを捕まえて遊んだり、雑木林でカブトムシやクワガタを探したりと、自然のなかで生き物と触れ合うことが大好きでした。しかし、子どもの頃に大切な遊び場だった川が、護岸工事によりコンクリートで固められ、生き物がいなくなってしまった経験は衝撃でした。そうした経験から「川に多様な生物がいることを知ってほしい」「自然を守りたい」という強い思いが芽生えました。また、性格的に人に物事を教えるのが好きであったことが重なり、子どもたちに生き物について教える職に就くことを子どもながらに決意しました。
教員としてのキャリア形成のきっかけは、自分がそうであったように、生徒たちにも何か一つ得意なことを見つけ、それをキャリアに結び付けてほしいというものでした。そのような時、不登校生徒の問題と向き合うなかで「不登校は誰にでも起こりうる」という理解のもと、生徒たちに寄り添う教育を追求しました。今の子どもたちには「自信」をもたせることが何よりも大切であると考え、学習心理支援カウンセラーの資格を創設しました。「何か一つでも得意なことがあれば、それを伸ばせば自信になる」という信念のもと、個々の「好き」を徹底的に追求できる教育システムの構築に力を注ぎました。
本校においても、その思いに変わりはありません。私が特に注目したのは、この学校が伝統的に行ってきた「自由研究」です。これは現代でいう「探究学習」そのものでした。この素晴らしい伝統をさらに発展させ、生徒の将来に直結する学びへと進化させたものが「自主研究ゼミ」なのです。
「自主研究ゼミ」では、生徒がそれぞれ興味のあることを研究します。そしてその研究内容を「芸術」「科学」「社会」「人文」「家庭」の5つのカテゴリーに分類し、大学の学部・学科や将来の職業に結びつけられるようにしています。例えば、コミックの「『ONE PIECE』(ワンピース)が大好き」という生徒がいたとします。もし魅力的なキャラクターの表現方法を研究したいのであれば「芸術ゼミ」へ。ストーリー展開に興味があれば「人文ゼミ」へ。キャラクターグッズのマーケティング戦略を知りたいのであれば「社会ゼミ」へと、自分の“好き”を入り口に、本当に興味のあることを追求していけるのです。
「自主研究ゼミ」には本校教員のほかに、心強い味方がいます。それは連携先である大学の先生方です。共同研究という形で直接指導を受け、実験の構想や検証の重要性などを実践的に学ぶことができます。もし、途中でテーマの方向性が変わっても、ゼミを変更できる柔軟なシステムも設けています。生徒たちの本当にやりたいことが見つかったなら、方向転換は自然なこと。それを認め、応援する環境を大切にしています。
高校生のうちに「何者になりたいか」をきちんと見定められるキャリア教育が今、本当に求められていると思います。先ほどお話しした「自主研究ゼミ」の根底にあるのは、生徒一人ひとりの“得意なこと”を伸ばすという考えです。私は高校3年間を終えたその先、皆さんに大学進学をめざしてほしいのです。大学の4年間は「自分のためだけに使える自由な時間」です。自身の興味や得意なことをさらに追求し、将来に向けて自分の生き方をはっきりさせる期間は、かけがえのないものです。そのためには大学名ではなく、学部や学科で選ぶ、女性のさまざまなライフイベントに左右されない「職業」や「スキル」も見据えるといったキャリア教育が重要です。
本校のキャリア教育は、「360°キャリア探究」という考え方に基づいて進めていきます。これはあらゆる方向性の進路に対応し、皆さんの“やりたい”を形にするためのものです。理系・文系、音大や美大など、どんな進路にも対応できるよう、カリキュラムに柔軟性をもたせ、また選択授業も充実させて、それぞれの夢を全力でサポートしています。
このキャリア教育の成果として、進学率は継続的に向上しました。大学進学率は2024年度で87%と6年連続で上昇していますし、「総合型」「学校推薦型」の進学決定率は2年連続100%です。これは生徒が「自主研究ゼミ」を通して将来を明確に見据え、そのための具体的な学習を「360°キャリア探究」で実現した結果なのです。本校のこうした取り組みが評価され、2023年度に文部科学省の「キャリア教育優良教育委員会、学校及びPTA団体等文部科学大臣表彰」を受賞しています。
「360°キャリア探究」を支える取り組みとして、オリジナルの「表現プログラム」と「リーダーシッププログラム」があります。自分の目標や将来の夢を人に伝えるには、自己表現力が必要です。「表現プログラム」では、「ボイス」「トーク」「エッセイ」「ヴォーカル」「デザイン」「フォト」による6種類のクラスを設け、言葉・非言語の両面から表現方法を学べます。「リーダーシッププログラム」では話し合いの力や、他者と協働する力を高めていきます。
プログラムで身につけた力は、「自主研究ゼミ」の発表会や文化祭で発揮されます。自分に合った表現の仕方が見つかれば、自信をもって表現できますし、自己肯定感も高まります。他者の意見を尊重しながら自分の考えを発展させ、目標に向かう行動力も養われます。これらの積み重ねが大学入試の「総合型」「学校推薦型」において、自分の学びたいことをアピールし、その機会をつかむ力につながるのです。最近では校外の研究発表会にも積極的に参加し、活動の幅を広げています。
本校は今年度、高校のデジタル教育を強化する文部科学省の「DX ハイスクール」に採択されました。新校舎のスタートとともに情報や理数の新科目設置、AIや3Dプリンター、高性能のコンピュータを備えたラーニングセンターの開設を予定しています。今の社会と同じように高度なデジタル技術を活用できれば、「自主研究ゼミ」でより深い研究ができ、「360°キャリア探究」が充実することは間違いありません。キャリア教育とDXを融合させた、先進的な取り組みをめざしていきます。
本校がめざす生徒の姿に、受験生の皆さんは学校説明会で出会うことができます。本校では学校説明会を代々生徒たちが主体となり運営し、生徒たちが学校の仕組みや教育内容を伝えています。本校が大事にしている「自分だけの好きや得意を見つけ、とことん伸ばそう」という教育観を、生徒たちが自身の言葉で語る姿には説得力があります。
9月に学校説明会を追加開催した際には、修学旅行で不在の高2生に代わり、高3生が自主的に動いて学校説明会を運営してくれました。忙しい受験期にもかかわらず、後輩のために力を貸してくれた先輩たちの姿は私たち教員だけでなく、来校した受験生や保護者の方々にも深い感動を与えています。このような生徒たちの姿こそが、本校の教育が成功している証だと感じています。
私たちは皆さんに「好きを職業にしてみませんか?」と問いかけます。本校は高校時代に自分だけの“好き”を見つけ、それを将来につなげるための教育を提供しています。3年間でかけがえのない「自信」を育むことができれば、きっと自分らしい未来を切り拓くことができるでしょう。ぜひ説明会でその可能性を感じてみてください。
 新校舎完成イメージ
新校舎完成イメージ
							 
                            
                             
                            
                             水草にこだわって作られた美しい水槽。
                            水草にこだわって作られた美しい水槽。
                             交配し孵化させたへびの赤ちゃん。
                            交配し孵化させたへびの赤ちゃん。
                             ハリネズミを見る先生の眼差しはとても優しい。
                            ハリネズミを見る先生の眼差しはとても優しい。
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