高校時代、私は国公立大学をめざす「S特進クラス」で学んでいました。一般受験に臨む生徒が多いクラスのため、進路が決まる時期もほぼ一緒で“チーム戦”で受験に臨めた気がします。とはいえ友人と話すのは一息ついたりリラックスしたりしたい時なので、話す内容は他愛もないことでしたが、今思えばそれは大切な時間でした。
現在は「進学クラス」の担任をしています。推薦で進路が早く決まる生徒もいれば、最後まで一般受験に挑戦する生徒もいますから、だからこそ、お互いに思いやりをもって受験期を過ごせるように気を配っています。
高2の秋は進路選択が具体的になる時期です。一般受験に挑戦するのか、それ以外の受験を選ぶのか迷う時期でもあります。先日も一般受験か総合型選抜かで迷う生徒と面談をしたのですが、どちらを選ぶにしても対応できるように、基礎学力をつけておくようアドバイスをしました。
私が文学部を選んだのは、古典の先生の影響です。授業で語られた平安時代の様子はとても興味深く、民衆のなかで語り継がれてきた物語に興味をもちました。そのため大学の卒業論文は『御伽草子』をテーマにしました。男子はなかなか古典作品に興味をもってくれないのですが、私のように先生のおかげで高校時代に古典へ興味をもつ人間もいます。そうした興味・関心をかき立てる授業をするのが目標です。
私の祖母と父が京華商業の卒業生で、祖父は京華高校の出身です。実は京華の学校説明会に参加した際に初めて、家族に京華の卒業生がいることを知り、そこからお世話になった先生のこと、浦和グラウンドのこと、校舎のことなど色々話を聞きました。
卒業生教員がたくさんいる職員室は、常に扉が開いています。教員になって初めて、先生方がどんな苦労をされていたのかを実感しています。そこで言えるのは、生徒の話をとことん聞くのが京華高校だということ。“些細なことでも放置するのが一番いけない”という精神で、先生方は生徒と接してこられたのだと思います。長い歴史のなかで培われてきた京華の教育そのものが、私の“頼もしい先輩”です。
清野先生と國廣先生は、入試広報部主任の池本先生(写真右)が担任の生徒でした。
髙安先生は陸上部顧問としての池本先生にお世話になりました。