ベトナムとルワンダを訪れたのは、今年の3月です。ルワンダは東アフリカにある共和国で、高2の時、SDGsの授業でこの国の識字率が低いことを知って参加を決めました。また、子どもたちが学校に通えても文字の読み書きができないため、途中で学校をやめてしまう悪循環が起きています。そこで私は実際に現地へ赴き、識字率向上のために何かできないかと考えたのです。
                     このルワンダ研修の直前に『ベトナム研修』も行われます。この話を耳にした両親から『ベトナム研修』への参加も勧められ、私は2つの研修に参加することを決めました。
 
                     ルワンダの公用語は英語です。そこで、現地の幼稚園や小学校、中学校を訪れ、生徒たちとアルファベットの歌を歌いながら、一緒に紙に書いていこうと考えていました。また、他国の言語にも興味をもってほしいので、日本語の「あいうえお」も教えることにしました。 
 
                     そして、まず約1週間の『ベトナム研修』へと旅立ったのです。ベトナムではダナンやホーチミン市に行き、ルワンダでの予行演習としてベトナムの大学生に日本語を教えてみました。でも、ベトナムでは日本へ観光に来たがる人々が増えていることもあり、日本語に堪能な大学生が多かったのです。そこで、難しい漢字を教えることにしました。この時、大学生と一緒に作った漢字表は、今も大学に飾ってあるそうです。 
 
                     また、海洋ゴミを見たり、ベトナム戦争の傷跡を見学したり、枯葉剤の影響で結合双生児として産まれたドクさんの話を聞いたりしました。こうしてベトナムで多くのことを学んだ私は、帰国するとすぐにルワンダへ向かいました。 
 
                    『ルワンダ研修』の期間も約1週間です。ルワンダまで飛行機での移動は24時間かかります。かつてルワンダでは民族紛争により、多くの人々が虐殺されました。まず、私たちは虐殺記念館を訪れ、その後は青年海外協力隊の方々から活動の内容を聞きました。 
 
                     子どもたちにアルファベットや「あいうえお」を教えるという目的も達成できました。子どもたちは外国人の私をハグしてくれて、アルファベットを一生懸命に笑顔で覚えようとしてくれたのです。高校3年間で私はヨーロッパ、アジア、アフリカの3カ国を巡り、現地の人たちと交流しました。これは人生観を大きく変えた体験でした。 
 
                     この体験を糧にして、大学では途上国で障がいのある子どもに対しての人権問題を解決するための研究をしたいと考えています。青年海外協力隊の活動に携わることも視野に入れ、大学卒業後はJICAやNGOで働くか、あるいは聖徳学園の教員となって生徒に国際貢献の大切さを教えたいと思っています。