2022年3月まで佼成学園(男子校)で16年間にわたり校長を務めてきた榎並紳吉先生が、2023年4月より、佼成学園女子の校長に就任しました。男子校の対極とも言える初の女子校勤務となる榎並校長にお話を伺いました。
2022年3月まで佼成学園(男子校)で16年間にわたり校長を務めてきた榎並紳吉先生が、2023年4月より、佼成学園女子の校長に就任しました。男子校の対極とも言える初の女子校勤務となる榎並校長にお話を伺いました。
校長に就任して間もない頃から積極的に挨拶をしてくれるなど、コミュニケーションをしっかりとれる生徒が多いように思います。無邪気でにぎやかな雰囲気の男子校に比べると、女子校の生徒たちはとても真面目で、授業や勉強にコツコツ取り組む生徒が多い印象を受けます。その一方で、学校行事などを見ていると大変な盛り上がりようで、男子以上に積極性や遊び心を発揮している場面も見受けられます。
5月に開催された『スポーツフェスタ(体育祭)』は、生徒が主体となって企画・運営し、例えば玉入れの競技にダンスを取り入れたり、着ぐるみ姿で走る競技があったりと、競技一つひとつに女子ならではのユニークなルールを導入して楽しんでいますね。運動能力やスピードを競い合うよりも、みんなで和気あいあいと楽しむ和やかな雰囲気があります。また、教員を巻き込んで行う競技では、教員と生徒との距離の近さを感じました。私も生徒と手をつないで一緒に走る競技に参加し、歓迎されていることが実感できて、とてもうれしかったですね。
こうした行事を通して、生徒同士の絆はもちろん、教員と生徒との絆も強固なものになるのだと思います。11月には『乙女祭(学園祭)』が開催されるので、生徒たちの魅力を再発見できるのではないかと楽しみにしています。
第一に挙げられるのが英語です。習熟度別にオールイングリッシュの授業を展開しており、ネイティブ教員の質問にしっかりと英語で受け答えをしている生徒の姿には感心しました。男子校の佼成学園も英語に力を入れていますが、佼成学園女子のほうが一歩先を行っている印象です。本校には、男子校のほうでもぜひ取り組んでほしいと思うような、豊かな英語学習の環境が数多く用意されています。
英語の4技能を伸ばす授業を基本に、通常の授業でも英検を意識したプログラムが展開されています。ネイティブ教員を中心とする英会話授業のほか、ネイティブ教員と気軽に交流できる『グローバルセンター』もあります。また、国際コースの留学クラスでは、1クラス丸ごとが1年間のホームステイと現地でのフィールドワークを経験する『ニュージーランド長期留学』を実施しています。本校ではすでに20年前から、このような先進的な取り組みをスタートさせているのです。
年2回(6月と10月)実施する『英検まつり』では、全校をあげて英検対策に取り組みます。英検当日の朝の『スコレータイム(※)』では、全校生徒が30分間アプリケーションを使用して英単語と英熟語の暗記に挑戦する『英単チャレンジ』に取り組んでいます。こうした取り組みが成果を挙げ、本校では2020年から2022年の過去3年間で10名が1級を取得しており、全国の私立中高一貫校の中で英検受検率が最も高くなっています。
『英検まつり』では英単語のポイント数を競い合うのですが、個人戦のみならずクラス対抗の団体戦も行われています。英語力の向上はもちろんのこと、『スポーツフェスタ』や『乙女祭』などの学校行事と同様に、共感力や協働する力を育む機会にもなっています。このように本校では、一つひとつの体験が人間力の育成につながっているのです。
※学習をはじめ、プレゼンテーションの準備やグループワークの打ち合わせなど、学びを深める余暇の時間。
男子校・女子校の良さは、“異性の目を気にせず素のままの自分を出せるところ”にあります。自分を積極的に表現できる環境のなかで、主体性を大きく伸ばすことができるのです。女子校のそうした良さを活かした教育をブラッシュアップしていきながら、今後は男子校の佼成学園との交流の機会も増やしていくつもりです。例えば、佼成学園と佼成学園女子の文化祭の開催時期をずらして、お互いの文化祭のお手伝いをするとか、吹奏楽部が合同で定期演奏会を開くといった取り組みを考えています。
佼成学園には男子校・女子校がありますが、“円満な人格の完成”という建学の精神は共通しています。男女合同の取り組みは、男子校・女子校という異なる環境で身につけたお互いの良いところを活かしながら、男女が円満な関係を築いていく心を育む機会にしていきたいと思います。
佼成学園女子の生徒は、お世話になった人に「ありがとう」と感謝の気持ちを素直に表現でき、親切で思いやりがあります。 最寄りの千歳烏山駅でお年寄りの荷物を持ってあげたり、目的地まで付き添って道案内を務めたりしたことで、学校にお礼の連絡が届くこともあります。こうしたところも自慢できる点です。これからも、学力だけでなく人間力の育成も大切にする学校であり続けたいと思います。
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