Yさん(高1)先輩方に高校3年間でやっておいてよかったことを伺いたいのですが、まずはNCLですね。高1はプレゼンテーションをするのですが、先輩はどのようにテーマ決めをしていましたか?
Aさん(高3)私は好きなユーチューバーがLGBTQについて話しているのを視聴して興味をもち、テーマにしました。それで高1の時にLGBTQの人に対する差別について調べたのですが、高2で論文を書くには不十分だったので、LGBTQの人をサポートする制度や、差別をなくす取り組みをしている国と日本を比べてみることにしました。
Yさん(高1)どんな違いがあったのですか?
Aさん(高3)LGBTQのサポートが進んでいるスウェーデンでは、幼少期からLGBTQに関する教育が行われていることがわかりました。日本人はそうした教育を受けていないので、私たちはテレビやインターネットでその情報を得るしかなく、膨大な情報の中から正しい情報を見極めて、それが本当に正しいのかを自分で考えなければなりません。
一方、教育を受けているスウェーデンの子どもたちはLGBTQを否定しません。もしかしたらそうした点が国民の幸福度の高さ(※2022年の世界幸福度調査でスウェーデンは世界7位)につながっているのかな……と思いました。
Wさん(高3)私は犯罪加害者家族の人権問題をテーマにしました。犯罪被害者家族にはスポットを当てられることが多いのに、加害者家族がどうしているのかはあまり知られていないと思ったんです。そこで日本、イングランド、インドの3カ国を比較してみました。
Rさん(高1)難しいテーマですね。どんな人に話を聞いたのですか?
Wさん(高3)日本の弁護士の方にインタビューしました。インドのメンタルヘルスカウンセラーにもインタビューしたかったのですが、直接対面で話を聞くのは難しいので、アプリを使って文章でインタビューしました。
Yさん(高1)文章は英語ですか?
Wさん(高3)そうです。先生に手伝っていただいて英語の文面を作りました。結果、日本とインドは加害者家族のサポート体制は進んでいなくて、イングランドは支援が進んでいることわかりました。
Rさん(高1)それはどうしてでしょうか?
Wさん(高3)人口問題と国民の思想が関係しているのでは? というのが私の考えです。インドは人口が爆発的に増加しているので、そこまで手が回らない印象でした。イングランドに犯罪加害者の支援体制があるのは、個人主義が影響しているようです。罪を犯した人間とその家族は“別の人間”だからという考えなのではないかと思います。
Yさん(高1)私は興味・関心のある対象が多すぎて悩んでいます。どうやってテーマを選んだらいいのでしょうか?
Wさん(高3)私の場合、実はこのテーマに全く興味がなかったんです。グループでテーマ決めをしていた当初は「LGBTQにしようかな」と思っていたのですが、テーマに選んだ人の数が多かったんです。それで同じ人権問題として刑期を終えて出所した人への差別について調べていくうちに、「犯罪加害者」というワードを見つけたんです。たくさんのことに興味があるなら、自分の知らないこととか、興味のないことでもチャレンジしてみるのが一つの方法かも。
Aさん(高3)私は好きなユーチューバーがきっかけでLGBTQの問題を知ったので、自分の好きなことや夢中になれることを“深掘り”する方法もあります。フタを開けてみたら知らなかった問題もたくさんあると思う。