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学びを深める楽しさを求めて
1年間かけて独自テーマと向き合う
『Presentation Day~知の発展~』

佼成学園女子高等学校

〒157-0064
東京都世田谷区給田2-1-1

TEL:03-3300-2351

学校情報 学校HP

 1人1台のiPadを手に、自分の興味・関心あるテーマと日々楽しく、やりがいをもって学んでいるのが佼成学園女子の「探究」の世界。高2生が1年間かけて取り組んだ学びの成果を、全校生徒に向けて発信する注目のイベント『Presentation Day~知の発展~』を取材しました。

1年間かけて学んだことを
自分の言葉でアウトプット

お話を伺った二木先生。先生自身もゼミ『メタバースの不思議な世界』を主宰しています。 お話を伺った二木先生。先生自身もゼミ『メタバースの不思議な世界』を主宰しています。

 今回紹介する『Presentation Day~知の発展~』は、『スポーツフェスタ』(SF)、『乙女祭』(文化祭)と並ぶ、佼成学園女子の主要イベントとして位置づけられている注目のプログラムです。

「本校ではワンランク上の『総合的な探究の時間』(高2対象)をめざして、生徒一人ひとりの興味・関心に合わせた調査・論文作成を、1年間という長い時間をかけて行っています。学年末に開催される『Presentation Day~知の発展~』は、まさに1年間の集大成となる発表の場でもあります」(教務部長/二木宏明先生)

 自ら問いを設定し、論理的に探究する課題研究の成果を、学校全体で共有することが本プログラムの目的です。大会議室で行われるプレゼンテーションの様子は、Zoomを使って各教室にライブ配信されます。高2生同士はもちろんのこと、次年度に体験することになる高1生にとっても、モチベーションアップにつながります。

「そもそも本校で考える探究活動とは、学んだことを自分の言葉でアウトプットしていくことを前提としています。一般的な授業では、インプットされた知識をテストなどの場面でアウトプットすることが求められますが、本校の探究活動はプレゼンテーションすることを最終ゴールと定めています。つまり、単なる知識を詰め込むだけの学びではなく、学んだことを自らの言葉で発信していくことの重要性を学ぶ、絶好の機会でもあるというわけです」

1探究には“型”がない~
少人数のゼミであることのこだわり

  一人ひとりの興味・関心がきっかけになるといっても、テーマ決めは決して容易ではありません。仮にテーマ設定に失敗してしまうと、途中で挫折してしまうことにもなりかねません。でも安心してください。頼りになる先生方がファシリテーターとなって、生徒と一緒にゴールをめざして伴走します。

「ゴールに向かうためのポイントとなるのが、各教員が主宰するゼミ(課題研究ゼミ)です。数学の教員でもある私の場合は、コンピュータや先端技術といったものにも関心があるので、今回『メタバースの不思議な世界』を主宰しました。このような領域に興味・関心のある生徒に集まってもらい、一緒になって考えていくというイメージです。ただし、ゼミは少人数であるからこそ、質の高い学び合いが生まれるものです。各ゼミの定員を6~7名に定めているのもそのためで、ゼミ生一人ひとりとの面談時間の長さにもこだわっています。

 逆にいうと、本校の探究の授業には、あらかじめ方法が決まっているような“型”は存在しません。教員それぞれのやり方に合わせて自由に進行していくのが大きな特徴です。1年間の研究活動を通じて知的好奇心が高まり、大学での学びにつなげたいと明確な目的意識をもって、大学受験に挑戦していく生徒が年々増えています」

学びを深めていく楽しさを
もっと多くの生徒たちへ!

  こうして迎えた『Presentation Day~知の発展~』の当日。数あるゼミとクエスト(※)(正式名称『Quest企業探究』)から選抜されたメンバーたちが会場に集結しました。選抜メンバーの研究テーマは下記のとおりです。

※クエスト:企業から与えられたミッションに取り組み、課題解決に向けて議論と発表を行う進学コースのコラボ授業

ゼミの部 クエストの部
『「死」と幸せの関係性について』 『皮ごとバナナで未来をよりよく』
『LGBTQと制服』 『タノシミナサイト』
『水耕栽培と地球環境』
『過剰包装の問題と対策』
『ロボットの「不気味」を考察する』
『メタバースの不思議な世界』
『VLOGでの韓国語の勉強について』
『数学と心理学の関係』
『戦時中から現代までのジェンダー問題』
『ジェンダーバイアス解消に向けて』
『鉄道ストライキとその影響』
『「米国・日本の移民難民」考察』

 すべてのプレゼンテーション終了後、10名の教員審査員投票による『最優秀賞』1組、『優秀賞』2組、さらには生徒投票による『生徒投票賞』1組が決定しました。

「コロナ禍の中で始まった本プログラムも3回目となり、回数を重ねるごとに研究内容も発表内容も、格段にレベルアップしているのを実感することができました。私たち教員も最初は生徒の手伝いに徹しますが、生徒たちは徐々に自走していくイメージで、やがてひとり立ちしていきます。1年間生徒たちを見てきましたが、本当に楽しそうに学んでいるというのが私の印象です。これからも知ることの楽しさ、学びを深めていくことの楽しさを、より多くの生徒たちに味わってほしいと思っています」(二木先生)

■Toptic

2123年度から新授業『キャリアデザイン演習』がスタート!

「国際社会で平和のために貢献できる人材を育成する」の理念の下、グローバル社会を視野に入れた学校改革が進んでいる同校。2013年度からは高2の新たな授業として『キャリアデザイン演習』がスタートします。

「『キャリアデザイン演習』を介して、東京工科大学・東京都市大学・成城大学・桜美林大学との連携をはじめ、全国各地の大学が提供しているオンライン講座の受講、さらには首都圏にある大学の授業やプログラム・民間の探究学習イベントに参加することができます。一人ひとりが自分の人生を主体的にデザインしていくことを目的に、『Presentation Day~知の発展~』とも連携させながらの注目の授業です。高校受験をする女子生徒の皆さんはぜひ、注目してください」(二木先生)

プレゼンテーションをオールイングリッシュで行う生徒も登壇。各教室の生徒たちからもZoomの画面越しに大きな拍手が送られました。 プレゼンテーションをオールイングリッシュで行う生徒も登壇。各教室の生徒たちからもZoomの画面越しに大きな拍手が送られました。
司会を担当した生徒たち。「司会者2人のコメント力の高さも素晴らしかった」と、宍戸校長先生もそのポテンシャルの高さを絶賛していました。 司会を担当した生徒たち。「司会者2人のコメント力の高さも素晴らしかった」と、宍戸校長先生もそのポテンシャルの高さを絶賛していました。
来賓として招かれた成城大学副学長の上野英二先生。「“知る”と“わかる”は違います」と、探究の奥深さを教えてくれました。 来賓として招かれた成城大学副学長の上野英二先生。「“知る”と“わかる”は違います」と、探究の奥深さを教えてくれました。
最後に登壇し感想を述べる宍戸校長先生。「自分たちの発想を、これからも進化させていってください」と、学び続ける者たちへエールを送りました。 最後に登壇し感想を述べる宍戸校長先生。「自分たちの発想を、これからも進化させていってください」と、学び続ける者たちへエールを送りました。

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