
篠川俊太郎先生(国語科)

細川晋之祐先生(社会科主任)
神田女学園高等学校の創立は1890年。130年以上の伝統に裏打ちされたリベラルアーツ教育を実践する同校が、独自の高大教育連携を始動させました。この背景にあるのが『ニコル (NCL)プロジェクト』。2016年、併設の中学校にグローバルクラスを創設した際、生徒が主体的に取り組める、教科横断的な学びができるようにスタートした先進的な取り組みです。実社会の最適解を探究するため、幅広い社会的課題の中から「Nature(自然)」「Culture (文化)」「Life(生命)」にテーマを絞り、自分が関心のある研究活動に励みます。
この高大教育連携について、進路指導部高大連携室長・国語科の篠川俊太郎先生と、同室・社会科主任の細川晋之祐先生にお話を聞きました。
「現在、本校では高1と高2がこのプロジェクトに取り組んでいます。スタートしてから7年目を迎えた今では、教員の手の届かないような専門的な分野の探究活動を進めていく生徒が増えています。たとえば、昨年はメキシコ人の死生観をテーマに選んだ生徒がいました。ここまで専門的になると社会科の教員でも、大学でこの分野を研究していない限り、生徒に学術的な示唆を与えることができません。そこで高等教育機関である大学と連携し、そのリソースを高校生に利用させてもらうことを目的に、高大教育連携をスタートさせることになりました。
『高大教育連携』と聞くと、連携先の指定校推薦枠の拡大や、その大学への進学が確保されたうえでの単位取得などのイメージを抱く方が多いはずです。しかし、そうではありません。私たち教員がもっていない最新の知見を、本校の生徒に余すところなく提供するための高大連携です。
『NCLプロジェクト』の狙いは、論理的な思考力やリサーチ力、協働性、問題解決力、知識運用能力、プレゼンテーション能力を育成することにあります。そこで生徒の力をさらに高めるためのフィールドとして、多くの大学と本校を太いパイプでつなぐことにしたのです。この教育連携によってこれらの力が生徒につけば、連携を結んだ大学以外の他大学入試においても力を発揮できると思います」(篠川先生)
現在、同校との提携校には、順天堂大学、女子栄養大学、千葉科学大学、神田外語大学、大阪女学院大学、平安女学院大学、戸板女子短期大学、桜美林大学、跡見学園女子大学、フェリス女学院大学などがあります。今年6月には生徒が探究するテーマごとに、こうした大学に赴き、教授からレクチャーを受ける取り組みが行われました。