私立中高進学通信
2026年1月号特別企画
歴史と進化を重ねる伝統校
東京成徳大学中学校
不易流行の“成徳の精神”で
現代をおおらかに生き抜く
創立99年
副理事長/木内雄太先生創立者の菅澤重雄先生は、政治家・実業家・銀行家などの、多彩な顔を持つ有能な人物でした。菅澤先生は、人生の最後は日本のためになる教育事業に命を注ぐとの強い信念で、現在の校地に王子高等女学校を開校しました。これが本校の原点です。「成徳」には“徳を成す”の意味があり、徳を成す人材の育成こそ、先生の悲願の大事業でもありました。
大戦後は民主主義の名の下に、教育面においてもそれまでとまったく価値観の異なる教育を求められましたが、本学園は人づくりこそ最大の使命として、「成徳」の心を堅持し続けたところに特徴があります。それから、創立者の日常における言動に基づき、『5つの教育目標』としてわかりやすく集約して示したのが、第3代理事長の木内四郎兵衛先生です。その5つの教育目標は、①おおらかな徳操、②高い知性、③健全なる身体、④勤労の精神、⑤実行の勇気です。これらの教育目標の中でも、特に“おおらか”という表現は、考え方や思想が多様化する令和の時代にあっても、本校の校風を良く表しているものと実感しています。

ところで、現代人にとって「成徳」は、やや古めかしく感じる言葉かもしれません。しかし、個がフォーカスされるようになった今だからこそ、改めて成徳の精神が見直されてきているのもまた事実でしょう。なぜなら、“徳”は普段の考え方や行動によって完成されていくものだからです。生徒一人ひとりが本校を卒業し、地域社会のため、日本のため、そして、世界のために何をなすべきかを自身に問い、飽くなき挑戦する心で活躍しているのが私たちの喜びです。母校のことを振り返ってみたときに、大なり小なり“成徳の精神”に感謝できることがあったとしたら、それは歴史ある私学としての誇りです。創立100周年を目前に控え、『成徳の精神を持ったグローバルに活躍できる人材』の育成に向け、私たち教職員も変化を恐れず、積極的かつ柔軟に対応できる学園でありたいと挑戦を続けています。
1920年代の女子生徒と校舎
「徳を成す人間の育成」から、
『「成徳」の精神を持つグローバル人材の育成』へ
創立者の菅澤重雄先生国会議員であり、実業家でもあった菅澤重雄先生が、学園創立にあたり遺した言葉は「教育の要は徳育である」でした。この確固たる信念は、自身の経験による「実務に役立ち、勤労の尊さを知る教育」の重要性と、「徳を成す人間の育成」を建学の精神に裏づけられたものでもありました。
それから2015年、東京成徳学園創立90年を機に、進化し続ける学園の新たな指針となる『東京成徳ビジョン100』を発表しました。副理事長・法人本部長の木内雄太先生は次のように解説します。
「『東京成徳ビジョン100』は、学園を挙げて取り組んでいる最重要課題です。これから100周年を迎えるにあたり、学園の掲げた将来像が、『「成徳」の精神を持つグローバル人材の育成』で、本学園が位置づけるグローバル人材には、語学力はもとより、①主体的な思考、意見を持ち、②チャレンジ、リトライができる、③多様性を理解し、受容し、多様なものと連帯できるマインドがある、④日本人としてのアイデンティティを持つ、ことを求めています」
TSシンボルを知れば学校がわかる
東京成徳学園には、「TSシンボル」と呼ばれるシンボルマークがあります。
「5本の柱(シンボルカラーのブルー)は、東京成徳学園の5つの教育目標(おおらかな徳操・高い知性・健全なる身体・勤労の精神・実行の勇気)を表したものです。一方、3本の柱(シンボルカラーのイエロー)は、生徒(大学は学生)・教職員・同窓生を象徴しています。合計8本の柱が、調和・成長・理想のイメージを持ちながら一体となり、幼稚園から大学・大学院まで、学園に集う人々とのヒューマニティをつくりあげる姿を表現しています。そして、東京成徳学園100周年の記念事業も進行中です。ぜひ本校の挑戦に期待してください」(木内先生)
『東京成徳ビジョン100』
東京成徳学園のシンボルマーク「自分を深める学習」で、自己肯定感や他者を尊重する気持ちを育て
グローバル人材を育成
同校独自の伝統教育「自分を深める学習」は、2003年にスタートさせた「成徳」の精神を持つグローバル人材の育成につながる取り組みです。教員が、映画・小説・新聞記事などあらゆるジャンルの題材から投げかけてくる問いに対する答えを、生徒は自分の内面を見つめ、クラスメートとの話し合いを重ねながら導き出していきます。
中1から高1までの期間は、学年ごとのテーマに沿って考えていきます。中1は「命のつながり」がテーマ。ある日の授業では、聴覚の障がいを持つ少女と少年の交流を描いた映画『聲の形』を鑑賞し、その感想を生徒一人ひとりが記入。生徒は互いの感想に目を通しながら、意見交換していきます。教員も、ふだんは物静かな生徒が自分の思いを熱く語っている文章を読んで感動するなど、通常の授業では見ることのできなかった生徒の一面を知るといいます。
クラスメートの感想文を読み、共感した場合は青シールを、
発見があった場合は黄シールを、疑問を感じた場合は赤シールを貼っていきます。
生徒が恥ずかしがらずに感想を語りつくせるように名前は伏せて掲示しますが、
文章はタブレット端末ではなく手書きにしています。
書いた生徒の気持ちがにじみ出て、互いに感想を言いやすくするねらいがあるそうです。
[沿革]
| 1926年 | 現一貫部敷地に「王子高等女学校」創立 |
|---|---|
| 1931年 | 「東京成徳高等女学校」に校名変更 |
| 1947年 | 学制改革により「東京成徳中学校」(現東京成徳大学中学校)開校 |
| 1948年 | 学制改革により「東京成徳高等学校」(現東京成徳大学高等学校)開校 |
| 2015年 | 東京成徳学園創立90周年 『東京成徳ビジョン100』発表 |
| 2018年 | Apple Distinguished School認定 |
| 2026年 | 東京成徳学園創立100年(2026年11月26日) |
東京成徳大学中学校
〒114-8526 東京都北区豊島8-26-9
TEL:03-3911-7109
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