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私立中高進学通信

2025年特別号

実践報告私学の授業

東京成徳大学中学校

データに向き合い
問いを深める力を育む

高2「理数探究」の学び

2学期後期第9回の授業。
この単元では前回、沖縄の観光データをもとに各グループが独自の提案をまとめて発表しました。
最終日となる今回は、その成果を全員で共有し、学びを振り返る時間です。

 東京成徳大学の学びを象徴する取り組みの一つ「理数探究」(高2)の授業を取材し、ICT活用推進部長を務め、授業を担当する降矢貴充先生にお話を伺いました。

建学の精神「成徳」を
学びの中心に

 同校が育てたい人物像の根底には、建学の精神である「徳を成す(成徳)人間の育成」が据えられています。そして、「主体的に学び、考え、行動する力」を育てるという理念は、中学入試の段階から明確に打ち出されています。

 たとえば同校独自のDistinguished Learner選抜入試。この入試では「主体性・創造性・チャレンジ精神」という3つの観点に基づき、4つの具体的項目を5段階で評価します。単に覚えた知識を答えることよりも、自分で考え、発想し、試行錯誤する姿勢を重視した入試です。降矢先生は、こうした理念と高校での探究教育が強く結びついていると語ります。

「本校では高1の『Diversity Seminar』、高2での実地踏査型研修旅行、そして理数探究へと、興味・関心をもとに自ら学びを切り拓く仕組みを段階的に用意しています。Distinguished Learner選抜で求めている力は、高校の探究でも連続して育てていくものです」

 とりわけ実地踏査型研修旅行は、生徒自身がテーマを定め、全国各地でフィールドワークを行う“探究の集大成”です。そこで必要となるのが、仮説を立て、データを集め、検証し、結論を出すに至るまでの一連のプロセスです。理数探究は、そのプロセスを身につけるための基盤となる科目として位置づけています。

生徒たちのグループ発表の様子

生徒たちのグループ発表の様子

「データで語る姿勢」を育て
探究の“プロセス”を学ぶ授業

 理数探究は高2で週2コマ。NTTドコモ提供の「モバイル空間統計」を活用し、大規模データの分析やレポート作成、グループワークに取り組みます。

「高校生にとって、“生データ”はハードルが高い存在です。最初は“なんだこれ。どう使えばいいんだ?”という反応がほとんどですが、授業後には『扱えるかもしれない』という意識が芽生えます。苦手意識を越えていくためには、小さな成功体験が必要になるのです」

 授業では、学期の定期テストや小テスト、提出物などの成績に係るデータを用い、「納得できる成績のつけ方」を班ごとに考える活動も実施します。身近な題材でありながら、数字の扱い次第で結果が変わることに驚き、自然と議論が活発になっていきます。

 理数探究には、いわゆる定期テストがありません。生徒たちのレポート・プレゼン・チームでの協働の様子を総合的に見て評価・判断します。

「単に“発表して終わり”にしないことを大切にしています。私は常に『データを根拠に語ろう』と伝えていますが、最近はプレゼン資料に自然とグラフや表が入り、『この点に注目しました』と説明する姿が増えてきました。こうした変化は1学期からの大きな成長です」

“社会でのデータ活用”へ
踏み込む学びに
ICT活用推進部長の降矢貴充先生。ICT活用推進部長の降矢貴充先生。「Diversity Seminar」では「アプリケーションを開発しよう」を開講し、学習アプリケーションの制作にも取り組んでいます。

 降矢先生が今後さらに深めたいと考えているのは、データが社会でどのように価値を生むかを生徒に示すことです。

「企業では顧客データをもとに新しい商品が生まれたり、商品に関する意思決定が行われたりします。そうしたリアルな活用事例を、プロの視点で聞く機会をもっと多くつくりたいと思っています」

 すでにNTTドコモから専門家を招いた講義を行っていますが、さらなる実践的講座も視野に入れています。例えば、公開されているアプリケーションについて専門家を招き、利用データや広告収益データを分析し、アプリケーションの改善に繋げる活動を検討しています。

「広告収益やダウンロード数の推移をグラフで見て分析するなど、データと社会がつながる体験そのものが大きな学びです。こうした活動を後押ししていきたいですね」

授業レポート
「ホテル・宿泊業」「お土産店」「空港・航空会社」など9つの立場に分かれ、それぞれの視点から観光課題の解決策を検討します。

「ホテル・宿泊業」「お土産店」「空港・航空会社」など9つの立場に分かれ、
それぞれの視点から観光課題の解決策を検討します。

前回は他班の発表も聞きながら、“どの立場と連携すればより効果的か” を探る場面もありました。
立場ごとに異なるニーズを踏まえ、地域に貢献するためのアイデアを議論し、
生徒たちは現実の産業構造を意識しながら考察を深めました。

データ分析から課題設定、提案、そして振り返りへ。生徒たちは観光産業を多角的に捉える学びのプロセスを、丁寧に積み重ねていました。

データ分析から課題設定、提案、そして振り返りへ。
生徒たちは観光産業を多角的に捉える学びのプロセスを、丁寧に積み重ねていました。

生徒インタビュー①

ダリア ドゥブロスカさん(高2)ダリア ドゥブロスカさん(高2)

 グループワークが多い授業で、ほかの教科とは異なり、“データを使って発表する”場面が多かったのが新鮮でした。Excelを使うのは大変だったけれど、関数を使うと大きなデータも扱いやすくなるんだと実感しました。

 今回の単元で、私たちのグループは沖縄の「文化施設・博物館」の立場を担当し、外国人観光客がどれくらい来ているのかを調べました。公開されているデータを分析すると、台湾と韓国からの来訪者が多いことがわかりました。そこで①台湾・韓国向けのパンフレットを増やし、ホテルにも置いてもらう、②SNSで中国語・韓国語の情報発信を強化する(若い世代はSNSで旅行先を決めるため、撮影しやすい環境づくりも大事)、③台湾・韓国の連休に合わせてイベントを企画する、という3つの提案をまとめました。

 提案を出すだけなら簡単ですが、「データを根拠にどう結論づけるか」を考えるのは想像以上に大変でした。表を読み込んで、プレゼンで見やすく整理することにも苦労しましたが、そのプロセスで学べることがたくさんありました。

 グループはランダムで組まれることも多く、これまで接点の少なかった人と一緒になることもあります。最初は大変ですが、いろいろな意見が出るので、自分にはない視点に気づけました。グループでのコミュニケーションを通して、それまであまり話したことのない人とも自然と仲良くなれたように思います。

生徒インタビュー②

鈴木 颯人さん(高2)鈴木 颯人さん(高2)

 Excelを使った成績づけのシミュレーションでは、「先生たちはこうやって評価しているんだ」と知ることができました。Excel自体に慣れていなかったので関数を使うのが難しく、最初は戸惑いましたが、使っていくうちに少しずつ理解できるようになりました。

 私たちのグループはホテルの立場で、「どうすれば外国人観光客を増やせるか」を考えました。ただ、途中で“外国人”ではなく“観光客全体”に話が広がってしまい、テーマから少しズレてしまった反省もあります。また、よりホテルに特化したデータがあれば、もっと精度の高い分析ができたのではないかとも感じました。

 議論のなかでは、沖縄はホテルの数が多すぎて満室になりにくく、従業員も不足しているという課題に着目しました。そこで、ホテルを集約してスタッフを確保しようという案や、海外でよく見るドミトリー型の宿泊施設を取り入れて海外の人が利用しやすくする案など、いろいろな案が出てきました。また、天候が悪くて飛行機が飛ばない日には、人数に応じた割引を行う、といった提案も考えました。

 発表のためのスライドづくりでは、デザインや文章のわかりやすさも大切だと実感しました。グループメンバーそれぞれの得意分野を生かすため、互いの分担を調整する必要もあり、苦労した面もありましたが、とてもやりがいがありました。

東京成徳大学中学校  

〒114-8526 東京都北区豊島8-26-9
TEL:03-3911-7109

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