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私立中高進学通信

2022年12月号

理数教育のその先へ

狭山ヶ丘高等学校付属中学校

挑戦する積極性と
身近なことに疑問を抱く好奇心が
理系への道を拓く

信州大学理学部理学科4年 飯島賢士 さん 東北大学理学部物理学科4年 松本優也 さん

信州大学理学部理学科4年 飯島賢士いいじま さとしさん(右)
中学時代は文系志望だったが、高校で入学した科学部で理系の魅力を知り進路を変更。
大学院へ進む予定で、将来のために学芸員の資格も取得を予定している。

東北大学理学部物理学科4年 松本優也まつもと ゆうやさん(左)
小学校時代から理科に興味を持ち、理系の道を志す。現在は素粒子実験分野を専攻している。
今後は、ニュートリノ検出器の開発をめざして大学院へ進学予定。

 中学で理科の魅力に目覚めて進路が一変した生徒と、小学生の時から理科が大好きだった生徒。異なるタイプながら、大学で理系の道に進んだ卒業生2人に、理系をめざすきっかけや母校・科学部での思い出について聞きました。

好きなことを追求して
理系の道を突き進む

 毎年、国公立大学や難関私立大学に合格者を輩出している同校。令和4年度は国公立大学に37名、早稲田大学や慶應義塾大学、GMARCHなどの難関私立大学に190名の合格実績を出しています。開校以来、自己を見つめて本来あるべき自分の姿に気づくための心の教育「内観」を重視しており、「自己観察教育」を実践している同校で、己を磨き、理系の道を歩む卒業生の2人にお話をうかがいました。

「自分はもともと文系志望だったのですが、中3の“課題研究”で科学の面白さに目覚めて進路が一転しました」

 そう語るのは、現在信州大学理学部で地質学(堆積学)を専攻する飯島賢士さんです。

「理科で、1人一つテーマを決めて自分で調べたことを発表する授業があったんです。地形の成り立ちに興味があったので“断層”をテーマにして発表を行い、銀賞をいただきました。それから『理系の方が向いているんじゃないか』と考え、高校では科学部に入部しました。それ以来、地質に関することを研究し続けて今に至っています」(飯島さん)

 一方、小学生の頃から一貫して理系志望だったのは、東北大学で素粒子実験分野を専攻する松本優也さんです。

「小学校の自由研究で、理科に詳しい父と一緒にソーラーカーを作ったり、海水から塩を作ったりして「理科が面白い」と思うようになりました。中学で“音の伝わり方”を学んだ時に、音が光よりも遅い実例として“花火が光った後に音が鳴る”ことを知り、現実世界と理科が結びついていることがすごく面白いと感じたんです。それから、より一層理科が好きになりましたね」(松本さん)

 そんな2人について、興味のあることに関して特にポジティブだったことが印象に残っていると話すのは、中3の時の担任で国語科・教頭の北谷高志先生です。

「飯島君は研究レポートを書く時に、テーマとなった地質を確認するために三浦市の城ケ島まで5~6回足を運んだことがありました。松本君は合唱コンクールの時にいろんなアイデアを出してくれて問題解決のために熱心に取り組んでくれました。2人とも、積極的でアクティブだったことをよく覚えています」

 高校では科学部に入部した2人ですが、理科に対する熱意がそれぞれのやり方で発揮されていたと語るのは、同校の科学部顧問で理科主任の川久保卓先生です。

「飯島君は能登半島・飯能と、高校3年間で2つのテーマに取り組みました。興味の幅が広いタイプで、地図を見ていて『地形を見ると、ここに断層があるのがわかる』と話していたのが印象に残っています。飯島君は、地図の見方が独特なんです。道路の走り方や森の形から気になる点を見つけると、すぐに調べに行く行動力がありました。松本君は決めたテーマを粘り強くやり続けるタイプで、科学部では3年かけてスターリングエンジンを作っていました。部品の加工から自分でやりたいという彼のために金属加工の道具を手配したのですが、部活動に取り組む姿がまるで職人みたいだったのを覚えています(笑)」

高校時代に研究に没頭した科学室を久しぶりに訪れたOBの2人。高校時代に研究に没頭した科学室を久しぶりに訪れたOBの2人。
母校の文化祭で科学部の後輩から展示の説明を受ける飯島さんと松本さん。母校の文化祭で科学部の後輩から展示の説明を受ける飯島さんと松本さん。
左から科学部顧問で理科主任の川久保卓先生、卒業生の飯島賢士さん、松本優也さん、国語科主任で教頭の北谷高志先生。左から科学部顧問で理科主任の川久保卓先生、卒業生の飯島賢士さん、松本優也さん、国語科主任で教頭の北谷高志先生。
興味のあることが
進路を考える第一歩

 進路に悩む生徒たちに、好きな道を突き進んだ2人のことを例に話すことも多いそうです。

「飯島君はその時に興味を持つことに突き進んだ結果、中学の頃の将来像とは異なる選択をして結果を出した。将来を考える生徒たちに、そうした実例として話すことはよくあります。一方の松本君は、決めたことをとことん突き詰めるタイプであると同時に、学業以外のことにも力を入れていました。理系で優秀な成績を出すと同時に、放課後には有志で百人一首に取り組むなど、活動的でした。国語もできる生徒だったので、彼の話をすることは多いですね。将来を考えるうえで、生徒の興味や関心のあることを第一歩にしたいと考えているのですが、飯島君と松本君の話は生徒たちに響くものが多くあるようです」(北谷先生)

 飯島さんと松本さんに、理系の道をめざす後輩たちにメッセージをいただきました。

「まずは“何にでも挑戦してみる”ことが大事だと思います。やりたいことをどうやったら実現できるかを考える力は、勉強に限らず、今後の人生でも必要になる力だと思います。僕は科学部で好きなテーマを自由に研究させてもらえたことが進路に大きく影響したと思っています。大学受験の時も先生方に全力でサポートしていただいたおかげで、何とか合格することができました。先生方は必ず応援してくれますので、物怖じせずにいろんなことに挑戦して、疑問に思ったことを解決する力をどんどん養ってほしいですね」(飯島さん)

「理系科目は目の前にあるものとのつながりが非常に強い学問です。だから、日常の中で“気になる”という気持ちを持つことが、理科を好きになることにつながると思います。身近なものに興味を持つことから理系の道は拓けると思うので、いろんなことに『何でだろう?』と思ってほしいですね」(松本さん)

こだわりの品
地質研究アイテム 左から研究用ハンマーと地層の傾きを測るクリノメーター、折りたためる木製物差し・折尺。飯島さんが携帯する地学のフィールドワーク用のアイテムです。地質研究アイテム
左から研究用ハンマーと地層の傾きを測るクリノメーター、折りたためる木製物差し・折尺。飯島さんが携帯する地学のフィールドワーク用のアイテムです。
実験レポート 2021年秋頃に行ったニュートリノに関する松本さんの実験レポート。7回行った実験で放射線やエネルギーを測定した結果をまとめたもので、レポート執筆に1週間ほどかかったといいます。実験レポート
2021年秋頃に行ったニュートリノに関する松本さんの実験レポート。7回行った実験で放射線やエネルギーを測定した結果をまとめたもので、レポート執筆に1週間ほどかかったといいます。
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