神戸龍谷高等学校では、高校生活の過ごし方と希望進路に合わせて選べる4コースを設けています。探究型の学びが充実し、龍谷総合学園加盟大学に連携した『龍谷総合コース』、国公立大学や難関私立大学への現役合格を目指す『特進文理Sコース』、海外留学と高度な英語教育で真の国際人としての素養を育む『特進グローバル文系コース』、理系の専門性を身につけたグローバル人材を育てる『特進グローバル理系コース』。自分に合ったコースで学び、卒業生の8割以上が、国公立大学・難関私立大学を含む4年制大学に現役合格を果たしています。特筆すべきは、部活動や課外活動に注力するために、他コースに比べて受験対策を行っていない『龍谷総合コース』においても同様の合格率であるという事実。その背景には、昨今の多様な大学入試があります。
「高校時代の成績・実績を評価する『学校推薦型選抜』と、大学のアドミッションポリシーに合致した人物を選抜する『総合型選抜』の募集人員の割合が増加し続けており、特に『総合型選抜』においてその傾向が目立ちます。これは、たとえば中学時代の内申点が3~4の生徒でも、高校で目標意識を持って過ごすことができれば、国公立大学や難関私立大学を含めた4年制大学をねらえる可能性が広がっているということ。本校では“8割以上が4年制大学に現役合格”していますが、その進学実績を支えているものの一つは、多様な入試に対応することを目的としたコース制での学び。そしてもう一つは、生徒が最後まで頑張り抜く原動力となる“ミスマッチのない進路選択”を目標とした進路指導です。この目標については、ほぼ達成できているという自負があります」(森功教頭)
「第一志望をどのように選択させるか」を最重視しているという進路指導。その実践において大きな役割を担っているのが、日々、放課後や休み時間を使って途切れることなく行われている担任との個別面談です。定期試験の結果に関するやりとりはもちろんありますが、それとは別に、次の定期試験までの間に、全員に対して1~2回の個別面談を実施しています。
「進路指導は、『将来、どんな人になりたい?』『どんな人生を送りたい?』という問いかけからスタート。内容は徐々に具体的になりますが、その時々のテーマに対して、自分の中で答えを探し、調べて、『これかな』と思うものを出します。それを面談で掘り下げ、『違う』と感じたら、もう一度考えてみる。これこそが本校の進路指導です。そうやって、進路を“自分の問題”として捉えられるように導いていきます。思い込みや迷いも、対面であれば察知して指摘することができます」
ミスマッチをなくすために欠かせないもう一つのポイントは、進路決定に向けて、すべての情報を提供し、可能な限り多くの選択肢を持たせることです。全員が知るべきこと・親子で共有するべきことについては、年2回の生徒・保護者を対象とした進路ガイダンスで説明されますが、指定校推薦枠の全データを開示している点が大きな特徴といえるでしょう。
指定校推薦枠を安易に活用しようとする生徒が出てくる可能性は否めないものの、それ以上に避けたいのが、指定校推薦枠という手段を知らないばかりに、不本意な選択をしてしまうケース。
「ある生徒が、成績が思うように伸びず、高3の秋にA大学をあきらめ、B大学に志望を転向したとします。もう取り返しがつかない段階になってから、A大学の指定校推薦枠があったと知ったら、大きな後悔が残りますよね。B大学受験や、今後の学びに対するモチベーションも下がってしまうでしょう。そのような状況を避けるために、本校はすべてを開示します。すべての指定校推薦枠を知ったうえで、『一般選抜で○○大学に挑戦する』という決断をしてほしいですね」
理想は、自分なりの“ものさし”を持つこと。「自分の“ものさし”で選んだ進路」であるという自覚こそが、受験勉強を乗り切るうえでの原動力になります。進学実績はミスマッチのない進路選択の表れといえるでしょう。
同校の進学先一覧を見ていると、多様な大学名・学部名に驚かされます。これは本人の希望を踏まえて「A大学ではこんな学びができる」「B大学の研究室にはこういう特色がある」など、さまざまな視点からリサーチし、生徒の選択肢を広げることを心がけている結果だそうです。
「高校受験時の内申5教科合計と卒業後の進路結果を照合すると、飛躍的な伸びが見られるのも本校の特徴です。ミスマッチのない進路選択=突破力。高い目標を持って真剣に取り組めば、結果はついてくるもの。本校では、そんな生徒をサポートする体制をしっかりと整えています。“期待以上の結果につながる”ことを知ったうえで本校を選んでくださっているのか、私が担当している『龍谷総合コース』の課題研究(探究学習)では、新入生全員が意欲的に取り組む姿が見られます。高校で頑張りたいという気持ちがある人に、ぜひ入学してほしいと思います」