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強い愛校心が生み出すOBのバックアップで
独自のキャリア教育を展開する『アドバンストコース』

公開日2022/11/24
強い絆でつながる”甲南ボーイ”は生涯の仲間。OB主体で行う『同窓会』は、仲間が、そして自分がどのように成長したのかを確かめ合う場となっており、強制ではないにも関わらず、出席率は90%を超えるという。この日のために海外から駆け付けるOBもいるほど。

強い絆でつながる”甲南ボーイ”は生涯の仲間。OB主体で行う『同窓会』は、仲間が、そして自分がどのように成長したのかを確かめ合う場となっており、強制ではないにも関わらず、出席率は90%を超えるという。この日のために海外から駆け付けるOBもいるほど。

「“甲南ボーイ”としての誇りとつながり、それが一つのブランドになっていると感じます」。
 そう言って胸を張るのは、入試広報部長・田村信平先生です。愛校心や仲間意識が育ちやすいのが私学の特徴だと言われますが、甲南は特にそれが顕著。まるで大きな一つの家族のように、強い絆で結ばれています。

 西日本の私学では唯一となる、旧制高校の流れを汲んだ歴史深い男子校であることも強く影響しているのでしょう。「世界に通用する紳士」を育むことを変わらぬ理念として、親から子、子から孫へと、世代を超えて“甲南ボーイ”であるという家庭も少なくありません。
「教師陣もOBが多く、まさに生徒・保護者・教員・OBが相互に深く関わり合い、共に成長し続けている学校だと自負しています」

 OBの顔ぶれは、医師・政治家・法律家・音楽家まで多士済々ですが、特に名だたる経営者・経済人を数多く輩出しているのが目立ちます。そんなOBたちが“甲南愛”を強く発揮するのが、『アドバンストコース』におけるキャリア教育で、誰もが知る大企業の経営者たちが、「母校と後輩のために」と協力してくれます。

 その一例として『OBワークショップ』『OB企業訪問』があります。『OBワークショップ』は、社会で活躍中のOBが、自身の仕事内容やそのやりがいについて講演をしてくれたり、生徒からの質疑に応じたりしてくれる時間。『OB企業訪問』は、OBが経営する会社を訪問し、実際に企業が抱える課題の解決に取り組むものです。

 このように、アドバンストコースのキャリア教育は、現実のビジネス社会を念頭にした実践色の強いものになっており、生徒たちの「卒業後」を強く重視していることがうかがえます。生徒たちにとってより近い存在であるOBから受ける薫陶だからこそ、より強い影響を与えてくれているのでしょう。田村先生も「自分が社会において何を成し遂げられるのか、使命感に芽生えてほしい」と言います。すなわち「世界に通用する紳士」です。

OB企業訪問で老舗酒造メーカー・辰馬本家酒造の工場見学に訪れた生徒たち。経営者は甲南出身。

OB企業訪問で老舗酒造メーカー・辰馬本家酒造の工場見学に訪れた生徒たち。経営者は甲南出身。

 “世界に通用”というキーワードに着目すると『グローバル・ファウンデーション』(中3~)、『グローバル・スタディ・プログラム』(高2~)と名付けられた体系的なグローバル教育も、アドバンストコースの特徴。中長期留学を軸にした教科横断型の学際的なプログラムで、挑戦する舞台を海外にも広げていきます。
 「単に英語力を伸ばそうとか、海外文化を知ろうというプログラムではありません。もちろんそれも大事ですが、やはり実社会に即した学びになっていることがポイントです。あくまで、世界の中で自分が何をすべきか、やりたいかに目覚めてほしいと思っています」

 甲南から羽ばたき「世界に通用する紳士」となったOBたちが、新たな紳士たちを導く――連綿と築いてきた伝統は、きっとこれからも続いていくのでしょう。甲南ボーイ、ここにあり!

● OBワークショップ ● 甲南のOBネットワークをフル活用

『OBワークショップ』は、甲南らしさが強く表れたキャリア教育ワークショップ。実社会で活躍する社会人を招いての講演は、キャリア教育としては他校でも行われているメジャーな取り組みでしょう。しかし、同校はそれをすべてOBが担っています。しかも同時に複数人のOBが来てくれるなど、まさに人材の宝庫です。
生徒たちは、OBの現在の仕事についてグループで事前学習をし、質疑応答に臨みます。その仕事に就くまでにどのような努力をしてきたのか、甲南での学びをどう活かしているのかなど、熱い講話に胸を打たれる生徒が続出。「僕も先輩のように○○を目指す!」「将来は僕がここに立って、後輩たちにメッセージを伝えたい!」など、具体的な目標を抱くようになる生徒も少なくありません。

● OB企業訪問 ● 企業が抱える問題を解決せよ!

OBが経営する会社を訪れ、講話を聴いたり、企業が抱える問題について解決策の考案に挑んだりするのが『OB企業訪問』です。
まずは名刺交換から。生徒たちは事前に自分の名刺を作成し、ビジネスマナーに則って社長(OB)にあいさつするところから始まります。
「名刺を配って話を聴いて帰ってくるだけでは、単なるイベントです。やはりポイントは、企業課題に実際に取り組むことでしょう」
たとえば結婚式場の経営者からは「コロナ禍などで、式に参列できない遠方の方や高齢者がいる。近年はオンライン参加も定着してきたが、その上をいく新たなアイデアを提案してほしい」といった難しいお題も。
極めてリアルな課題かつ、実際にビジネスで使えるレベルの解決策が求められるため、生徒の課題発見・解決能力はかなり鍛えられます。結果として、外部団体が主催するビジネスコンテストで上位入賞する生徒たちもいるほどです。
また、こうした経験を強みに、大学入試を総合型選抜(旧AO入試)でチャレンジする生徒も多く、そうそうたる合格実績も残しています。

● グローバル・スタディ・プログラム ● 海外大学への進学も視野に

3カ月~1年の中長期留学を核にした国際教育プログラムで、そこに向けて体系的で包括的なカリキュラムが組まれています。高2~高3のアドバンストコースの生徒のうち、このプログラム履修を希望する生徒で一つのクラスを編成します。
1~2学期は英語力を徹底して鍛えますが、単に英語力を伸ばすだけにとどまりません。国際的な視点で歴史や経済についての教養も深めます。内容は、国際政治経済、東アジア関係史、SDGsをテーマにしたリサーチ&論文作成、リベラルアーツなどさまざま。“海外で学ぶ”土台をしっかり作っていきます。
3学期からは、いよいよ海を渡ってニュージーランドやカナダの姉妹校へ。ホームステイをしながら世界中から集まった留学生と共に学びます。帰国後は、留学で得たことを論文にまとめて発表。もちろんすべて英語です。
この経験をもとに、ブリティッシュコロンビア大学(カナダ)や、キングスカレッジ・ロンドン(イギリス)など、卒業後は海外大学に進学する生徒もいます。生徒たちにとって、海外大学はもはや身近な進路選択肢の一つとなっているのです。

甲南高等学校・中学校

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