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進学通信

2021年9月

この記事は1年以上前の記事です。

熱中!部活動
全国優勝を目指す精神力で
学力も人間力も大きく成長

公開日2021/10/31
卓球以前に、人としての成長を
自身も卓球選手だった小林一弘監督。事務職員として勤務しながら卓球部を率いる。

自身も卓球選手だった小林一弘監督。事務職員として勤務しながら卓球部を率いる。

「もちろん卓球は強くなってほしいとは思います。しかしそれ以上に、社会で活躍できる人になってほしいですね」
 そう語るのは、上宮学園卓球部・小林一弘監督です。同校卓球部は、超攻撃的なプレースタイルが魅力の全国屈指の強豪で、特に高校はインターハイ35回連続出場の常連校。中学校も近畿大会優勝のほか、過去には全国ベスト4まで進んだ実績を誇ります。
 一般的に、全国レベルの部活動で活躍する生徒たちは、それこそすべての時間を捧げるくらいの覚悟で、練習漬けの日々を送ることがめずらしくありません。同校の部員たちも、猛練習につぐ猛練習を重ねています。しかし、強みは決して“学業をおろそかにしない”こと。実際に、卓球部で大活躍しながら、学業成績もクラス上位だという部員が多いのです。
 また、全国から一流選手をスカウトしているわけではなく、むしろ「上宮学園で卓球を頑張りたい! 全国大会で優勝したい!」という部員がほとんどで、スポーツ推薦などでなく、一般入試で入学してくるのです。高い目標とこころざし、卓球への思いをパワーに変え、その精神力や向上心を勉強にも活かしているのでしょう。顧問の末金和夫教頭は次のように話します。

卓球部顧問・末金和夫教頭。卓球部のことになると話が止まらなくなるほど、卓球部を心から愛しているのが伝わってくる。

卓球部顧問・末金和夫教頭。卓球部のことになると話が止まらなくなるほど、卓球部を心から愛しているのが伝わってくる。

「生徒たちには、“卓球だけ”の人間になってほしくありません。文武両道を大切にしている方針も、本校卓球部が評価されている点だと思います」
 部員たちに卓球部での目標を尋ねると、皆が「卓球が強くなりたい」「試合に勝ちたい」という気持ちとともに、「人間的にも成長したい」と答えるように、卓球部全体にその精神性が根付いているのです。
 一方で、初心者からスタートする部員も少なくありません。彼らは「強い選手が多いので刺激になります。卓球選手としていけるところまで頑張りたいし、人としても成長したい」という思いで、日々汗を流しています。全国優勝を目指して入部してくる部員と、別の目標を抱いている部員が一緒に練習することは、効率面から考えれば決して合理的ではありません。練習メニューにも工夫が必要です。それでも「人として成長したい」という思いは同じ。仲間として、切磋琢磨しながら、日々成長しているのです。

新校舎建設に伴いリニューアルした卓球場。床は世界選手権で使用しているものと同じ競技用素材で、空調も完備。モニターも設置され、練習中の動きをリプレイで検証できる。

中3・Iくん。中学部長にしてエース。過去にはU12オールジャパンのキャプテンも経験した頼れるリーダー。
「小林監督のもとで強くなりたい!」という一心で上宮学園に入学。卓球の技術だけでなく、あいさつや気遣いなど、
社会人としての礼儀・マナーが身についたと言う。なんと叔父さんが同校卓球部で全国大会優勝を経験!

きょうだいで卓球部に所属する中2・Sくん。授業をきちんと聞いて部活動と両立させ、成績はクラスで1位という努力家!

栄光の歴史を示す賞状の数々が、所せましと並ぶ。

練習に打ち込む中3・Nくん。大阪大会個人戦では、中3・Iくんに次ぐ2位を記録し、上宮学園でワンツーフィニッシュを決めた。

練習は別メニューとなっているが、初心者部員も全国大会優勝を目指す部員も、同じ空間で共に汗を流すことで、卓球部としての一体感を感じることができる。今年度より女子も入部が可能に。
初心者からスタートした部員たちは、社会人の卓球チームと試合をすることもあるという。

「まわりに全国優勝を目指す仲間がたくさんいるので、刺激をもらえます。僕も、1試合でも多く勝てるように上手くなりたいです」(高2・Iくん)