「知の力」「情の力」「意志の力」「躯幹(身体)の力」をバランスよく鍛え、高い知性と豊かな情操を備えた、次代をリードするたくましい人間を育み、総合的な人間力を身につける
“力の教育”を貫く帝塚山。その実践の場として重要な位置づけにあるのが、多彩な学校行事です。
琵琶湖を望む『近江八幡 休暇村』で行われた中1の『サマーキャンプ』(2泊3日)もその一つ。「仲間との絆を深める」「集団生活を学ぶ」「自立への第一歩とする」を目的に、1学期に取り組んできた“仲間づくり”の集大成として実施される、入学後初めての宿泊行事です。今年は7月20日〜22日に行われました。
『サマーキャンプ』の醍醐味は、さまざまなアクティビティを通じて、大自然を肌で感じながら、仲間と協力し合うことで、絆が強まる点にあります。グループに分かれ、インストラクターの指導のもと、カヌーや10人乗りボートのカタマラン、さらにいかだ作りにもチャレンジ。また、『ウォークラリー』『凧作り』、ゲームを通してチームの結束を高める『チームチャレンジ』にも取り組みました。
サマーキャンプ2日目のメインとなるのは『冒険いかだ体験』です。まずは、いかだ作りからスタート。軽自動車も乗せることができるサイズなので、フレームの材料となる角材やフロート(浮き)は大きく、しっかり固定するための結び方も独特。決められた時間内に作り上げるにはチームワークが不可欠です。10数人のグループとなればついつい人任せになってしまいがちですが、「まずはいかだの歪みを直そう!」「そこの枕木をずらして!」とリーダーシップを発揮する生徒や、引っ込み思案な生徒に「こっちにおいで!一緒に結ぼう」と声をかける生徒など、どのグループもお互いの個性を認め合い、自分の得意な役割を担いながら、全員で作り上げようとする姿勢が見られました。完成したいかだに、用意してきたクラス旗を掲げた時の誇らしげな表情には、皆で力を合わせたからこそ得られる達成感が表れていました。
いかだ作りの前に、生徒たちの指導にあたったインストラクターが話した「人との関係づくり、協力し合う経験が、ものごとに取り組むうえでの力になっていきます」という言葉通り、チャレンジする姿勢や思いやりの心、信頼関係を育み、一人ひとりはもちろん、集団としての成長も実感できる3日間となりました。
密を避けるために9クラスを4回に分けて行われた開舎式。琵琶湖や豊かな緑に、これから始まるキャンプへの期待感が高まります。
『近江八幡 休暇村』の西館・東館を貸し切って行われた。食事中は“黙食”できちんとコロナ対策。
カヌー体験
生徒10人につきインストラクターが1人ついて行われた『カヌー体験』。パドルの持ち方・漕ぎ方、乗り方・降り方のレクチャーを受け、いざ実践!
習ったパドルさばきをどんどん試す生徒もいれば、「曲がれない!曲がりたい!」と悪戦苦闘する生徒も。
それぞれのペースでマスターし、最後には、皆で協力し合いながらカヌーを並べ、一つの大きな輪を完成させた。
カタマラン
10人で協力しなければ前進できない『カタマラン』。オールの持ち手であるティーグリップは硬いため、人にぶつけることのないよう、決して手を離さないというのが第一のルール。
最初は、無意識に離してしまう姿もあったが、次第に皆の息が合ってきて、走行を終える頃には、すばらしいチームワークを発揮していた。
ウォークラリー
宿泊部屋対抗の『ウォークラリー』。敷地内のチェックポイントを見つけ、そこに記されたクイズを解きながらゴールを目指す。
勝敗の決め手は正解数と、「いかに20分きっかりに戻れるか」。早くゴールすると減点の対象になるため、タイムキーパー係を設けたチームが有利に!
チームチャレンジ
コミュニケーションの活性化や、仲間意識を高めることを目的とした『チームチャレンジ』では、インストラクターの提案に沿ってゲームを楽しんだ。
長縄で「3人ずつくぐって連続全員通過」にチャレンジしたり、大きな布を皆で持ち、上に飛ばしたぬいぐるみの連続キャッチ成功を目指したり。
「惜しい〜!」「やった〜!」といった声があちこちに響き、笑顔が絶えないひとときに。
凧作り
『凧作り』は、星型の紙にデザインするところからスタート。思い思いのデザインに仕上げた後、骨組みへ。
「ここ、何色がいいかなあ」という相談に応じて一緒に考える姿や、骨組みに手間取っている生徒をサポートする姿が見られた。
最も盛り上がったのが、凧をあげるとき。ひたすら走って風に乗せる生徒や、先生からコツを教わる生徒も。
いかだ作り
『冒険いかだ体験』でのいかだ作りでは、「僕は紐を結ぶのが得意やから任せて!」と率先して取り組む生徒がいたり、
「しっかり固定できてるね!」と担当箇所を互いに確認し合ったり。
休憩時にお互いをねぎらうなどの何気ないやりとりのなかに、積極性や協調性、優しさなど、個々の良さがにじみ出る。
いかだリレー
いかだを完成させた後は、クラス対抗のリレーで盛り上がった。いかだ作りの疲れを忘れたように、イキイキとした表情で作戦を練り、
「いくぞ!」「オー!!」と気合いを入れる生徒たち。素早くターンをするためのコツを共有するなど、優勝を目指して全力を尽くした。