理科教室・英語教室・情報教室
私学にはさまざまな特別教室が用意されています。昨今は、化学・物理・生物・地学の各分野に特化した理科室がそれぞれ設けられたりするなど、理数教育を図るための施設が目立ちます。また、グローバル教育に力を入れる学校には、ネイティブ教員と英会話を楽しむことができる『イングリッシュルーム』などが設置されています。それらの設備がどのように、どの程度活用されているのかは、確認しておきたいところです。
★☆理科教室☆★
①帝塚山学院(大阪府・女子校)
2022年秋に新たなサイエンスラボ『AQRiO*S(アクリオ・エス)』を開設。「物理」「化学」「生物」分野における科学的思考を培う最新の設備と環境が整えられている。
②啓明学院(兵庫県・共学校)
生物・化学・物理教室とサイエンスルームの4教室を備える『自然科学棟』。それぞれに専門的な深みのある授業を行い、本格的な実験や観察などを中心に理科の楽しさに触れて気づく多くの機会と学びがある。
③常翔学園(大阪府・共学校)
理科実験室は全部で4つあり、理科の授業や、『スーパーJコース』で行われる放課後実験や部活動でも使用している。中学生にも高校で扱うような実験を可能にしている。
④奈良学園登美ヶ丘(奈良県・共学校)
化学実験室が2つ、物理、生物、地学の実験室が1つずつあり、定期的に授業中に実験を行う。特に生物実験室には一人1台の光学顕微鏡が用意されている。
⑤武庫川女子大学附属(兵庫県・女子校)
8教室もある理科実験室や、技術家庭科関係の実習室4教室、茶道室や華道や書写の授業を受ける多目的教室などが一つの建物に集まっている『科学館』。
⑥関西大学中等部(大阪府・共学校)
東館13階に物理教室と化学実験室、東館12階に生物教室と地学・安全科学教室があり、理科の授業では、エネルギー・物質・生命・地球の4領域に関わる観察・実験を実施。自ら考え行動する力=「考動力」を発揮するうえで必要な「科学的思考力」を確立する。
⑦清風南海(大阪府・共学校)
次世代リーダーの育成を目指し、理科教育に力を入れている同校。化学実験室、物理実験室、生物実験室、理科講義室が本館3階にずらりと並ぶ。グループ単位の実験が中心に行われ、仲間と協力し合うことで、一層理解を深めることができる。
⑧比叡山(滋賀県・共学校)
理科実験に使用する機材、物品が充実している『理科室』では、教科書の隅から隅までの実験を行うことができる。1年間で行う実験数はなんと150を超えている。
⑨立命館(京都府・共学校)
SSH(スーパーサイエンスハイスクール)に20年以上指定されている同校では、サイエンス教育に対応した理科実験室、課題研究室、理科演習室など10個もの実験室を設置。充実した実験機材とともに興味を深められる環境を整えている。
⑩大谷(大阪府・女子校)
同校の「理科」が創設以来大切にしてきたことは、論理的思考力と実践力を養う「観察」と「実験」。2021年開設の『理科教育研究所』は、理科実験動画の撮影や編集、理科実験装置の開発や改良などの教材研究と研鑽の場となっている。
★☆英語教室☆★
①城南学園(大阪府・女子校)
国際社会で活躍する人材の育成を目指し、国際教育に力を入れており、週8単位の英語授業を設けている。さらに『English Room』では、昼休みや放課後に常駐するネイティブ教員と英会話を楽しむことができ、校内にいながら自然に会話力と国際感覚を磨くことができる。
②京都聖母学院(京都府・女子校)
2016年に完成した実践型英語学習施設『English Learning Center』。国際問題や異文化理解について学び、さまざまな課題を乗り越える力の育成を目指す。「何をするために」「どう使うか」を皆で考えるクリエイティブな空間となっている。
③東洋大学附属姫路(兵庫県・共学校)
授業以外の昼休みや放課後などに、ALTと生徒が自由にコミュニケーションをとれるように設置された『Communication Square』。校内にいながら、外国に行った気分を味わい、楽しく会話できる工夫をしている。
④神戸山手女子(兵庫県・女子校)
『イングリッシュルーム』は、オールイングリッシュで時間を忘れて過ごせる空間。お昼休みや放課後に、ネイティブ教員や留学生たちと英語で楽しい時間を過ごしながら、外国や自国の文化の交流を図る。
⑤神戸海星女子学院(兵庫県・女子校)
「異文化を理解する心」を育むための英語学習の実践力を養成する施設『CALL教室』。ネイティブ教員による中1~中3の英会話授業での活用に加え、クラウド型e-ラーニング教材を導入し、レベルに応じた英検対策も実施。
⑥京都国際(京都府・共学校)
2022年に完成した新校舎に2教室設置されており、電子黒板や最新の機器を導入した環境で、着実に語学力を伸ばせる『語学室』。英語・韓国語・日本語の3ヵ国語を学び、トリリンガルから真の国際人を目指す。
⑦姫路女学院(兵庫県・女子校)
国際教育を教育の柱の一つにしている同校では、ALTが6名在職。『イングリッシュルーム』 では、受験のための英語ではなくコミュニケーションツールとしての英語力を鍛えるため、ALTと1対1の英会話を楽しみながら会話力を磨くことができる。
⑧京都先端科学大学附属(京都府・共学校)
国際理解教育を重視し、全員一度は海外を経験する同校。ネイティブ教員は10名で、中学校は3年間日本人教員とのW担任制。『English Space』では、放課後、ネイティブ教員と英検の面接練習や、英会話を楽しむことができる。
★☆情報教室☆★
①梅花(大阪府・女子校)
『Silicon Valley Lab.』は、プログラミング教室では3Dプリンタやタブレットなどさまざまな設備が整っている。また、休み時間を利用して自由にワークショップを開催。主体的に問題を解決する力の育成を目指す。
②同志社香里(大阪府・共学校)
メディアセンター『繋真館』は、知識の習得だけでなく、情報活用能力を育む場としても重要な役割を担っており、モラルを持ってIT機器を使いこなせる人物の育成に繋げる。この場所に生徒たちが自然に集うことで、読書とICT教育、学びと生徒たちの好奇心を繋ぐ学習空間が生まれている。
③羽衣学園(大阪府・共学校)
パソコンはもちろんプロジェクターやタブレット端末など最新のICT機器を揃えたICTルーム。海外の学校とTV会議や企業とのプロジェクト学習にも取り組んでいる。
④立命館(京都府・共学校)
総合的な学習を可能とする学びのコミュニティとして、教室棟1階の中央に蔵書約59,000冊を収容する図書館、ICT環境を一体化させた施設として設置された『メディアセンター』。読書・メディア検索・創作活動など総合的な学習が展開できる環境を整備。
⑤常翔学園(大阪府・共学校)
『情報演習室』では、大学と連携し、データサイエンスやプログラミング学習を行い情報スキルの向上を図る。さらに学習した内容を活かし、プログラミングでロボットの操作にも挑戦。