学校のシンボル
学校に足を踏み入れた瞬間、その学校が持つ空気感・雰囲気を感じることがあるでしょう。校舎には学校の教育理念や大切にしている価値観が色濃く表れており、それが校風につながっていくことがしばしばあります。それぞれの「学校らしさ」および特徴が一番表れている、学校のシンボルには、どのような思いが込められているのでしょうか。
①灘(兵庫県・男子校)
有名な正門前。奥に見える本館は登録有形文化財に指定されており、灘校のシンボルとなっている。入学式や卒業式では、写真撮影のために行列ができる。
②明星(大阪府・男子校)
学園聖堂と屋上のマリア像は、1817年にフランスのボルドーで設立されたカトリック修道会「マリア会」を経営母体とする、大阪明星学園設立理念のシンボル。聖堂では、毎日曜日の朝にミサが行われ、卒業生の結婚式が行われることも。
③和歌山信愛(和歌山県・女子校)
校舎の上にあるマリア像は同校のシンボルの一つ。目指す女性像である”うつくしいひと”のモチーフであり、人としての心のあたたかさだけでなく強さやしなやかさも持ち合わせた女性になってもらいたいという思いから置かれている。
④仁川学院(兵庫県・共学校)
モニュメント『宇宙軸』は、神と私たちを「宗ぐ(つなぐ)」学院のシンボル。この宇宙軸のあるアゴラ(中庭)は、生徒たちの交流の場としてさまざまに活用されている。
⑤同志社(京都府・共学校)
比叡山を望む地で、緑の木々に囲まれたレンガ建ての校舎は、回廊や中庭も点在し、アカデミックな大学や伝統ある街並みを感じさせるキャンパス。
「校舎やキャンパス全体が学びの場」であり、生徒と教員が共に学び合う「学びのオープンスペース」となっている。
⑥金蘭千里(大阪府・共学校)
『光の広場』は、南庭からの光と風、北側体育館から反射する2層吹抜け分のあふれんばかりの光が融合するメインホール。あるときは図書室、あるときは自習室、あるときはイベントスペースとして(時に屋内大階段と一体化して)フレキシブルに多くの生徒が利用。
⑦平安女学院(京都府・女子校)
1895(明治28)年に学院の教育施設として建設された『明治館』は、2004年6月に国の有形文化財として登録され、これを機に改修工事計画がスタート。2008年8月に工事が完了し、学院の建学の精神・歩みを示すシンボルとして、多くの人々の心のふるさととして存続している。
⑧建国(大阪府・共学校)
韓国済州島のシンボル的石像で「石で作ったおじいさん」という意味を持つ「トルハルバン」。 守護神的、呪術・宗教的、境界の標を表す役割を持ち、まちの安全を守り、全ての厄運を防ぐといわれ、校門横に設置している。
⑨三田学園(兵庫県・共学校)
自然あふれる広大なキャンパスを誇る同校。なかでも一際目を引く『中学本館』は、登録有形文化財(建造物)に指定されている。
⑩同志社香里(大阪府・共学校)
『香真館(礼拝堂)』では週2回のショート礼拝と隔週のロング礼拝を実施。聖書に触れ教員の講話を聴き、真理について考える「礼拝」の時間を設けている。
「キリスト教をもって教育の基本とする」という同志社の理念を形にしている。
⑪東大寺学園(奈良県・男子校)
かつて学園が東大寺の境内にあったころ、毎日登下校の際、大仏殿本尊の毘盧遮那佛に礼拝するのが習慣になっており、その心を生かして、この『轉心殿』が造られた。現在もその習慣は受け継がれ、生徒は登下校の際、転心殿中央の線刻されている佛像に礼拝をしている。
⑫四天王寺(大阪府・女子校)
四天王寺の境内に学校があり、静かで落ち着いた環境。校門には「慈母観音」像が安置され、生徒たちは、登下校時、合掌一礼する。「慈母にも似た温かい愛情が湧き出るように」という願いが込められており、知らず知らずのうちに女子校・仏教学校に通学する意義を体得してゆく。
⑬甲南女子(兵庫県・女子校)
アトリウム(2~4階の吹き抜け)は、「風と光と緑の学び舎」をテーマにした、穏やかな風が流れる開放的な空間。プラザは、各階に用意されたフリーレイアウトの空間で、生徒たちは自由に机や椅子を動かして利用できる。6学年各5クラスの全校生徒がひとつの空間で過ごすことができるよう配慮されている。
⑭洛南高等学校附属(京都府・共学校)
本館校舎の中庭にある菩提樹。菩提樹は、お釈迦様がその下で悟りをひらかれたと伝わる木であり、仏教におけるシンボルツリーと言える。弘法大師が開かれた「綜芸種智院」の建学の精神に
基づいて発足した同校にとっても、この菩提樹は特別な存在であり、生徒たちは日々この菩提樹に見守られながら学問に励んでいる。
⑮京都聖母学院(京都府・女子校)
登録有形文化財(建造物)になっている旧陸軍司令本部(本館)。戦争を物語る建築物があるからこそ、「カトリックの人間観・世界観にもとづく教育を通じて、真理を探究し、愛と奉仕と正義に生き、真に平和な世界を築くことに積極的に貢献する人間を育成する」という建学の精神を身近に感じつつ日常の学びを実践できる。
安心・安全な環境
学校のロケ―ションやセキュリティは、学校生活を安全・安心に過ごすことができるかは重要なポイント。
さらに、多くの学校がカウンセリングルームを設置し、さまざまな生徒の悩みに対応して一人ひとりの心身の健康をきめ細やかにサポートしています。
①東山(京都府・男子校)
近世文化の源をなす東山文化の中心地にある同校。自然に恵まれたロケーションで歴史と文化に触れることができる唯一無二の環境で、夢をかなえるための主体性を日々育んでいる。
②関西大学中等部(大阪府・共学校)
JR京都線「高槻駅」から徒歩約7分、阪急京都線「高槻市駅」から徒歩約10分と、アクセス便利な都市型キャンパス。西門・北門には警備員が常駐し、東館入口はオートロック式で、セキュリティは万全。
③小林聖心女子学院(兵庫県・女子校)
校門へと続くゆるやかな坂道『みこころ坂』(通学路)。道の両脇には木々が茂り、四季折々の彩りを感じることができる。防犯カメラを設置し、警備員も常駐しているので、安全に、安心して通学ができる。
④松蔭(兵庫県・女子校)
『相談室』では、国家資格公認心理師資格を持つ学校専属のスクールカウンセラーが、勉強や学校生活などさまざまな相談に応えてくれる。生徒、保護者ともに利用が可能。
⑤神戸山手女子(兵庫県・女子校)
学習支援室『KOKOROOM』。学校生活に少し不安を感じている生徒たちが、積極的にここに通い、自分のリズムを作っていく。担当の先生やカウンセリングの先生たちとも、いろいろなお話をすることができる。併設でカウンセリングルームも設置。