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私立中高進学通信

2026年神奈川版

わが校の大学合格力強化計画

自修館中等教育学校

『探究』の学びを深め東大に合格
教育の柱が大学受験の支援に

JIC同好会に所属する生徒が、神奈川県秦野市立鶴巻小学校で出張授業を行いました。
自作のスライドなどを使いながらSDGsについてわかりやすく説明。この活動も総合型選抜でアピールしました。

創立時から重きをおく
『探究』の学び

『探究』『グローバルマインド』『EQ(こころの知能指数)』の3つを教育の柱に据える自修館中等教育学校。大学受験においては、一般選抜、総合型選抜ともに力を入れており、2025年度は、国公立大学に9名、上理GMARCHに57名の合格者を出しています。

 1999(平成11)年の創立当初から全国に先駆けて『探究』の授業を導入した同校は、創立20周年を機に『探究』の時間を、独自の必修探究授業『C-AIRプログラム』(※1)へと刷新しました。同プログラムではそれぞれの発達段階に応じた課題に挑戦することで、「変化の激しい社会」に対応しながら課題を解決し、人々との「協調」を志向していく生徒の育成をめざします。具体的には、1・2年生(中1・中2)は行政や研究機関、大学と連携したグループ学習、3・4年生(中3・高1)は一人ひとりがテーマを決めて『学術ゼミ』に取り組み、研究結果を論文にまとめます。

※1…Change and Collaboration-oriented Agency through Inquiry and Research(変化と協調に向け、探究を通じて、社会を動かす力)の略。

興味から始まった学びが
合格の決め手に
進路情報室長/安斎孝樹先生

 同校の『探究』の学びは、総合型選抜や学校推薦型選抜において合格の決め手になるケースも増えているそうです。

「2025年度に学校推薦型選抜で東京大学に合格した生徒がいます。彼女は中3の『学術ゼミ』でフェアトレード(※2)をテーマに選び、そこから探究を重ね、国際的な啓蒙活動を行うJIC同好会(Jishukan International Club)や、日本青年会議所が主催する『グローバルユース国連大使』にも熱心に参加しました。彼女の場合は、そうしたさまざまな活動が進路につながった理想的な例です」(進路情報室長/安斎孝樹先生)

※2…世界の貧困問題を解決するための公正な取引。

早い時期から行う
大学のキャンパス訪問

 同校の生徒は高1の秋、“将来なりたい自分”について説明する文理選択のプレゼンテーションを行います。同校は日常的にキャリアを考えるきっかけとなるような授業をプランニングしていますが、文理選択の前には保護者や卒業生による職業セミナーなどのキャリア支援も実施しています。

「以前は『探究』の授業などで興味や関心を育み、行事や部活動を通して自信や積極性を身につけ、それから将来の進路を決める生徒が多かったように感じます。しかし、現行の入試制度ではもう少し早くから将来のビジョンをイメージしておく必要があります。そこで受験準備が本格化する前に生徒の見聞を広げるため、2025年は高1生が東京農業大学のキャンパス訪問を行いました。文理の選択や、大学・学部の選択に頭を悩ませていた生徒たちでしたが、教授や学生から研究に関する話を聞くうちに視野が開け、未来への展望が広がったようです。
 さらに2026年は中3生が東京農業大学のキャンパス訪問を行いました。高1生に比べ将来に対する意識はまだ薄いですが、『探究』の授業と大学の研究につながりを感じる機会にもなり、学びの意欲がかきたてられたようです」(安斎先生)

独自の『EQ教育』は
大学受験にも効果的

 同校の教育の柱の一つ『EQ教育』も、生徒の大学受験に一役買っています。

「大学受験を控えて、『自分はどのように生きていきたいのか』『何を大切にして進路を選ぶのか』と自分自身に向き合うことは、進路選択における重要なプロセスです。本校では、中学段階で『SS(セルフサイエンス)』の授業を実施しています。SSでは、自分の価値観や強み・弱みを理解し、自分自身や他者の感情と向き合う方法について学びます。また、目標に向かって努力を継続するための考え方や、感情をコントロールする方法についても扱います。こうした学びは、中学時代だけで完結するものではありません。SSで培った自己理解や感情との向き合い方は、高校での進路選択や大学受験など、自らの将来を考える場面においても、生徒を支える土台となっています」(安斎先生)

 大学受験に不安や迷いはつきものですが、より良く生きるための自己分析を学ぶ同校の生徒たちは、自らの感情との付き合い方という点で、他校生より一歩先を進んでいると言えるでしょう。

毎日の学習が
合格につながる習慣

 一般選抜はもちろん、全ての入試において基礎学力は不可欠です。同校では基本的な学力を定着させるため、細やかな学習サポートを行っています。

「努力を継続しやすいよう、生徒たちは手帳を使って自分の学習状況を管理しています。学習は時間より質が大切。何をどのくらい行い、どんなやり方をすれば身につくのかということを実感してもらうために、また早い段階でその生徒に合った学習習慣が身につくように、スケジュール管理の大切さを指導しています。『◯◯大学合格』という目標を定めてから学習方法を考えるようでは遅いので、中学の段階で習慣化できるようにしています」(安斎先生)

 中学3年間で学習習慣を身につけ、探究活動などと並行して早めに将来の目標を見つける。そして高校3年間は目標に向かって尽力する。それを可能にするのが同校の教育システムです。今後は先述した東大生のような実例を増やしていきたいと安斎先生は語ります。

「受験のためにアクションを起こすのではなく、自分が興味をもってすでに取り組んでいることをベースに、受験に臨むのが理想です。『探究』が将来の目標に結びつくのが最善ですが、大学で学びたいことと違っていてもかまいません。私たち教員の役目は、生徒たちにいろいろな可能性を示してあげることだと思っています」(安斎先生)

フェアトレードのイベントに参加したJIC同好会は、マドレーヌとクッキーを販売。
マドレーヌに使用した砂糖と、クッキーに使用したコーヒーと砂糖はフェアトレードで調達されたものを使いました。
地域と連動した活動で、多くの人にフェアトレードの認知を高めました。

自修館中等教育学校 2025年度 主な大学合格実績ほか

※現役卒業生(22期生)116人 2026年3月現在

大学 合計 大学 合計 大学 合計
国公立大学明治学院大学8名獨協大学1名
東京大学1名獨協大学1名日本女子大学1名
東北大学1名武蔵大学4名工学院大学6名
北海道大学2名日本大学14名東洋大学17名
千葉大学1名東洋大学8名日本大学7名
埼玉大学2名駒澤大学6名玉川大学20名
宇都宮大学1名専修大学9名桜美林大学5名
長岡造形大学1名東京都市大学8名神奈川大学3名
上智・理科大・GMARCH工学院大学2名関東学院大学24名
上智大学2名芝浦工業大学1名帝京大学1名
東京理科大学6名東京電機大学2名東海大学7名
青山学院大学11名指定校推薦大学一覧東京都市大学17名
中央大学15名東京理科大学5名東京農業大学11名
法政大学6名青山学院大学8名文教大学4名
明治大学9名中央大学4名医薬系大学29名
立教大学8名法政大学3名その他の進学先
主な私立大学麻布大学4名防衛大学校1名
國學院大學3名明治学院大学1名Butler community college1名
成蹊大学2名北里大学1名日本航空大学校北海道新千歳空港キャンパス1名

(延べ人数)

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