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私立中高進学通信

2026年8月号

実践報告 私学の授業

横浜創英中学校

自由な発想を社会につなげる経験
生徒のチャレンジを促す横浜創英の探究

生徒主体の多彩な探究活動を展開
課題解決型の探究授業『4Cコラボ授業』での取り組みが発展した『YSTP(横浜創英タウンプロジェクト)』の会議の様子。商店街の方々と共に、実際の社会で活かせるアイデアを練り上げます。

探究シーン1
課題解決型の探究授業『4Cコラボ授業』での取り組みが発展した
『YSTP(横浜創英タウンプロジェクト)』の会議の様子。
商店街の方々と共に、実際の社会で活かせるアイデアを練り上げます。

 自ら学ぶ力を育てる授業や自分で選ぶカリキュラムなど、生徒の主体性を重視した環境を用意している同校。探究学習においても、生徒が自らチャレンジする姿勢を大切にしています。

自ら考え、自ら動く
挑戦の機会にあふれた学校生活
入試広報部/山本功次郎先生入試広報部/山本功次郎先生

「『考えて行動のできる人』の育成」を建学の精神に掲げ、生徒一人ひとりの個性や自律を重視した教育を実践している横浜創英。探究的な学びを教育の柱の一つに据え、対話や協働を通して解決策を探る学びを展開しています。中学は『総合学習』を週2時間、高校は『総合探究』を週1時間実施するほか、企業・大学訪問プログラム『ミライ探究』(中1)、対話・協力・分析的思考・創造という4つの探究スキルを磨く『4Cスキル研修』(中2)、異なる教科を組み合わせた20前後の講座から生徒が選択できる課題解決型授業『4Cコラボ授業』(高1・高2)など、さまざまな機会を設けています。

「学校から飛び出して社会とつながる実学的な学びを大切にしています。外部のトップランナーと協働する授業のほか、最近は地域の商店街と共同で商品開発を行うなど、身近なところから社会とつながる活動が増えています」(入試広報部/山本功次郎先生)

 同校は生徒の主体性を大切にしており、その校風は学校行事にも表れています。体育祭ではルールづくりから運営までを実行委員会が担い、中3・高2の研修旅行では旅行委員が行き先の提案や旅行会社との交渉、予算管理にも携わります。また、中高合同で行う探究発表会『プロジェクトフェスタ』(中2~高2)では、生徒たち自身が企画・運営を担当しています。こうした実践の場を通して、生徒たちは主体的に考え行動する力を養っています。

「『自分が通う学校さえ変えたことのない人間に、社会を変えることはできない』という本間朋弘校長の言葉が示すとおり、本校では一人ひとりが学校運営に主体的に関われる環境づくりを大切にしています。その根底にあるのは、多様な価値観を尊重し、決して強要しないという考え方です。また、生徒たちが安心して挑戦できるよう、学校を『失敗できる場所』にすることも心がけています。私たち教員は子どもたちを信じて任せますが、決して放任するわけではありません。困難や悩みを抱える生徒には、寄り添いながらていねいにサポートしています。
 今回取材を受けた生徒たちの行動力や挑戦する姿勢は、まさに本校の教育を象徴するものです。文化祭やプロジェクトフェスタなど、生徒の活動を発表する機会も数多くあります。ぜひ足を運び、そのイキイキとした姿をご覧ください」

生徒が実行委員を担う探究発表会『プロジェクトフェスタ』。会場設営の企画・運営、完成度の高い公式HPやチケット予約システムの導入、キッチンカーの誘致なども生徒が担いました。

探究シーン2
生徒が実行委員を担う探究発表会『プロジェクトフェスタ』。
会場設営の企画・運営、完成度の高い公式HPやチケット予約システムの導入、
キッチンカーの誘致なども生徒が担いました。

生徒インタビュー
授業から生まれた地元商店街活性化プロジェクト
左からSさん(高2)、Oさん(高3)、Kさん(高3)。左からSさん(高2)、Oさん(高3)、Kさん(高3)。

 同校では高1・高2を対象に、異なる教科が連携した探究講座に1週間かけて取り組む『4Cコラボ授業』を毎年実施しています。この講座をきっかけに活動を継続する有志生徒も多く、その一つに『YSTP(横浜創英タウンプロジェクト)』があります。「地域商店街の課題解決」をテーマに、空き店舗の増加が進む大口通商店街の活性化に取り組んでいるYSTPの生徒3名に話を聞きました。

――皆さんが担当している役割を教えてください。

Kさん(高3)
私は大口通商店街のピザ店と連携して商品開発を行うグループで、リーダーを務めています。開発した商品は文化祭で販売します。

Oさん(高3)
私もKさんと同じチームです。現在18名のメンバーで、文化祭での販売に向けてアイデアを出し合いながら試作を重ねています。

Sさん(高2)
プロジェクトの活動資金を集めるため、大口通商店街の納涼祭に出店するリーダーを務めています。今年は約26名で、焼きそばの販売を行います。

――この活動を通じて、学んだことや成長を感じたことを教えてください。

Kさん
地域の方々や多くのメンバーと協力しながら取り組むなかで、周囲をまとめる力や主体的に行動する力が身についたと感じています。

Oさん
商品を企画し、実際にお客様へ販売する経験を通して、ビジネスの基礎を学ぶことができました。高校生のうちにこうした経験を積めたことは、今後の大きな財産になると思います。

Sさん
人との距離感やコミュニケーションの取り方を学んだことで、人間的に成長できたと思います。後輩が指示待ちではなく自分で考えて行動できるよう、普段から話しやすい雰囲気づくりを心がけています。

Kさん
横浜創英は、生徒の自由や主体性を尊重してくれる学校で、自分の興味やアイデアを形にできる機会がたくさんあります。進路に悩んでいる人も、きっと夢中になれるものが見つけられると思います。

大口通商店街のピザ屋「Bocca Grande(ボッカグランデ)」と共同で商品開発。ピザ作り教室の方にも協力いただきました。

大口通商店街のピザ屋「Bocca Grande(ボッカグランデ)」と共同で商品開発。
ピザ作り教室の方にも協力いただきました。

生徒インタビュー
探究の祭典『プロジェクトフェスタ』を生徒の発想で運営
左からNさん(高2)、Uさん(中3)。左からNさん(高2)、Uさん(中3)。

 中2から高2までの全生徒が研究・探究の成果を発表する『プロジェクトフェスタ』。その企画・運営を担う実行委員会のメンバーのうち、公式HPの制作や媒体告知などを担当するNさん(高2)、来賓対応・外部広報を担当するUさん(中3)に話を聞きました。

――プロジェクトフェスタの発表はどのような形式で行われるのですか。

Nさん(高2)
2025年度は、図書分類法に基づいて教室ごとにテーマを分け、関連する研究を近くに配置することで見学しやすくしました。個人発表、グループ発表、来場者と対話しながら進めるブース発表など、多様な形式を取り入れています。今年度はさらに自由度を高め、研究内容に合わせた発表ができるよう改善を進めています。

――実行委員として活動するなかで、どのような成長を感じていますか。

Uさん(中3)
実行委員会のメンバーは学年を越えて仲が良く、自分の意見も言いやすいので、どんなことにもチャレンジしてみようと積極的になりました。外部の方々と関わる機会も多く、言葉遣いやマナーも身についています。

Nさん
実行委員会の立ち上げ当初はメンバーが2人しかおらず、仕事が山積みになってしまいました。そこで先生に企画書を提出し、生徒主体で運営できる組織づくりを進めた結果、今のメンバーが集まりました。活動中には困難な場面や意見の衝突もありましたが、信頼できる仲間が増え、「人を頼る大切さ」を学びました。

――Nさんは2024年度の発表会で最優秀賞を受賞されたそうですね。どのような研究に取り組んでいるのですか。

Nさん
JST(科学技術振興機構)の『次世代科学技術チャレンジプログラム』に参加し、千葉大学の研究室で、「平和な集団を再現・可視化するための数式(プログラミング)」を心理学の視点から考える研究をしています。中1の頃に学校にうまく馴染めなかった経験が研究の出発点です。研究を続け、平和な集団づくりの理論を解明したいと思っています。

Uさん
横浜創英は、イベントを運営したい、研究を突き詰めたいという明確な目標がある人には最高の学校です。入学時に目標が決まっていなくても、周囲の仲間から刺激を受けるなかで、夢中になれることが必ず見つかると思います。ぜひ気軽に飛び込んでみてください。

サイエンス、グローバル、特進フロンティア(高校のみ)の3コースを擁する同校。コースごとの特色が活かせる発表形式を模索したそうです。

サイエンス、グローバル、特進フロンティア(高校のみ)の3コースを擁する同校。
コースごとの特色が活かせる発表形式を模索したそうです。

(この記事は『私立中高進学通信2026年8月号』に掲載しました。)

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